2016年01月10日

コドモと一緒に金沢

ふと考えれば金沢は2007年から毎年2-3回ほど仕事で訪れています。ムスメが生まれてからは子連れで出張していますが、金沢は子連れで行くととっても楽しい町だと感じていますので少しご紹介。参考までに、出産前の金沢訪問記はこちらこちら

【コドモと一緒に遊ぶ@金沢】
金沢21世紀美術館
金沢子連れ旅なら絶対に21世紀美術館はいくべし!です。建物の中もお庭も、お子様向けアートプログラムもあり、ほぼ一日遊べます。出産前に行っても楽しかったですが、実は子連れのほうがもっと楽しめました。有料ゾーンと無料ゾーンがあり、屋内だけでもかなり楽しめますので、雨の日の訪問もオススメ。

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この辺は無料ゾーン。
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レストランのコドモ食器もカワイイ
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晴れたらお庭の遊具で遊んだり、シャボン玉したり。

兼六園もいいのですが、敷地が広すぎてけっこう歩かなくてはいけない上、砂利道なので子連れには少々辛かったです。
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鈴木大拙館
禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者、鈴木大拙の博物館。21世紀美術館から大人の足で10分ほどのところにあるのですが、私はここが大好きです。子連れには敷居が高く見えながらも、トイレにはオムツ替えシートがありました。掛け軸やら花器やらが展示されていますが、ちゃんと親が気をつけていれば子連れでも文句言われません。ただ子どもがダイブしたがりそうな水場があるのでそこは十分にお気を付けください。あと、入館料なしで行ける外の遊歩道が、子どもとお散歩すると楽しいです。

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ひたすら美しい。
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コドモがダイブしないよう注意
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外の遊歩道。紅葉の季節は最高。

近江町市場
近江町市場は観光地化している市場なので、エンタメ性が高くて子連れフレンドリー。ぶらぶら歩くだけでも楽しいですが、食べ歩きをしたり、加賀野菜や蟹を宅配便で送ったりできます。またこの近江町市場のある近江町プラザ3階には、「ちびっこ広場」というこどもの遊び場&一時預かり場所があるそうです。冬の北陸は香箱ガニや水ガニといった産地ならではの蟹がとっても美味しいのですが、蟹の外食は子連れだとちょっと厳しいのでここで買って自宅で食べるといいかも。

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市場はテンションあがる

ひがし茶屋街
市内に3つもある茶屋街(ひがし・にし・主計町)や長町武家屋敷跡は、子どもとぶらぶら歩くと楽しいです。中でもひがし茶屋街には重要伝統的建造物群保存地区であり、ここにある江戸時代末期の町家を復元した無料休憩所「ひがし茶屋街休憩館」は畳敷きなので子連れには助かります。ちなみに長町武家屋敷跡も迷路みたいで散策が楽しいですよ。私は「武家屋敷跡野村家」で歴史のある日本庭園を眺めながらお抹茶をいただくのが大好きだったんですが、これは子どもがもう少し大きくなるまで封印かな・・・
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ひがし茶屋街休憩館で寝落ちするムスメ

【コドモと一緒に食事@金沢】
もりもり寿司
金沢はお寿司が美味しいのですが、特に「なんでわざわざ高い寿司屋にいくの?」って地元の人に言われるくらい回転寿司のクオリティが高いです。中でも近江町市場や金沢駅の隣にある商業ビル「フォーラス」にもあるもりもり寿しはおすすめ。ただ常に行列しているので訪問は戦略的に。大人は美味しいお寿司を気軽に食べられるし、子どもは細巻や茶わん蒸しを食べられるし、回転寿司は便利ですね。

香林坊らくや
ホテルのコンシェルジュに子連れで食事ができるところを訊ねて教えてもらったお店。香林坊から歩いてすぐ。雰囲気よし・金沢料理が食べられる・子連れで行ける町屋居酒屋です。事前に電話するのがおすすめ。
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娘は加賀野菜の煮物と煮魚がお気に入り

金澤町家料亭 壽屋
江戸時代に建てられた建物の中で加賀料理をいただけます。金沢はお茶文化がありますので、懐石料理や和菓子がとても発展していますので、料亭を金沢旅行のコースに組み入れるのは個人的にとてもオススメです。ただ子連れで懐石料理はさすがに難しいなあと思っていたところ、こちらは法事利用が多いために子連れには慣れているとのことです。4人くらいで使える個室があるのも子連れにはありがたい。壽屋さんからひがし茶屋街までは大人の足で15分くらいなので、食後にぶらぶら散歩するのも楽しいかと。予約必須です。
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雰囲気がステキ!

【コドモと一緒に泊まる@金沢】
金沢東急ホテル
金沢の中心市街地である香林坊にあり、21世紀美術館が徒歩圏、近江町市場もバスで2駅ほど。ここを拠点にしてうろうろして、こどもが疲れたら戻ってホテルでお昼寝するという使い方をするにはとても便利なロケーションです。サービスもよく、朝ごはんのバイキングは豪華。ただベッドの部屋しかありませんので、子連れのときはベビーベッドを入れてもらっています。

※私は仕事のロケーションの都合でいつも東急ホテルなのですが、プライベートでいくならここもいいなと思っているところを2つご紹介。未訪なので保証はしかねますが、地元の人に教えてもらったので悪くないはずです。

ホテルパシフィック金沢
北陸新幹線効果でホテル代が高騰している金沢において貴重なコスパのいいホテル。ここの畳の部屋は子連れ旅行にいいと思います。素泊まりですが、近江町市場が近いので食事には困りません。

金沢・湯涌温泉 銭がめ
少し市街地から離れるため車が必要ですが、源泉かけ流しの温泉と山菜や川魚の料理が楽しめる宿。加賀百万石前田藩主が鷹狩りの休憩所として使用していた庄屋屋敷を利用しているそうです。食事のみ・温泉のみでも利用可。

【そのほか子連れ旅情報@金沢】
金沢駅直結の「あんと」という商業施設の中に、「金沢駅こどもらんど」というこどもの遊び場があるそうです。次回からは新幹線に乗る前にここでひと遊びさせることで移動が楽になりそうです。大人が二人以上いるときは、お土産購入と手分けもできますね。また金沢市内には、貸し出しベビーカーのサービス「ベビのり」もあり、数カ所にあるポートのどこでも借りられてどこでも返せるシステムになっています。

総じて、金沢は子連れ旅にはとてもいいところだと思います。
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2016年01月07日

コドモと一緒に石垣島

今年の冬休みは夫婦で長くお休みをとることができたので、この機会を活かそうと1歳8か月の娘を連れて石垣島に行ってきました。で、行ってみた結果として石垣島は子連れの旅行先としては理想的だったので、また訪問前にいろんな方に情報をいただいたのでお返しの意味も込めて、ブログで記録しておきます。

まず、私が子連れ旅行で大事だなーと思うこと3つとその理由です。

1)自宅からのアクセスが良い
うちの娘はイヤイヤが始まっているので、さくっと行けるところでないと移動だけで疲れちゃうなーと。今回は静岡空港から出ているANA便で那覇で乗り換えて石垣島に行きましたが、フライトは長くて3時間程度。そして静岡空港を使ったので、自宅から車で1時間、そして駐車場が無料!自宅から車で空港に行けるのは荷物の多い子連れ旅には有難く、しかも飛行機を降りた1時間後には自宅に到着しているというのは、羽田慣れしている身としてはものすっごく楽でした。地方空港いいですね。
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搭乗前にコドモを発散させることで、飛行機の中で寝てもらう作戦。

2)医療機関が近いこと
こどもの体調は何があるか分からないので、万が一のときに医療機関が近いところだと安心できます。竹富島も魅力的だったのですが、医療機関という点で離島は不安だったので今回は石垣島に滞在して日帰りで竹富島にいく、という手段を選びました。結果的にお世話になることはなかったのですが、一度体調を崩したので、いざとなったら駆け込める病院があることは安心感につながりました。あと竹富島は自然が素晴らしいのだけど、自然しかないので雨が降るとちょっと子どもが退屈するかも?と思いました。
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石垣島のビーチは十分にきれいです。

3)雨の日でもアクティビティに困らない
夫婦だけのときはリゾートで本を読むという休暇の過ごし方が好きだったので天気は関係なかったのですが、こどもは晴れても雨でも外に遊びに行きたがります。なので雨が降ったときに遊ぶ方法がある場所かどうかは子連れにはとても重要かと。また親もちゃんと休暇を楽しむためには、雨の日に部屋や敷地内で快適に過ごせるような宿を選ぶといいと思います。今回はフサキリゾートにしたのですが、部屋は広く、レストランもプライベートビーチもあるので、敷地内で1日過ごせるので子連れには最高の宿でした。特に今回は旅程の半分以上雨に降られたので(泣)、下手にケチってたら休暇なのに疲れ果てる結果になったろうなーと思っています。
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わざわざ出かけなくても敷地内でお散歩できる有難さ

で、そんな感じで行った石垣島はとても楽しかったので情報共有を。残念ながら私たちの滞在中はお天気が悪い日が多かったのですが、その分晴れた日は存分に楽しみました。
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ビーチの夕暮れ

石垣島の雨の日アクティビティとしては、ユーグレナモール(商店街)散歩、鍾乳洞、やいま村(リスザル餌やり、琉球衣装、サーターアンダーギーつくりが出来ます)、シーサー作りや琉球グラスつくり等。ユーグレナモールは小さい商店街なのですが、「バニラデリ」のハンバーガーが美味しく、「さんぴん工房」で娘とおそろいTシャツを買ったりしました。
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子どもサイズも親サイズも同じ値段なので、セットで買うとオトク感。

川平湾はお天気がいい日に行けなかったのが残念。天気がよかったらヤドカリ探しをしたかった。でも海底が見えるグラスボートを子どもは楽しみました。あとPinacoladaというパン屋さんのパンが美味しく、いいランチになりました。
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石垣港から船で15分の竹富島は最高に楽しく、日帰りで2回も行きました。水牛車たのしい。なお「かにふ」という食事処は美味しいし子どもフレンドリーでした。入口にハンバーグとエビフライをもったシーサーがいまして、娘にウケてました。

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12月なのにお花だらけ

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娘が超気に入っていたレンタサイクルでの散歩。

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コンドイ浜は猫だらけで、岩合光昭さん気分を味わいました。

あと私のオススメは西表島です。石垣港から船で45分の離島なのですが、島内のアクセスが悪いので石垣島発のツアーに参加するのがおすすめ。私たちは「やまねこツアー」というところの半日コースに申し込み、マングローブクルーズと由布島(水牛車に乗って上陸する島全体が植物園の小さな離島)訪問をしましたが、子連れには時間の長さや運動量がちょうどよかったです。
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水牛車だけでなく、人や車もざぶざぶ歩いていたのがおもしろかったです。

娘は八重山そばともずくをとても気に入り、おかげで食事には困りませんでした。親は泡盛のおいしさに目覚めたり、石垣島ビールとオリオンビールを堪能したりしました。あと石垣牛はとってもおいしくて、石垣空港でハンバーグと切り落としを購入しました。
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石垣島ビールは、瓶のリサイクルチャネルがあるため島内で買うと100円安いそうです

そんな感じの石垣島旅行でした。しかし、子連れ旅行に関しては、ガイドブックやWEBサイトよりもリアルなママ友情報が最強ですね。おかげさまでものすごく快適に過ごせましたYO!
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2015年09月02日

【もしベビ】育休制度があるから両立できる、は本当か?

