今回お邪魔したのは、Spice Cafe Bija。2年くらい前に友人の友人として知り合ったKさんが実際に起業したというので、ずっと行きたいと考えていたのですがなかなか時間が作れず・・・。仕事を絡ませることで、ようやく訪問を果たせました。
エントランスにはオーガニック野菜の作り手さん名が。
細部までこだわりを感じる店内は、自然光がたくさん入って快適です。
夜は夜でまた大人の雰囲気です。
味噌風味バーニャカウダとチキンカレー&大根キーマカレーがとっても美味しかった。
ところで昼・夜とKさんのお店で食事をさせていただいたのですが、びっくりしたのはこのお店が取引先にすごく愛されているということ。契約農家さんやコーヒーの卸さんが食事に来ているのです。レストランと業者さんの関係というのはけっこうドライなので、業者さんがポケットマネーで食べに来るというのは通常のレストランビジネスであればまず考えられない。でも農家さんやコーヒー屋さんが自分の立場を越えて、応援者の一人として家族で食事に来ている光景を見て、Kさんが素敵な人間関係を丁寧に築き上げていることがよく分かりました。それがKさんが最終的に目指すところであり、「カレー屋」はその手段であるということも。時間はかかるかもしれませんが、自分を信じて突き進んで欲しいなあ。
他にもKさんとお話ししていて、色んなことに気付かされました。ちょっと長いので追記にて。
凄いなあ、と思うのは、久し振りにお会いしたKさんがリスクを背負っている人の顔になっているところ。リスクを実際に背負っている人とそうでない人との間には、明確なキャズムがあると思います。そこはもうどうしようもない事実であり、またジレンマを感じるところなんですが。リスクを負っている側としては、何でこの危機感を共有してくれないのだ、と思うと思うんですけど、私のようなリスクを負っていない側の人間としては、自分がいかに親身になったところでこの人の危機感を本当に共有することはできないのではないか、という罪悪感があったりもします。
SVP東京の活動でも、リスクフリーでお金と手を出そうとする中間支援団体のサポートを、それこそ命をかけて事業をやっている現場の人間がどれだけ喜ぶのだろうかというのは、常に疑問に思ってきました。でもいくつかの投資実績を見ていると、そこのキャズムを超えられるかどうかというのは、関わる個人の関係性に依存するのだというのも見えてきました。つまり投資先にとっては、「SVP東京(団体)はよくわかんないけど、○○さん(個人)の言うことは信頼できる」という関係になることです。人間関係の基本中の基本と言えばそれまでなのですが、やっぱり最後は自分の人間性が問われるのだなー。結局、相手に影響を与えたければ自分を高めるしか道がないと思うと、器の小さい私はその道の険しさにちょっと萎えそうになりますが、逆に考えればこれはコントロール変数を自分の内部に持てるということなので、希望にはつながります。
もひとつKさんと話していて共感したのは、理と情のバランスの話。私はもともとすごく感情的な人間なので、社会人の初期は苦労しました。目の前の人間の気持ちや自分の感情に影響されて、意思決定がブレたりロジックレスになるので、プロマネにいっぱい叱られたし、周りの人間もそんなやり方じゃ納得してくれない。これじゃいかんと思って、感情をコントロールしてロジックを鍛える訓練をひたすらやってきました。その結果、ロジカルシンキングはかなり鍛えられたと思います。が、弊害として感情の表し方がさらに下手になった。感情を意図的に伝えたいときや予想しない感情の起伏が噴出しそうになったとき、どうしていいか分からなくなります。そして、どう考えても効果的でない見せ方をしてしまっている気がする・・・。そのあたりは、Kさんもリーダーとして御苦労されているご様子。もちろん私よりはずっとずっとお上手なのですが、わかるわかる、と勝手ながら共感しつつお話を伺っていました。
理と情のバランスのとれた方というのは憧れますね。でもお手本にしたい方を見てると、ベースが理寄りか情寄りかを問わず、理で効果的に情をコントロールしているという印象を受けるのです。であれば、ゴールはきっと現在のやり方の延長線上にあるはずと信じ、精進あるのみです。
あと印象に残ったのは、ビジョンに人がついてきているのか、代表個人についてきているのかという話。実は私も、雇われ人だったときはビジョンの大切さってよく分からず、絵にかいたモチだと思ってました。でも自分の個人名で仕事をしたり、いろんな経営者さんにお会いしているうちに、これほど大切なものはないと思うようになりました。ビジョンは自分にとっての優先順位や譲れないものをクリアにしてくれます。それから、ビジネスをしていくうえでは、大変なことや辛いことがたくさんあるけれど、そんなときにくじけそうな自分を支えてくれたり、意思決定の拠り所となるのもビジョンです。これから先、個人としては辛い意思決定をしなくてはならない場面がどうしても出てくると思うのですが、その時にもビジョンがあれば「法人として」正しい判断だと考えることで、個人としての心の痛みを軽減することができると教えられました。そのあたりを考えても、やっぱりビジョン(組織)と個人の立場は切り分けておいたほうがいいのでしょうし、個人に人がついていないということを寂しく思う必要はないのだろうなあ、と感じます。結局、業を起こすということは、個人としての立場と法人としての立場を切り分けるということなのかもしれません。
ちょっと話がそれますが、自然人である以上欠点はあるし、欠点は個性だと思うし(過去記事「映画三昧」参照)。個性は合う合わないの問題がどうしてもありますから、重要なのはその欠点が自分にとって許容範囲なのかどうかを判断することだと思っています。で、実際やってみて合わなくて決裂するというのは、その個性や欠点がどうのという問題ではなくて、その「判断」が未熟だったということ。だったら次からはその判断力をもっと鍛えるようにすればいいのでは、と自分の過去の失敗を思い出しながら考えていました。私は失敗したときに原因を分析して対策を考えることで初めて次に進めるタイプなので、いちいちこういうこと考えちゃうんですよねー。我ながら理屈くさいな〜。
Kさんの起業ヒストリーを伺うインタビューでしたが、人の話を聞くことは自分を顧みることにつながるなあ、と思いながら帰ってきました。Kさん、本当にありがとうございましたー!
またぜひ浜松にお邪魔したいです。
そして静岡は、アジの開きキティとみかんキティ。