今年の夏は、女性管理職育成に関する原稿を書いております。それに関していろいろ調べている中で、なかなか面白いデータを見つけたので紹介してみます。

女性のキャリアと育児の両立は、1991年の育児休業法の制定および2001年の改正によって、制度面での充実は図られてきています。現在育休制度は8割以上の企業で利用されており、子どもを産んでも復職できるというのは当たり前になりつつあります。いわゆる均等法世代は「産休(8週間)のみで育休なし」で復職している人が多いことを目の当たりにして、改めて制度の整備が進んだことの恩恵を実感しました。

こちらは育児休業取得率の推移。在職中に出産した女性がいた事業所に占める女性の育児休業者は順調に増えており、制度の利用自体は進んでいるといえます。

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(出所:厚生労働省「平成26年度雇用均等基本調査」)

ただし、この数字には出産前に離職した女性が母数に含まれていないため、結婚・出産という女性のライフイベントを経た就業状態の変化としては、国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」 のデータを参照しました。調査期間は1985年から2009年で、この間には1986年の「男女雇用機会均等法」、1991年に成立・1995年に改正された育児休業法があり、制度が就業にどのように影響を与えてきたかを分析するにはふさわしいデータと言えます。ここから、結婚前、妊娠前に就業していた女性に限定して就業を継続した者の割合のデータを調べます。

まず、結婚前後にどう就業状態が変化するかですが、結婚退職が37.3%から25.6%に減少していることから、いわゆる「寿退社」は減少傾向にあることがわかります。すなわち、結婚というライフイベントが就業状態に与える影響は小さくなってきていると言えます。

結婚に関する就業状態の変化
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(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)

しかし、これが出産になると話が別です。育休制度が整ったことで育休を利用して就業継続する人の割合が5.7%から17.1%と急激に増えているのは事実なのですが、全体の割合を見るとこれは育休なしで就業継続をする人から転換しているだけであることが分かります。

第1子出産に関する就業状態の変化
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(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)

つまり、女性全体をみたときに、出産を経ても継続就業をする人の割合としては24.0%から26.8%とほとんど増えていないどころか、出産を機に退職する女性の割合は37.4%から43.9%に増加しています。妊娠前から無職である女性が35.5%から24.1%に減少していることをあわせて考えると、育休制度が出来たことでこれまでは働くこと自体を諦めていた層が職につくようにはなったが、かといって実際に出産を経ても継続就業するわけではない、という仮説が浮かび上がってきます。つまり、育休制度という出産後をカバーしている施策の充実は「就業」には影響するものの、出産後の就業継続には直結しているわけではない(別の要因がある)と考えられるわけです。

結婚・出産というライフイベントがキャリアに大きく影響する女性は、常に先のことを考えて行動しています。就職するときは、「この会社で妊娠しても大丈夫かな?」を考えて育休制度の有無をチェックしています。そして実際に妊娠・出産が視野に入ってくると、「この会社で出産後に復職しても働けるかな?」を考えるわけですが、ここでは育休制度よりもっと先の、育児をしながら働くための環境整備をチェックしているはずで、ここで「NO」と思えば転職や離職、あるいはフリーライダーとしての就業継続、ということになるのだと思います。

経験を積んだ人材を流出させたくなければ、ここで「YES」と思えるような施策が必要であり、それは決して「育休制度」ではない、というのが私の結論です。




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2015年08月18日

【もしベビ】コドモにとってのリアルとバーチャル

なつやすみは保育園もお休みになるので、ムスメと一緒にたっぷり過ごしました。今回のもしベビはそこで気づいたことを。

まず、チームラボアイランドの「学ぶ!未来の遊園地」というイベントに行ってみました。「最新のデジタルテクノロジーを使い、子どもたちが同じ空間で、自由に体を動かし、互いに影響を与えながら、共同的で創造的でアートな体験を楽しむ」というもので、デジタルテクノロジーは1歳3ヶ月のムスメにはまだ早いだろうと思いつつも、どういう反応を見せるのかなーという興味で連れて行ってみました。

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カラフルで楽しい

結論として、まだそれほど楽しまなかったです。最初は非日常空間とたくさんのコドモにテンション上がってましたが、コンテンツ自体はふーんて対応。ケンケンパや絵を描くことができないからまあ仕方ないのですが、興味を持たない本質的な理由は何かな?と観察してみたところ、原因はインタラクティブ・コミュニケーションじゃないからではないかと感じました。

趣旨が趣旨なので、デジタルテクノロジーとはいえかなりインタラクティブなつくりになってはいるんですが(例:ケンケンパで自分の踏んだところから映像が変わる)、反応が返るまでの微妙なタイムラグや手触り感のなさが、ムスメにしてみればそれが「自分の行為に対する反応」なんだということが分からないようで、それが興味を持たない理由である印象でした。もう少し大きくなってバーチャルという概念を理解すればバーチャルとリアルの融合に興味を持つし楽しむのだろうけど、1歳児はまだまだリアルの世界すら理解しきれていないもんね。バーチャルを楽しむにはリアルを理解していることが前提なんだなというのが実感できました。

そこで、次はリアルな世界を体験させようとこども向け動物園に行ってみました。園内でエサを買って羊さんにあげさせてみたところ、すんごく楽しそう!夢中になりすぎて、終始おくちパカー状態でした。自分があげたニンジンに羊さんが反応するというのが、ムスメ的にとても興奮するみたいです

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羊さんにつられて自分も口が開いてしまうムスメ


この2つの事例を比較して感じたこと。

自分の行為に反応が返ってくるという経験は、Bandura(1977)が、提唱した自己効力感(self-efficacy, ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信)につながります。自分の働きかけに周りが反応するということを学習すれば自然に働きかけをするようになるし、反応しないと学習すれば働きかけをしなくなります。ちなみに後者は学習性無力感といってウツ病の症状でもあります。「こどもに自己効力感を持たせる」というのは私のコソダテにおける目的関数の1つなのですが、だから小さいときはテレビよりも反応が返ってくるコミュニケーション、具体的には人や動物とのふれあいが意味あるんだなーと腑に落ちました。

ムスメの存在は、人の学習プロセスを理解するうえで非常に参考になっています。ありがとねー。

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2015年05月20日

【もしベビ】1歳児とモチベーション理論

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アヒルさんたちを一列に並べるのは、1歳になったばかりのムスメの「業務」。つかまり立ちしながら、毎日せっせとやっています。(落ちたやつは親に拾えと要求するw)

洗濯物を洗濯籠から洗濯機に入れようとするしぐさも見せます。結果はなかなか伴わないけれど、彼女の貢献意欲が垣間見えてとても面白い。

これらのムスメの行動を見ていると、「人間は本来進んで働きたがる生き物である」という前提を置き、労働者(この場合ムスメ)の自主性を尊重した経営をするマグレガーのY理論だなーと思います。

また、ムスメを見ていると「欲求は相対的重要性に従って階層を成しており、低次のレベルの欲求が満たされると次に高次のレベルの欲求が現れる」というマズローの欲求階層説もよく理解できます。

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新生児期は生理的欲求だけだったけれど、2か月くらいからの眠いのに寝ない愚図り、抱っこしていないと寝ない愚図りは安心の欲求だし、11か月頃前に始まった後追いは所属と愛の欲求(社会的欲求)ゆえんだなーと思います。1歳の今は何かを成し遂げたとき(積木の箱のふたを閉めたとか)に拍手を求めてくるのですが、これは尊重の欲求だろうと感じています。そして、そのうち自我が出てきて、なんでも自分でやりたがる時期が訪れると思いますが、これは「自己実現の欲求」ということなのだろうなと。

理論を知っていることのメリットは、これから直面する課題を予測して対策できることにあると思っています。眠いのに寝ない愚図りも「安心したい」という欲求を満たしてあげればいいのねと考えることで乗り切ってきましたし、1日に何度も何度も要求される拍手(笑)も、「貴方を尊重してるよ」ということを伝えればいいんだよねと思っています。先輩ママたちに大変だと聞かされるイヤイヤ期も、自己実現の欲求を満たしてあげることを目的にすればいいのだということが分かっているだけでも不安が減りますねえ。


posted by Kokubo at 06:44| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | もしベビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月02日

【もしベビ】ワーキングマザーと管理職のミスコミュニケーション

育休プチMBA勉強会は、私の中ではR&Dの現場です。こういった研究の現場が身近にあることで人材の理解が進むので、よりよいLearning Communityづくりや人材育成の提案につなげることが出来ます。思えば大学のゼミ(KOKULABO)は実務経験のない人材(未経験人材)の理解と育成提案につながりましたが、プチMBAは時間的・物理的制約のある人材(制約人材)の理解につながりました。そこで得た人材育成方法と組織課題解決策の提案を、3月13日の研究報告会でお話ししたいと考えています。プチMBAは探索的研究の場なので結論を出すまでには至りませんが、実践から見えてきた仮説をご紹介する予定です。

詳細こちら。 育休プチMBA勉強会 研究報告会

もちろん制約人材=女性ではないですが、マジョリティは女性なので女性の業務遂行上の傾向というのも見えてきました。今まで仕事上で接点のある女性は量的に少ないうえ男性脳の女性がほとんどだったので(ビジネススクールだと思考の傾向に男女差はほとんど感じません)、私にとっては新鮮なことが多いです。プチMBAを始める前は女性のマネジメントに関する知識を持っていなかったので、「なんでこういうことをするんだろう?」と思うことが多かったのですが、今はかなりの部分でその理由がわかり、マネジメント上の対策が提案できるようになってきたことが大きな収穫です。

例えば、エン・ジャパン社が発表した「ワーキングマザーに関する意識調査」が非常に面白い現象をあぶりだしています。

図14の管理職経験者が「ワーキングマザーが部下の場合、本人に求めたいこと」は以下の通りです。
  第1位「時間内での生産性アップ」(70%)
  第2位「業務を抱え込まない」(59%)
一方、図15のワーキングマザー当人に訊ねた「仕事や周囲とのコミュニケーションで意識していること」では次のような結果が出ています。
  第1位「時間内での生産性アップ」(88%)
  第2位「周囲の社員への配慮」(79%)
  第3位「各職位に準じた業務遂行」(46%)  
  第4位「業務を抱え込まない」(42%)

ここから、管理職としては「業務は組織でやっているのだから、勤務時間内での生産性をあげるとしても出来ない部分は周りに任せることで業務が滞らないようにしてほしい」と考えているのに対し、ワーキングマザー本人はおそらく「自分の業務効率が悪いことでしわ寄せが周りにいかないようにしなければ」と考えて周囲への感情的なケアを重視し過ぎているのではないか、その結果抱え込み傾向があるのではないか、という仮説です。節子、ケアするべきはそこじゃないんや!

またこの「周囲の社員への配慮」に関しても若干のずれがあり、おそらくワーキングマザーは感謝の気持ちや申し訳ないと思っていることを言葉や態度で表さなくてはいけないと考えていると推測できますが、実際に図9の「時短勤務者の業務を代行対応をしたことがある社員に質問です。その際に、どのようなインセンティブがあれば、快く対応ができますか?(複数選択)」という問いに対する回答は次のようになっています。
  第1位「ワーキングマザー本人からの感謝の言葉や態度」(56%)
  第2位「自分にかかっている業務負荷の可視化(周囲からの理解)」(50%)
  第3位「インセンティブは不要」(49%)

第1位はまあ人として当たり前のことであるとしても、第2位って、ワーキングマザー本人がどうこうできる問題ではなく、管理職マターですよね。だから多分、ワーキングマザーをフォローしている周りの社員からみたら、ワーキングマザーに相対すなわち上司から見えていないところで100回謝ってもらうより、「〇さんのおかげでとても助かっています」ということを周囲や上司にアピールしてもらうほうが自分の評価になるのでありがたいと思うのです。でも罪悪感でいっぱいになっている当事者は、こういう状況って見えないんですよねー。私も当事者なので気持ちはとてもわかるけれど、客観的に見たら、節子、ケアするべきはそこじゃないんや!です。

ただこういうことって周りから言葉で言われても分からないことが多いのですが、ケースメソッドという気づきを促す教育手法を使って予めその状況を疑似体験しておくことで、自ら気づき、そして対策を考えることが出来ると思っています。そのあたりがデータで示せたら面白いなと思っています。

ケースだからこそ俯瞰して分析することが可能になります。
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周りの様々な意見を聞くことで視野の狭さを自覚できます。
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2015年02月27日

【もしベビ】育休プチMBA勉強会・研究報告会を開催します

2014年7月から主宰している育休中の女性・男性向けの勉強会で研究報告会をします。近年女性リーダー育成に関する相談が増えている一方で、企業の経営能力開発プログラムの仕事の場で女性を見かけることは非常に少ないのですが、おかげさまで2015年2月までに15回の開催でのべ220人が参加、2月は申し込み開始15分で売り切れる盛況です。これらの勉強会および勉強会の運営で得た知見をまとめ、出産育児休業というライフイベントを利用したビジネス能力開発の成果と意義を報告します。育休復職社員の扱いや女性社員教育に悩んでいる方にお勧めの内容です。

(以下プレスリリース)
育休プチMBA勉強会研究報告会のご案内
2015年2月25日
育休プチMBA勉強会運営チーム


育休者をはじめとする、時間等制約のある人材がマネジメントを学ぶ意義と成果
ーもし育休者がマネジメントを学んだらー


 育休プチMBA勉強会(任意団体:代表:静岡県立大学 助教 国保祥子)は、育児休業中の従業員(以下「育休者」とする)を対象としてケースメソッドを用いて行ったマネジメントの勉強会の成果について、下記のとおり研究報告会を行います。組織の人材活用にまつわる課題に応える具体策を各種データや育休者のパネルディスカッションでお見せします。

以下のようなことでお困りではないですか。
・育児や介護などで時間に制約ある人材の活用方法ならびに研修方法
・女性管理職を増やすように言われているがうまくいかない
・育休復職者の”望まないぶら下がり状態”に困っている

育休プチMBA勉強会がもたらした効果とは。
・復職後に管理職を目指したいと考える人が増加した
・職場を離れている育休中だからこそ、ビジネス能力開発の機会と捉える人が顕在化した
・ラーニングコミュニティによる離職防止やロールモデル提供
・復職を見越したケーススタディによる”望まないぶら下がり状態”の解消

                   記

 日時 :平成27年3月13日(金) 11時 〜 13時 
 場所 :慶應丸の内シティキャンパス(東京駅より徒歩3分)
 定員 :42名 申し込み多数の場合は抽選(3月6日に参加可否のご連絡をいたします)
 参加費 :無料
 お申込方法 :申し込みフォームよりお申し込みください。
 お問合わせ :育休プチMBA勉強会事務局 ikukyumba@gmail.com
  
 勉強会の成果をまとめた報告書の作成・配布を検討しています。発表会への参加が難しい方にも報告書を配布できるよう準備する予定ですので、同様に申込みフォームよりお申し込みください。
 詳細なスケジュールについては、お申込いただいたメールアドレスへお送りします。また、内容は一部変更となる可能性がございますこと、ご了承下さい。

育休プチMBA勉強会概要
第1子育休中の国保が「経営を勉強したい」という同じく育休中の友人の話に興味を持ち、プログラムを開発。二人で周囲の育休者に声をかけ、自宅リビングにて、時には赤ちゃんをおんぶに抱っこしながら、本格的なケース・ディスカッションによる学びを深めていきました。はじめは国保によるプロのファシリテーションでしたが、次第に参加者がファシリテーターを担うようになり、自律的に学習コミュニティ(Learning Community)を運営する現在のスタイルができあがりました。2014年12月まではリビングルームスタイルで12回の勉強会を開催。男性を含むのべ130人が参加しました。また2015年1月からは参加希望者が増えたことを受け、約30人の育休者で勉強会運営チームを組織して有料の勉強会を実施しました。1月のトライアル実施では25名が参加、続く2月には20名分の参加者枠が申し込み開始15分で売り切れる事態となり、急遽追加開催を決定。

国保祥子略歴
外資IT企業で業務変革コンサルティング経験を経て、慶應ビジネス・スクールでMBAおよび博士号を取得。ケースメソッドおよびチームラーニングデザインによる実務家の能力開発に定評。民間企業、行政機関、大学での人材育成ニーズに応え、育成プログラム開発および導入に従事。経営層と若手人材の同時教育、未経験人材や、多様なバックボーンを持つチームの教育デザインなど、次世代組織マネジメントの実践を得意とする。静岡県立大学経営情報学部助教、慶應義塾大学総合政策学部・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師。経営学博士(Ph.D)。

メディア掲載実績
授乳しながら学べる 「育休MBA」
(少子化ジャーナリスト 白河桃子/PRESIDENT Online  スペシャル/2014年11月20日)

(内容を修正しました 2015/2/28 5:00)

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2015年01月27日

【もしベビ】研究者的視点で考える離乳食計画

週末に夫とワインを飲みながら、9か月のムスメの離乳食の移行計画を立てる。保育園に入園したことで食事のタイミングが変わること、1回の食事量が増えたことを受けて2回食から3回食に変更して食事のリズムを整えていくこと、の2つを目的として、食事のタイミングと量を決めていきます。こういう作業って一人でやると大変だなーと思うけど、コソダテチームでやるとプロジェクトみたいで楽しい。私たちのやり方が「正解」であるとは思わないけれど、もしかすると誰かの参考になるかもしれないので、1つの事例として思考のプロセスを記録しておきます。

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最初に1日の必要カロリーを確認してターゲットを設定する。
このサイトの厚生労働省「生活活動強度別 エネルギー所要量 (kcal/日)」を参考にすると、体重1kgで100kcalということなので、現在7.5kgのムスメは1日に750kcal必要。

次にそれを食事&ミルクとおやつで補っていくわけですが、3回食に変更して食事のリズムを作っていくことが目的なので、朝昼晩の3食およびそれ以外のおやつの6回に配分します。

1食分のカロリーは、ムスメが1回で最大200cc飲むミルクは200tで140kcal、離乳食は市販のレトルト離乳食が1袋80gで40kcalという表記なので、これをベースに計算します。おやつは保育園では果物やビスケットなのでそれを食べさせると想定し、たとえばみかん中サイズ1個(可食部75g)で34kcalなので1/2個食べた場合の20kcalを基準値とします。

そうすると以下のような計算になりますが、これは合計720kcalになので、ターゲットとする摂取カロリーにちょっと足りない。
 朝ごはん 離乳食80g(40kcal)+ミルク200t(140kcal)
 朝おやつ 果物など(20kcal程度) 
 昼ごはん 離乳食80g(40kcal)+ミルク200t(140kcal)
 昼おやつ ビスケットなど(20kcal程度)
 夜ごはん 離乳食80g(40kcal)+ミルク200t(140kcal)
 寝る前  ミルク200t(140kcal)


離乳食は結構食べるので、1回2袋食べさせればいいんじゃなかと思い、計算してみると合計840kcalとなり、目標の750kcalをクリア。
 朝ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク200t(140kcal)
 朝おやつ 果物など(20kcal程度) 
 昼ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク200t(140kcal)
 昼おやつ ビスケットなど(20kcal程度)
 夜ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク200t(140kcal)
 寝る前   ミルク200t(140kcal)


でも実際には、離乳食を160g食べるとミルクは150cc(105kcal)くらいしか飲まないよねということで、ミルク量を修正して計算してみる。それでも合計735kcalとなり、ターゲットの750kcalをほぼクリアしてると言っていいんじゃないかと。これで、とりあえず離乳食2袋分とミルク150ccを1食で摂っていればOKなんだね、という基準値が出来ました。
 朝ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク150t(105kcal)
 朝おやつ 果物など(20kcal程度) 
 昼ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク150t(105kcal)
 昼おやつ ビスケットなど(20kcal程度)
 夜ごはん 離乳食160g(80kcal)+ミルク150t(105kcal)
 寝る前   ミルク200t(140kcal)


離乳食の内容が変わればカロリーは変わるし、飲むミルクの両も毎回増減があるけど、基準値ができたことでこれくらいの食事量を確保しながらミルクで補っていけば大丈夫だな、という目安を得ることが出来ました。実際には外出などで離乳食が昼からおやつの時間になったりとわりとゆるゆるなのですけど、「あるべき型はこれ」というのを1つ決めておくことでどこに立ち戻ればいいかが明確なぶん、却って臨機応変な対応ができると感じています。

離乳食も、週末のまとめ作りや大人食のとりわけなどで出来るときは手作り食に置き換えてるけれど、頑張っちゃってストレス溜めるくらいならレトルトでOK、というのが夫婦のコンセンサス。最初は「やっぱり離乳食に手間をかけるのが素敵ママかしら、レトルトなんてムスメがかわいそうかしら」という気持ちがあったけれど、周りの先輩ママ複数人から「離乳食で頑張って野菜ペーストとか作って食べさせていたけど、成長したら野菜嫌いになった。離乳食を頑張っても嗜好には関係ないと思う」という言質をとったので、そこは頑張るところじゃないんだなと割り切ることにしました。松田道雄も「定本育児の百科」で離乳食がんばるより散歩に連れていきなさいと語ってるし、限られた時間を投下する先として手作り離乳食は優先順位は低いと判断。そのかわりムスメとしっかり遊ぶことに時間を使おうと決めました。なおレトルト食を取り入れると、手作りをするときの適切な量や固さや内容の目安が分かる、カロリー数も計算しやすいので移行計画が立てやすいという利点もあった。

ただ、1回ムスメの残したレトルト離乳食を食べてみたらおいしくないものがあったので、「親が食べて不味いと感じるものはあげない」という最低ラインは設定。なのでレトルト食も毎回試食して、親が不味いと感じるもの、ムスメの食べが悪いものはラインナップから外していきます。今のところお出汁のきいているものが好きそうな感じです。手作りだと、にんじんをコンソメスープで煮たものとか大好きですねえ。また保育園は食育に力を入れているところを選んだのですが、毎回完食しているっぽいです。保育園見学に行ったときに試食させてもらったけれど、保育園の給食、めっちゃおいしかったもんねえ。

0124.jpg
ちなみに写真は、これまでの離乳食の中でムスメに最高に不評だったロマネスコ(カリフラワー)のスープ。離乳食の初期に、カリフラワーの離乳食があるならこれもアリだろうと夫が言うので冷蔵庫に入っていたロマネスコをスープ仕立てにしてあげてみたところ、ブ―――っと噴き出されました。それまでは本当になんでもパクパク食べていたので、うちの子は味に無頓着なのかしら疑惑があったのですが、この1件で、ちゃんと選んで食べているのだなということがよくわかり、安心した事件でもありました。



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2014年12月21日

【もしベビ】定時に帰るためのロジックツリーとフリーライダー脱却のススメ

出産後は、19時までに帰宅できるように仕事をしてます。足りない部分は早朝にムスメが起きる前の時間にこなしていますので、具体的には5:00-7:00と8:30-18:30が基本のワーキングアワーです。早起きだねって言われるけど、ムスメと一緒に21:00に寝ているので8時間睡眠です。

出産前は仕事が楽しくて時間がある限り仕事をするような生活だったのですが、復帰してからはコソダテタスクがあるため、ワーキングアワーに制約を受けるようになりました。その制約条件の中でこれまで通りの仕事量をこなせるのか復帰直後はとても不安だったのですが、一方でその制約を受け入れると覚悟を決めた瞬間から「制約の中でどう成果を出すか」という思考に切り替わりまして、そういう頭の使い方をするようになったら意外とできることが見つけられるようになりました。営業ウーマンのママ友が「時間に制約があることで戦略的に動くようになったので、出産前より営業成績が上がった」と話しており、へええーと思っていたのですが、これ、十分ありえる話だと思います。

ちなみに言語化しておくと、私の場合はその理由は次の3点だと感じています。
1) 勤務時間内のアイドリング時間が一切なくなったこと
2) 最初に効率的なタスクの進め方を考えることに時間を使うようになったこと
そして意外と大きいのが 3) 完璧主義をやめたこと、です。

3つ目について補足すると、これは今までならすべてのタスクで100%の完成度を目指す働き方をしていたのを、最終的な成果に影響する部分以外(たとえば内部ミーティング資料の図表の美しさとか)は80%くらいの出来でOKとしてタスクを進めるようになりました。0%を80%にするのと、80%のものを100%にするのとでは、後者は必要な労力のわりに成果に与える影響が小さいということを知ってはいましたが、時間があるときはどうしても100%を目指してしまうんですよねえー。しかし時間的な制約を前提としたことで、完璧さより「タスクを先に進めること」を優先するようになりまして、これが大きく生産性をあげる要因となっているように感じています。

ただ、タスクを若干荒い状態であげるので、小さなミスや配慮不足が多くなったのも事実です。ですが、一緒に働く人たちが指摘やフォローをしてくれるので何とかやっていけており、感謝しきりです。これ、関係性が悪いとミスを指摘してもらえなかったり責められたりで、組織としての生産性が下がると思うんですね。でも関係性がいいと、非難することなく必要なフォローをしてくれるので組織としては成果につながります(非難は真摯に受け止めますが、そのために非生産的な時間が費やされることは避けたいです)。労働時間に制約があるとついついコミュニケーションの時間を削ってしまいがちなのですが、これを実感してから、制約がある身だからこそチームとして働くということを意識し、戦略的にコミュニケーションの時間を作らないとだめだなと思いました。また、必然的にまわりに助けてもらうことが多くなるのですが、助けてもらってばかりだとフリーライダー(社会的ぶらさがり)になってしまい組織成員のモチベーションを低下させます。なので、どうやってそのお返しをするか、制約の中でもどうしたら組織に貢献できるかを考えることに頭を使うようになりました。

ところで、子育て中の社員が定時退社するために必要なことは何か?をロジックツリーを使って考えてみました。
ロジックツリー.jpg


このテーマで1回ディスカッションをしたのですが、定時内で仕事を終わらせることと、定時外の突発事項対策をすることまでは思いつくのだけど、「定時に帰ることの正当性を確立すること」を皆あんまり考えないのだということに気づきまして。定時に帰りたい人の多くは「時短制度勤務者だから」を正当性の根拠にしますが、(本人はおそらくそういうつもりではないのですが)これは当事者が言うと権利主張系コミュニケーションに見えやすいのです。一方で組織をマネジメントする側の視点で考えると、子育て中の社員が定時に帰ること自体は構わないし残業代払わなくていい分助かるのですが、その人が定時に帰ることで他の人の仕事が明らかに増えたり、組織の中に不公平感が漂ってモチベーションが下がったり、となるのは非常に困る。こういう嬉しくない組織の状況を招いている張本人から「自分の権利ですのでお先に失礼」とか言われたら、まあ頭では理解するけどムッとするよね、と。だから、時間が限られているからこそ、その限られた時間の中で組織に貢献する方法を考えたほうが、定時退社をやりやすくなるんじゃないかと思うのです。

じゃあ勤務制度以外に、どうすれば定時に帰ることの正当性を確立出来るのか?で私が考えたのが上図のDEFGです。

まず、D成果をあげるのは大事ですね。定時内できちんとやることをやって組織の成果に貢献している人に、人はあんまり文句を言わないと思います。Fは定時退社する人のせいで組織の仕事が増えないようにするための工夫で、これも回りへのマナーですね。で、けっこう大事なのに見落とされているんじゃないかと思うのが、Eのできるときに周りを助ける・育てるです。というのも、労働時間に制約がある人は余裕がないのでなかなか自分の担当範囲を超えてまで誰かを助けるということをしないのですが(気持ちはよくわかる)、自分が危機の時に助けてくれない人を、助けようと人は思わないですよね。逆に普段から助けてくれている人だからこそ、その人が困っているときは手を差し伸べると思います。そして、人は自分を育ててくれたり助けてくれた人の恩は忘れないし、恩返しができる機会があったら返そうと思うはず。だから周りを助けるという行為は、利他的行動に見えて実は自分のセーフティネットへの先行投資になっており、この投資をしていないと自分が大変な時に頼れるものがなくなるという状態に陥るのかな、と思いました。さらに、そのおかげで結果的にG他の人も定時に帰れるようになれば、もっと堂々と定時退社できるようになりますね。

というわけで、定時に帰りたい人こそ、「制約の中でどうしたら組織に貢献できるか」を考える、つまりフリーライダーから脱却するべきだと思います。そのためにも制約の中でも自分がどれくらいできるのかを正確に把握し、自分にとって負荷はそれほど大きくないけど周りには喜んでもらえる貢献の方法を見出しておくことをおすすめしたいです。(なんて言ってますが、私もまだまだですー)


IMG_2274.JPG
いつもいつも助けてくれるゼミの学生たち。なかなかちゃんとお礼を言う機会がないので、ここでこっそり感謝しておこうっと。このチームがいなければ、私の両立ライフはもっともっと大変だと思っています。ありがと!!!

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ -
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チームに関するお勧め本。成功するチーミングには「素直に意見を言う」「協働する」「試みる」「省察する」という行動がみられるそうです。



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2014年12月08日

【もしベビ】コソダテとキャリアの両立を阻む問題構造

SNSで大変話題になっているサイボウズのCM。

サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」
http://cybozu.co.jp/company/workstyle/mama/

いろんな感想があると思いますが、ワーキングマザー当事者であり経営学研究者としての私の感想は次の4つでした。

1)この女性は、プロジェクト・マネジメントをはじめとするマネジメント思考をもう少し身に着けることで、両立が楽になる。
2)この女性が働く会社(部署)の中間管理職は、チーミングをはじめとするマネジメントスキルをもう少し身に着けることで、部下の離職を防げる。
3)具体的な解決策の提案がない当事者の訴えはただの権利主張にしか見えないが、これはサイボウズという女性色が薄い組織が、解決策としてサイボウズのソフトウェアを提案していることで(CM単体ではわからないのが難点だけど)、権利主張ではなく問題解決に見える。
4)この働く母親のネガティブイメージを見せられた次世代の女性は、「コソダテかキャリアか」という選択をしなくてはならないと思うだろう。

このCM、いい問題提起だとは思うけど、最後のコピーだけがいけてない。
私は「よりそう」よりも、「この状況を変えよう」であって欲しかったと思いますねえ。だってこれ、女性だけの問題じゃないもの。

プレジデントオンラインにも取り上げられた育休中に友達と始めた勉強会授乳しながら学べる「育休MBA」)の教材を作るために、自由研究としてコソダテとキャリアの両立に関する問題を調べていたのですが、そこでわかったこととして、両立を妨げる要因(コソダテ女性が離職に至る要因)は、@女性個人の課題とA企業側の経営課題とに大別されます。なお本来@は女性に限らず子育て中の社員すべてが該当することでもありますが、ここではその多くを占めるのが女性であることから、女性の課題として話します。

@女性個人の課題としては、仕事タスクや家事育児タスクを抱え込む傾向があり、自分が頑張ることで何とかしようという思考が強いこと、“組織で”成果を出すという思考とスキルが欠如していること、が大きいです。コドモが生まれる前は仕事タスクが多くても長時間労働でカバーできるのですが、これがコドモが生まれてコソダテラッシュアワー前に退社するライフスタイルになると一気に回らなくなりますし、普段一人で仕事することに慣れているとタスクを形式知化しないので、緊急時に別の人が引き継ぎにくい、負荷が集中したときに周りがサポートしにくい仕事の仕方をしていたりします。つまり一人で頑張ろうとするがゆえに破綻する、という構造があるように思います。家事育児タスクも、任せられないという事情があるのかもしれませんが、自分が動かなくても回るようにするにはどうするかを考えておく、つまり「他者を使ってものごとを成し遂げること」と定義されるマネジャー視点(中原,2014)で脳みそを使えるか否かは大きいのではないかと思います。

A企業側の経営課題としては、恒常的な残業があることが大きいです。残業しないワークスタイルであれば、コソダテとキャリアの両立はそれほど難しいものではないと考えています。残業が発生する理由は、戦略上避けられない結果である場合(普通の人の3倍働く人が集まっているコンサルティングファームとか)を除き、長時間労働をよしとする組織文化がはびこっていることと、プレイングマネージャーが多くマネジメント業務がおろそかになり組織の生産性が低くなっていること、だと思っています。組織文化は成員の行動を規定しますから、時間をかけることを評価する文化である限り残業はなくならないです。また、組織の文化は意思決定サイドがつくるので、現場の社員やコソダテ当事者だけではなく、意思決定者(経営者や管理職)が考え方を変えないと、この残業文化は変わらないと思います。中間管理職が機能しない組織がカオスに陥ることは、説明するまでもないですね。

で、この@とAが合わさり、企業側は任せられない、女性側は引き受けられないという状況になり、ただでさえ低い組織の生産性はさらに低下し、そのうえで短い時間の中で業務をこなすコソダテ女性はコミュニケーションに割く時間を削りがちなためにコミュニケーション不足に陥って状況は悪化。最終的にはコソダテ女性を頭数に数えない業務フローが出来上がり、コソダテ中の男性を含む男性が残業させられ、そして夫が長時間労働をせざるをえないために家事育児タスクが妻だけにのしかかり、さらに仕事をしづらくなる・・・という構造になっているなーと感じています。

こうして、サイボウズCMがあぶりだしている状況は出来上がっています。
社会問題は構造問題であるということをしみじみと実感します。

では、どこでこの不幸なループを断てるのか?

@については、女性はもっと組織やチームで成果を出すための働き方を学ぶ機会があってもいいかなと思います。つまりマネージャー視点を持つためのトレーニングが有効なのではないかと。Aについては、管理職に労務管理だけでなく組織を動かすための知識やノウハウを学ぶ機会があってもいいかなと思います。つまりこちらも、マネージャー視点を持つためのトレーニングが有効なのではないかと。あと、労働時間で評価しない人事制度や組織文化が必要ですね。

もちろんこれだけでは根本解決にはならないけれど、とりあえず今の自分は、そういうトレーニング機会を作るということは出来る。ならば作ろう、と。私は、自分たち世代のうしろ姿を見ている次世代の女性たちが、コソダテとキャリアのどちらかを諦めずに済むような社会を作っていきたい。選ばないのは個人の自由だけど、諦めざるを得ないという状況はなんとかしたい。たとえ地味で小さな一歩でも、この社会問題の解決策の1つになればいいな、せめて対症療法になればいいなという想いで、私は育休プチMBA勉強会をやっているんだなという結論に至りました。

勉強会の参考書。
駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ) -
駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ) -





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2014年11月30日

【もしベビ】プロジェクト・マネジメントの知識で考える家事の時短テク

仕事とコソダテの両立ライフをはじめて3か月が過ぎました。ゼロ歳児を育てながらフルタイムで働いているというと、両立は大変でしょうとよく言われます。確かに決して楽ではないのですが、思っていたほど大変でもない、というのが今のところの印象です。コソダテ自体は初めての経験なのでそれは大変としても、家事の効率化にわりと成功していて、産前よりも家事に割く時間は減っているのが大きい気がします。これから両立ライフに突入する誰かのお役に立つかもしれないので、少し形式知化しておこうと思います。

まず最初にすべきことは、家事にまつわるもろもろのタスクの可視化です。それには作業分解図(Work-Breakdown-Structure/WBS)を利用します。たとえばこんな感じ。

家事WBS.jpg

次にそれぞれの分割した最少単位の作業(Work Package/WP)ごとに対策を考えていきますが、ポイントはこだわるところと徹底的に合理化を進めるところとを明確に分けることだと思っています。合理化しないと自分が大変になりますが、あまり合理化しすぎても生活が味気なくなりますので、どこに時間と手間をかけてどこにかけないというのを明文化するのは大事ですね。手間をかけないところを決めておくことで、その部分がゴタゴタになっていてもまあいいかと思えるという精神的な効果もあります。

以下、我が家の例で具体的に説明します。

まず「2.1食事」については、私は料理は好きなうえ中食が続くと体調が悪くなるので、今のところお弁当含め3食すべて作っています。ただ私の拘りは「2.1.3料理」だけで、それ以外は可能な限り合理化を進めました。たとえば「2.1.1献立作り」は週に1回まとめて実施します。スーパーではなく自宅で、かつ複数食をまとめて考えるので、料理本の材料別インデックスや検索機能に優れたCookpadをフル活用しています。最近、料理本は後ろからしか読まないですね。考えると言っても、曜日ごとにメインの素材(豚肉・鶏肉・牛肉・魚・ひき肉)を決めてしまっているので、その素材で作れるものを料理本からピックアップするだけです。ある程度の制約があったほうが意思決定は楽なので、この素材を決めてしまうのはかなりおすすめ。冷蔵庫に献立表を貼っているのですが、ついでに自分の仕事の予定も書きこんでおり、この日は遅くなりそうだからお寿司を買って帰ろう、この日は時間がありそうだからちょっと手の込んだハンバーグを作ろう、というふうに考えています。なお帰宅してから作る時間はないので、朝に朝食づくりと並行してお弁当と夕食の準備をしていますが40分くらいで2名の3食分が完成しますね。

「2.1.2買い物」はOisixの定期ボックスを使うようになりました。仕事をしていると週末にしか買い物に行けないのですが、3kgのベビを抱っこして1週間分の食材をまとめ買いするという行為を2,3回やってみて、その大変さと付加価値のなさにうんざりしまして、ネットスーパーに切り替えることにしました。いくつかあるネットスーパーでOisixを選んだのは、お魚の品ぞろえが豊富なこと(うちはお魚好きなので)、定期ボックスという自分でカスタマイズした定番セットを定期的に届けてもらえること(まとめ買いだと実はあまり内容に変化がないです)、がアンド条件で揃ったのが理由です。とはいえ、使い始めたころは大根1本280円とか、すごく高いスーパーだなあと思っていました。あと、ぶっちゃけ新鮮ではあるけど特別おいしいとも思わない。ですが、使っているうちにこれはスーパーではなく働く人向けのサービス業なんだということがわかりまして。スマホでの買い物のしやすさとか(電車移動中に注文完了できる)、注文締切のリマインダーとか(配達日と注文日が中2日空いているので絶対忘れる)、ほどよく変化のある商品提案とか(こちらが指定した定番品とOisixの旬のおすすめがデフォルトで、その上で毎回変更して注文確定する)、時間がない人がやりがちなポカミス対策とか(デフォルトが変更されていないとアラートが飛ぶ)、一回このサービスレベルに慣れると完全にロックインされます。肝心の価格ですが、うちは荷造手数料がかからない4,000円以上の注文を週1で届けてもらっていますが、それ以外に買い物に行けないのでちょこちょこ買いをしなくなったこと、ベビがいるため外食費が激減していることを併せて考えると、トータルの食費は産前より下がっています。
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定番買い物リスト、献立計画、スマホのOisixサイト。

そして「2.1.4洗い物」は食洗機フル活用です。うっかり勿体ないマインドが出て手洗いをして本末転倒になってしまう大きい食洗機より、毎回の食事分を洗うのに罪悪感のない小さ目サイズがよいと私は思います。

「2.2洗濯」は、「2.2.1洗う」「2.2.2干す」までは、当然自動洗濯乾燥機ですよね。ここは迷いがないところです。が、「2.2.3たたむ」に苦労している人は多いかと。“自動”洗濯乾燥機っていうんならたたむところまでやってくれよって1回は思うよね。でも我が家は検討の結果、このタスクに対しては「たたまない」というソリューションを導入することにしました。要は、たたまなくていいようなオペレーションに変更するということで、しわにならないものはメンバーごとに用意した「洗い終わった洗濯物入れ」に突っ込んでおく、しわになるものはハンガー干しで乾してそのままクローゼットに突っ込む、という感じです。で、洋服を使うときはこのバケツから直接取り出して使います。
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白の大きいサイズが「洗う前の洗濯物入れ」、ピンクがムスメ、ブルーが私、緑がオットの「洗い終わった洗濯物入れ」です。

「2.3掃除・片付け」ですが、私は掃除がめっちゃ嫌いなので、「掃除へのモチベーションが低くても回せるオペレーション」を目指しました。まずものが多いと掃除する気が失せやすいので、物を買わない・置かないを心掛けます。物が少ないとルンバが使いやすいこともあり、「2.3.2週1」のルンバを基本オペレーションにできますので、私は出勤前にスイッチ押すだけです。そのうえで「2.3.1日1」で気が付いたところをさっと掃除するようにしてます。しかし基本的にモチベは低いので、「さっと掃除」のハードルを下げるところに投資します。たとえばマキタのコードレスクリーナー。コードレスはいくつか使いましたが使いやすさと吸引力はマキタがダントツで、ツールの使い勝手がいいとモチベーション低くてもさっと掃除ができます。使い捨てのモップ・布巾系を用意して、さっと拭いてさっと捨てるという方法も。重たい掃除機を出してかけるとか、雑巾を洗うとか、モチベーション高くないと出来ませんから。で、ここまで頑張っておけば、他に特に掃除をしなくてもまあまあきれいな状態が保てますね。あとは、もう少し仕事が立て込んできたら「2.3.3月1」でプロのお掃除サービスを頼む予定。月に1回でも徹底的に掃除すれば、次の1か月は上記の週1日1で十分きれいに過ごせると思います。要は汚れを一定期間以上積もらせないということが大事なのだと思うのです。
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マキタさんとルンバさん

仕事とコソダテの両立生活を始めるにあたり、徹底的に合理化を進めた結果、DINKS時代より時間がかなりセーブできているなあというのが今の実感です。もっと早くやっておけばよかったかな。


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2014年11月10日

【もしベビ】育休プチMBAの効用

前のエントリ―で書いた育休を活用したMBA体験勉強会(育休プチMBA)を実施してみて気づいたことを少しまとめておきます。

ワーママ当事者として実感したことの1番は、コドモへの愛情と仕事への愛情は、全然カニバらない!! 一回仕事の楽しさを知っている身としては、コソダテが楽しいからといって仕事への愛情は薄れない。ただ投下時間は強烈にカニバリゼーションを起こすので、残業をはじめとする労働時間に対する制約は強く受けてしまいます。でも「残業ができない」ということは、「短い時間しか労働したくない」という意味ではなく、「18時〜21時というコソダテラッシュアワーに家に居たい」という意味なんだというのは、自分が当事者になって初めてわかったことでした。なのでこれ以外の時間、つまりコドモが寝たあとの時間や早朝を仕事に充てることでカバーできます。実際、私は夕方は18時に帰ってコドモと一緒に21時には就寝しますが、朝は4時半に起きて7時まで仕事をしています。出産前は22時ごろまでふつうに仕事をしていたのでその夜の4時間分を朝の2時間半にシフトして、時間当たりの生産性をあげることでトータルのアウトプットをなんとか保っています。ですが、こういう柔軟な働き方を認めてもらえない場合は、単純に労働時間の短縮になるので産前と同じだけのアウトプットを保つことは大変だろうなと思います。こういう労働時間の調整をはじめコソダテと仕事を両立するためには乗り越えなくてはいけない課題が多いため、仕事へのモチベーションは変わらなくとも、この課題の山にくじけてしまって退職を選ばざるを得ない女性が多いというのは「育休世代のジレンマ(中野,2014) 」でも証明されていました。曰く、両立の阻害要因としてもっとも大きいのは「職場環境要因」であり、その現実に直面した女性が自分の仕事への意識を下方修正することで適応している、とのこと。しかし、これは逆に言えば企業側が環境を整備することでこういった女性のモチベーション低下を回避することができるわけです。同時に、女性当事者も両立ノウハウを共有できて精神的に支えあえるネットワークがあれば、課題克服スキルがあがるので結果としての就業継続性に直結すると思います。つまり、「うちの会社の女性は意識が低い」は、経営者次第で回避可能な問題だということです。

そして勉強会の参加者の皆さんを見ていることで、この私の仮説は確信に変わりました。両手はコドモの世話をしつつも脳みそと耳と口でディスカッションに参加するというのは、学習やスキルアップへのモチベーションが高い証拠です。(ちなみに男性だとこういう並行作業って難しいんじゃないかなと思うのですが、マルチプロセッサー脳の女性はこれでも十分に学習効果が上がるということがわかりました)。彼女たちは制約を抱えた身になるという自覚があるからこそ、自分の人材としての価値をあげて経営に資する存在にならなくてはいけないという危機感もありますし、何より経営者目線での意思決定トレーニングを楽しんでいます。そういう姿を見て、経営者にとってこんなに貴重な経営資源はないんじゃないの?と思うんですよ。

正直なところ、私も自分が出産するまではコソダテ女性を経営資源として見ていませんでした。経営学を教えているので、周りは男性が多いし、企業の管理職研修・リーダーシップ研修の受講生も9割は男性です。だから女性は経営や管理職に興味がないのだろうな、仕事に対する意識が低いんだろうなとずっと思っていまして、なので今回ママ友に「マネジメントの勉強がしたいから育休女性を集めた勉強会をやらないか」と声をかけられたときも、「いつも男性相手にやっているコンテンツを女性相手に提供したらどんなディスカッションになるんだろう?」という単純な好奇心が先に立ち、彼女たちがどれほど経営に資する存在なのかという点はあまり考えていませんでした。実際、勉強会の最初の方はプレイヤー目線が強すぎて、客観的に状況を眺めて経営者視点で判断するということは出来ていませんでした。しかし回を重ねるごとにその成長は著しく、時短者の扱いを経営合理性から判断するということもできるようになってきました。それを見て、これは宝の山を掘り当てたなあというのが今の気持ちです。

コソダテ女性が持つ制約の条件を企業側が正確に理解できていないために環境整備ができていない、女性側も責任感が強いがゆえに両立できるかどうか確信が持てない状況で仕事を引き受けることには積極的になれないという課題はあります。ですが、そのミスコミュニケーションさえ正せば、お互いWIN-WINの状況に持っていくことは難しくないと感じていますし、育休期間を使って経営者思考のトレーニングをすることがその第一歩になると感じています。

女性は、育休期間を学習機会に。
企業は、制約を克服するための環境整備を。


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2014年11月09日

【もしベビ】育休を活用したMBA体験勉強会(育休プチMBA)

(2015/5/12追記:最新の案内はこちらです→ 育休プチMBA勉強会について

産後4ヶ月目から、育児休業を取得して復職する女性(以下育休復職者)を対象に、スムースな復職および休業中のスキルアップを支援するための勉強会を開催しています。@経営者目線の獲得A仕事と育児の両立生活を支え合えるネットワーク作りを目的に、管理職に必要な思考やスキル、および(女性)育休復職者に特有の課題に対する解決能力をディスカッションしながら身に着けていくことを目指しています。これまでに全10回開催、のべ97人が参加(2014/11/9時点)。

この勉強会の特徴は、1歳未満の乳児を同伴して、ビジネススクールの単科クラスに類似したコンテンツを受講できることにあります。育児休業中ですので、24時間体制の育児中であることに変わりはありませんが、子どもが4ヶ月くらいになれば余裕が出てきますし、目は子どもから離さないにしろ、脳みそと耳と口は勉強のために使うことができます。そのため勉強会ではマンションの一室を会場にし、ディスカッションしながらの抱っこ・授乳・オムツかえOKというスタイルにしています。その一方で、内容は慶応ビジネススクールやオリジナルのケース教材を用いており、MBAと同様に経営者視点で考え、ディスカッションをしています。ビジネススクールの本質は経営知識の習得ではなく、経営者目線での意思決定トレーニングであると考えていますが、この勉強会では残業ができないという制約を背負った子育て中の女性が当事者目線だけでなく経営者目線で、どのようにチームに貢献できるか、組織の成果に貢献できるかを皆で考えています。子育て女性が復職した際に直面する課題の多くは、女性個人の問題というより経営課題であることが多く、ゆえに経営者による組織改革で解決できる部分が多くあります。そこで、女性が自らの環境改善というより、組織全体の最適化のために改善案を提案・実行できるようになることを目指しています。

このプログラムは、NPO法人マドレボニータが提供する産後女性向けエクササイズ教室で出会った友人の「経営を勉強したい」というニーズに応える形で国保が開発しています。なお第6回まではプロ講師(国保)でしたが、第7回からは参加者がファシリテーターを担っており、自律的に学習コミュニティが運営されているというところにも特徴があります。

【育休期間を利用して勉強会を行うメリット】
勉強会に参加することで、育児休暇を能力開発のための学習機会にできます。具体的には以下の通り。
@経営者目線の獲得によって得られる効果
・よりスキルアップした状態で育休復帰者を迎えることができるため、組織にとっても復職当事者にとっても不幸な復職後の再適応不全を最小限にとどめることができる。
・育休復職者が経営者目線で自らを俯瞰するようになることで、時短などの制約がありつつもどのように経営に資する存在となりえるかの提案と行動ができる。(例:業務を短時間で集中して行う仕組みをつくり、部署内全体の業務改善に役立てることで時短勤務者のみならずみんなが働きやすい環境づくりを実現する。買い物する暇がない子育て世代等をターゲットとしたインターネット販売事業の強化等、自身の環境変化を生かした業務や事業を提案する。子育て女性を含むダイバーシティの高い人材のマネジメントを当事者として実施し、企業競争力につなげる。子どもの病気のような突発事項に備え業務を抱え込まない体制づくりを実施することで、後進の育成にもつなげることができる等)
・育休復職者は帰る場所があるありがたみを実感しているので、企業に関する忠誠心と管理職に必要なマネジメント知識を併せ持った女性管理職候補を確保できる。
・育休復職者が経営者目線を獲得することで、個人としてはもちろんのこと、チーム全体のパフォーマンス向上を意識して行動できる。
・家事・育児のマルチタスクをこなす能力、突発事項への対応能力など、仕事と育児を両立する過程の中で培われる問題解決能力を、業務でも発揮できるようになる
・これまでのキャリアをゼロリセットせず、復職後も経験を活かした人材として活躍できる

A仕事と育児の両立生活を支え合えるネットワーク作りによって得られる効果
・仕事と育児を両立するためのTIPSを共有し、精神的にフォローしあうネットワークがあることで、女性が仕事を継続しやすくなり、職場での人材活用や離職の防止につながる。
・次世代の女性に社内外でのロールモデルを示し、さらなる人材の発掘や継続就業を実現できる
・仕事と育児を両立するうえで降りかかる課題を事前に疑似体験することで、ワクチン効果による課題克服能力が高まる

【学習内容】
1)管理職思考に移行するための挑戦課題
中原淳「駆け出しマネジャーの成長論」(中公新書ラクレ)の7つの挑戦課題を身に着けることで、プレイヤー思考から管理職思考にシフトすることを目指します。「他者を使ってものごとを成し遂げること」と定義されるマネジャーとして振る舞う知識とスキルを身に着けることで、育児とキャリアの両立がしやすくなるだけでなく、社内外での人材としての付加価値向上にも繋がります。また両立課題について客観的に眺め、経営者目線でのコミュニケーションが出来るようになることも目指します。
具体的な挑戦課題: @部下育成 A目標咀嚼 B政治交渉 C多様な人材活用 D意思決定 Eマインド維持 Fプレマネバランス
2)女性リーダーに特有の挑戦課題
リーダーシップという組織の目的を達成するためにメンバーに与える影響力を身に着けることで、人材としての付加価値を向上することを目指します。働くことへの覚悟を持つとともに、女性リーダーに特有の課題に対しても働くことを前提に解決策を考える問題解決思考を身につけます。さらには社内外で不足しがちな女性ロールモデルを後輩女性に提示したり、ワーキングマザーならではの生産性アップのコツを共有したりしています。
具体的な挑戦課題:G組織全体の構造を踏まえた意思決定と行動 Hリーダーシップの構造づくり軸
3)女性が直面する「壁」を疑似体験する
子育てをしながら仕事をしていることで陥りやすい苦境を事前に疑似体験しておくことで、いざというときに冷静に対処できるよう気持ちと環境を備えることができます。当事者はどうしても視野狭窄に陥るため、あらかじめ客観的に見つめる視点を獲得することでワクチン効果となり、苦境の最中でも自分を俯瞰して経営者目線での対策を思いつけるようになることを目指しています。

【これまでに扱ったテーマとケース】
第1回 学習ニーズヒアリング
第2回 マネジメント思考の基礎/「北村店長のスタッフ管理」(KBS公式ケース)
第3回 マネジメント思考の基礎と人材育成/「あるコンビニエンスストアの現金違算」(KBS公式ケース)、「『アルバイトが自主性を持って動かないんです』と訴える店長」
第4回 当事者視点から見る時短勤務者と管理職視点から見る時短勤務者/「支店長のお小言」「復職後半年で退職を考える育休復帰者」
第5回 プロジェクト・マネジメントと問題解決思考/「岸本貴子の職場復帰前面談」
第6回 女性活用戦略の経営合理性/「鹿児島銀行ー組織改革と女性活用ー」(KBS公式ケース)
第7回 ダイバーシティ・マネジメント/「品川情報システム株式会社-ダイバーシティと現実-」(KBS公式ケース)
第8回 制約のある人材のマネジメント/「北村店長のスタッフ管理」(KBS公式ケース)
第9回 女性のリーダーシップ特性/「キリンフリーの開発」
第10回 業務フローの改善/「岡村課長と定時後のクレーム」
番外編 ケースメソッドで考えるキャリアと結婚(女子大生向け)/「結婚するかどうか迷っている新聞記者」「再就職支援コンサルタントの悩み」
番外編 ケース開発プロジェクト:在宅勤務者8名で13ページのケースを2週間で開発

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興味のある方は下記までお問い合わせください。
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2014年10月26日

【もしベビ】「育休世代」のジレンマ

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)を読みました。

【要約】
女性のキャリアと育児の両立は、1991年の育児・介護休業法の制定および改正によって、制度面での充実は図られてきた。しかし女性の62.0%、制度の恩恵を受けられるはずの正社員でも52.9%が第1子の出産後1年以内に仕事を辞めている(国立社会保障・人口問題研究所の第14回出生動向基本調査)。加えて管理職の女性比率は6.8%(厚生労働省平成23年度雇用均等基本調査)と、先進国でもトップクラスの女性“非”活用国である我が国において、制度が整った後に就職し(1978年以降生まれ)、高学歴で就職活動では所謂「勝ち組」で仕事への意欲に燃えていた女性ですら出産後に退職に追い込まれるという現象を、社会構造の問題として分析している。

女性の両立問題を取り巻く要因を、「職場環境要因」「育児資源要因(含む夫の育児参加と実家サポート)」「意識要因」に分けて分析している。そして、このうち両立の阻害要因として決定的なのは「職場環境要因」であり、その現実に直面した女性が自分の仕事への意識を下方修正することで適応しているという事実である。高学歴女性は特に学生時代から就職(という社会への入り口)の段階では男女平等が当たり前で育ってきているケースが多いため、出産後に初めて女性に著しく偏った育児責任への期待という不平等な社会の実態に直面し、適応不全を起こしやすいという指摘は納得性が高い。そしてその事実に直面したときに、エンドレス残業に代表される会社へのフルコミット体制を前提とした会社人間的価値観に疑問を抱き、「そこまでしたくない」という想いを抱いて、「降りて」しまうということである。

ちなみに興味深いことに、育児資源要因のうち夫の育児への関与はほとんど影響していないそうで、というのも「いなくても何とかなる」からではなく、「最初から期待していないのでガッカリもしない」からなんだそう(うーん)。

【もしベビ的感想】
産後3か月くらいから、ママ友のリクエストで子連れOKのマネジメント勉強会をはじめました。普段は主に男性を相手にマネジメント教育をしているので、女性を相手にしたときに何が変わるかな?という好奇心が発端でしたが、勉強会を続ける中で経営資源としての女性の可能性を強く感じています。女性たちはコドモを持っても意外と働く意欲は持っていますし、時短勤務を希望する背景も勤務時間を「短く」したいわけではなく、18-21時の育児ラッシュアワーに自宅にいたいだけであるということ、そしてマネジメント教育次第で経営者思考になり経営に資する存在になるようふるまえるということ、を実感しています。ですのでこの本の結論には非常に同意するし、職場環境要因を改善することで宝の山にアクセスできると考えています。このあたりはまた別途。

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書) -
「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書) -


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2014年10月17日

【もしベビ】制約とクリエイティビティ

ムスメが生まれたことで出来なくなったことを悲しんで生きるより、ムスメが生まれたことで見えるようになった景色を楽しんで生きていこう、と思わせてくれた台風後の青空。ベランダに寝転んで空を見る機会なんてねんねのムスメがいなければ絶対になかっただろうし、そうやってみる空がこんなに美しいなんてきっとずっと知らなかった。

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経験上、制約がある方がクリエイティビティが発揮されることを知っています。ムスメが生まれたことで発生したたくさんの制約を、クリエイティビティに変換して仕事をしていこうと思います。



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2014年09月24日

【もしベビ】育児と仕事の両立生活とリスク・マネジメント

9月1日から仕事復帰して、ばたばたと過ごしているうちにムスメは5か月になりました。今のところ病気もせずにすくすく成長してくれているのが何よりもの親孝行です。病気は母親からもらった免疫が切れる6か月目くらいから増えるそうなので、警戒しなくてはいけないのはこれからだと思いますが。

復帰して3週間が経ちますが、とりあえず突発事項以外の対応には慣れてきました。復帰直後は出産前の自分からしてみたらありえないようなポカミスをやらかして「ああ、これが育休後に信頼を失うってことなんだな」と実感しましたが、この件は結果的には大事にならず、むしろごく初期に緊張感を持てるきっかけになったのでいい学習機会だったと今は思っています。脳みそが錆びついているんじゃないかというのが一番心配だったのですが、私の場合育休は正味5ヶ月で、頭だけを使う仕事(ゼミ指導)は産後1ヶ月でSkypeを使って再開したし、スポットのミーティングや講師業を2ヶ月で再開してあまりブランクを開けなかった成果なのか、思ったより大丈夫でした。それより、ささやかな配慮とかカンの感度というか、産前はあまり頭を使わなくても勝手に身体が反応してこなしていた系のタスクの腕が鈍ってますね。たとえていうなら、お茶のお点前は忘れていないけれど、畳のヘリを踏んでしまう感じ。「ささやかな配慮が足らない」だけでは大きな問題にならないのですが、それによって信頼を失ったりリカバリーに時間を取られて結果として仕事がやりにくくなる、という感じで間接的には大きなダメージをもたらします。復帰後徐々にこのカンは復活してきましたが、5か月の育休でこれなら、3年間も休んだらもうもとには戻れないだろうなーと思いますね。なので出産後も仕事を続けたい、仕事と育児を両立させたいと思っている方がいたら、1年も待たず、なるべく早いタイミングで復帰することをおすすめしたいです。仕事じゃなくても、プロボノやイベントのお手伝いのような「仕事じゃないけど仕事としての振る舞いを求められる場」でいいと思いますが、身体を鈍らせないようにしておくと復帰が楽かと思います。(※意見には個人差があります)

そういう小さなトラブルはあるものの、大きなトラブルは経験せずに今のところ両立生活を送れています。この穏やかな両立生活を支えている一番大きな要素は周り人の理解や協力ですが、活かせている経営学の知識という観点から言えば、リスク・マネジメントの知識だと感じています。

リスクとは組織(両立生活で言えば夫婦)に損害を与える可能性のある不確実性のことで、事象が顕在化する可能性やタイミング、その影響度合いなども含んだ概念です。そして、リスクは常に潜在的に存在し、完全に排除するのは不可能であるという考え方をします。なので、リスク・マネジメント(リスク管理)とは、リスクを完全に排除することができないが最小化し、かつ顕在化したときの組織に対するマイナスの影響を最小限に抑えるための管理活動と言えます。

リスク・マネジメントのサイクルはこんなかんじ。
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で、私は@リスクの発見(洗い出し)とAリスクの分析・測定に自分の力を注ぎました。本格的に忙しくなる10月ではなく、あえて9月のまだ仕事に余裕がある間に復帰したのも、繁忙期突入前の時期を使って両立生活で起こりうるリスクを洗い出しておきたかったのです。現時点では仕事も余裕がある時期だし、夫もいるので私のフレキシビリティは高く、だからついもっと仕事をしたくなるのだけど、復帰前に聞いた「育児と仕事を両立させるためには、フルパワーで日常を送らない。子どもの病気などどうしても発生する突発事項に割くための余力を常に残した状態で日常を確立することが大事で、そのためにリソースに投資すべき」というアドバイスを念頭に、まずは現仕事量で恒常的に余裕が出る状態、つまりいざというときにリスク対応ができる状態を目指しているわけですね。有能な経営者は一見ヒマそうにしていますが、日常的に余裕を保っているからこそ突発事項の早期発見・早期対処ができるので深刻な経営危機にならないわけで、そういうのが理想形です。

ついでに復帰3週間で感じた、両立生活に大事だと思う条件を言語化しておきます。
1)夫婦どちらかが時間の使い方の裁量権が大きい仕事についていること。育児は18時-21時あたりがラッシュアワーになるので、例えばその時間は育児に充て、仕事の総量はそれ以外の時間帯でカバーすればいいというワークスタイルはとてもとても便利です。
2)仕事も家事も段取りがすべて。子どもがいると使える時間や打ち手に圧倒的な制約を受けてしまいますので、出産前にはトラブルが発生してからでも対応できていたことができなくなります。なので仕事も家事も、計画の部分に頭をたくさん使うようになりました。アウトソースも可能な限り検討します。でもそうしたらけっこうな時間短縮が実現できたので、いままでは無駄が多かったんだなーと実感します。
3)ムスメが元気で夜よく寝てくれること。夜によく寝るので元気、という因果関係もあるみたいですが、うちのムスメは4か月になった頃から9時間まとまって寝るようになったので、すごく楽になりました。おかげで私も睡眠時間が確保できるので、自分の体調管理に役立っています。
4)信頼できる保育者と出会うこと。ムスメに関する心配ごとがないと仕事に集中できますが、今頃ムスメ大丈夫かな〜という心配をしながらだと、生産性は著しく下がりますね。病児保育のフローレンスさんがスタッフの質にすごくこだわっている理由が腑に落ちました。(フローレンスさん、静岡にも進出してほしい)
5)母親だけでなく、たとえ短時間でも夫婦二人で育児ができる時間を確保できること。育児はスポットで大人の手が4本ほしい瞬間が訪れるので、夫婦二人が揃って育児ができる時間帯があるかないかはかなり違います。18-21時のラッシュアワーに揃うことができれば理想的。もし通勤時間が長いことが障壁になっているのなら、多少家賃が高くなっても職場の近くに引っ越せばだいぶ楽になると思います。極端なことを言えば、18時にいったん帰宅して21時以降に職場に戻ることだってできるわけで(私は大学院時代に一時そういう生活をしてました)。

トラブルさえなければ、育児と仕事の両立生活はとても得るものが多いです。たとえば、仕事上ではいかに豊かな発想ができるか、脳みそを柔らかくしておくことができるかが大事なのですが、ある日ムスメが絵本を口で味わっている姿を見て、「本イコール目で楽しむものだという枠にとらわれていた自分」に気づくことができました。こういうインサイトは自分と同じ常識を持つ人に囲まれていると得られないので、私の想定の範囲をぐんぐん超えてくるムスメを観察することは非常に面白く、とてもいい気分転換になっています。

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絵本チョーウメー状態のムスメ


ムスメが3か月のときにこの本で紹介されていた睡眠トレーニングを実施したおかげで、私の睡眠時間は安泰になりました。
フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密 -
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2014年08月31日

【もしベビ】仕事復帰の準備


あっという間にムスメは4ヶ月になり、そして私は9月1日から大学の仕事にフルタイムで復帰します。産後1ヶ月目からSkypeでのゼミと打ち合わせを再開し、産後2ヶ月からスポットの仕事を再開してはいたけれど、これが本格的な復職ということで、いろいろ準備をしています。今振り返ると、Skypeゼミで脳みそ使っていたり、スポット仕事で仕事モードを味わっておいたりしたことは、いい準備体操になりました。変化は段階的に取り入れたほうが適応しやすいので、まずはコソダテライフ100%で適応して、そこから仕事ライフの割合を徐々にあげていくというプロセスがとれたのはよかったなあと感じています。ちなみに復帰してしばらくは、保育園ではなく育休中のオットにムスメをみてもらいます。そして私がコソダテと仕事の両立に適応した頃にムスメを保育園に預けはじめ、ムスメが保育園に適応した頃にオットが仕事に復帰する、という戦略で行く予定です。

さて復帰にあたっての準備とそこで感じたことを。

1)ハハの職住近接化のための引越し
我が家は私が静岡と東京で、夫が東京本社だけど普段はクライアント常駐で、という拠点が定まらない働き方をしています。いちおう二人の家を都内と東海道新幹線と羽田へのアクセスがいい武蔵小杉に借りていたけれど、夫は大阪とドイツでホテル暮らしをしていたし、私は普段は静岡のワンルームに居たので、出産前の1年でその家にいたのは週末だけ。これじゃ家賃が勿体無いね、かつ誰も東京にいないなら東京に家借りる必要ないね、という話になり、出産を機に母親の職住近接化をはかろうということで主要拠点を静岡に移しました。そもそも新幹線だと東京-静岡って50分くらいなのです。で、新居を選ぶ上では、まずムスメを入れたい保育園を選定しました。そして、そこに通わせることを前提として、送迎の動線を踏まえた私の職場へのアクセス(車通勤)と、夫の職場へのアクセス(新幹線)という条件を設定し、その中で家を選びました。家より保育園が制約になると思っていたので、先に保育園を選ぶというのは最初から考えていたことですが、静岡市では車での送迎が出来るので思ったより候補が多く取れました。あと経験上、電車は新幹線より在来線のほうがよく止まるので、新幹線の駅から歩けるというのは大事。また、ムスメがいることで夜や週末のおでかけが制限されるので、だったら家で仕事や打ち合わせが出来るようにしておこうと、リビング広めのおうちを選びました。

で、さっそく8月末のゼミ合宿を我が家で開催。こんなかんじでムスメのお世話をしつつ、学生のプレゼンを聞く。赤ちゃんなので当然泣くし、ミルクもオムツも必要ですが、家だとぜんぜん問題ないです。物理的な状況をクリアして、相手が許容さえしてくれれば、仕事と子育てのミックスはわりと出来るなと思いました。
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2)家事の徹底的な効率化
コソダテと仕事を両立させた日常生活を送るうえでのタスクを整理して、手を抜くところとかけるところを分ける。私が譲れないのは、ムスメに機嫌よく対峙することと、仕事でのパフォーマンスを落とさないこと。となると家事は徹底的に効率化を進めなくてはいけないし、仕事ではパフォーマンスを落とすような仕事の引き受け方をしてはいけない。そしてさらに細分化すると、家事のうち、洗濯は全自動洗濯乾燥機のフル活用+機械がやってくれない「畳む」工程はやらずに済ませる(ハンガー管理&しわにならないものはそのまま)ことにして、メンバー毎の洋服かけと洗い終わった洗濯物入れを導入しました。掃除は、私は掃除が嫌いなくせに部屋が散らかってると心がすさむタイプなので、ものは最小限にして、定期的なルンバとマキタのコードレスクリーナーで都度対応することに。これで、週末に重たい掃除機を出してきてかけるという工程(←大嫌い)を放棄できます。また、出産直後から導入している「お花を飾れるだけの心の余裕を保つ」という管理は続けます。そして料理は、これまで人が夕食の下ごしらえを朝のうちにやっているという話を聞いてもその合理性が理解できなかったのですが(どうせかかる時間は同じなんだから夕方一気にやっちゃえばいいじゃんと思っていた)、出産して腑に落ちました。子どもは寝る時間が早いので帰宅してから寝るまでの一連の作業をする時間が圧倒的に短いのと、夕方は子供の機嫌が悪いからそっちに手がとられて料理をするための身体が空かないんですね。であれば、朝30分早起きして夕方の時間をセーブするというのは合理的です。というわけで復帰前に、朝に下ごしらえしておき夕方20分で料理をする練習をしてみましたが、これならムスメがグズグズ泣いていても何とかなりますね。また、週末に1週間分のメニューを決めて買出しを済ませておく、というフローも導入することにしました。で、このメニューを考えるところがまた面倒くさいので、月曜は魚料理、火曜は豚肉料理、というように大枠を設定し、その中でつくるものを決めることに。適度な制約があるほうが頭はクリエイティブに使えるので、主菜の素材という制約を設定したことで却って普段手を出さないような料理も視野に入ってきました。
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3)情報収集
コソダテの難しさは、未経験分野が多いということだと思っています。そのため想定できないことが多くて、対策が後手後手に回っちゃうわけですね。で、あとからでは対応できない不可逆的なものがとても多い。だから自分がこれから直面する状況だったり課題だったりをあらかじめ知っておくということが問題解決につながると思っているんですが、そのためにもママ友ネットワークは大事。自分の親の世代だと時代が違いすぎて参考にならないので、少し前に同じ経験をしている人からの情報をたくさん持つのが大事だなーと実感しています。私の場合、育児休暇中のママ友と一緒にやっている勉強会が、すごくいい情報収集の機会になっています。そこで数ヶ月後はこういう状態になるのね、イヤイヤ期ってこんな感じなのね、ということが想定できることですごく対策がしやすいし、今やるべきことがわかります。普段は大人に囲まれているムスメも、近い月齢の子どもと会うのは刺激になるみたいです。

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ムスメを抱っこしながらファシリテーション

4)コソダテのアウトソースサービス洗い出し
基本的には夫婦で子どもをみるにせよバックアップ体制は厚くするに越したことはないと、静岡市ファミリーサポートセンター(平常時の一時預かりボランティア)、静岡市子育て支援ヘルパー(専門業者による家事代行)、静岡市緊急サポートセンター(病時保育)に登録。これらの行政サービスは安くて助かるけど、市民のボランティアに立脚しているので需給バランスがとれておらず、いざというときにどこまで頼れるかは正直不安。フローレンスさんとかアズママさんとか静岡進出しないのかなあー。なので、夫が復帰するまでにベビーシッターさんを探します。プロ意識の強いいい方がいればぜひ教えて下さい!

整理してみると、コソダテライフのマネジメントってプロジェクト・マネジメントだなーと思いますね。そしてそう考えたら急に楽しくなったw。定義と計画フェーズを終えたので、また実行してみてのズレなどもまとめていけたらいいなと思います。

プロジェクトマネジメントを学ぶためのお勧め書籍。
世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント -
世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント -

しかし、経験してみて実感するけど、「育休」って休業ではあるけど休暇ではないよねえー。子育てと仕事の両立体制を整えるための準備休業なんですね。


posted by Kokubo at 07:36| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | もしベビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月19日

Before & After

Before
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After
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2014年08月10日

【もしベビ】男性の育児参加と形式知化のススメ

先日、自治体が開催しているムスメの三ヶ月健診に行ってきました。私は食事をしに入った店でもオペレーションの改善余地を考えるのが好きですが、この健診のオペレーションは久しぶりに経験するレベルのカオスでした。医師や保健師といったプロフェッショナルが担当する領域(診察)はともかく、それ以外のところはボランティアの年配女性たちが仕切っていたのですが、ここのところがもう本当にカオス。ベビは思い通りにならないので生産性の追求に限界があるということは理解できますが、暑い夏の日に無駄に時間をかけられるのはベビがかわいそうなので、もうすこし洗練されたオペレーションを確立してくれるとありがたいなーというのが本音でした。ただ、このボランティア女性たちはとても人当たりがよく、子育て中のお母さんの力になりたいというオーラを全身から出しているので、もし私が育児に悩みを抱える母親だったらとても救われるだろうなとも思いました。(あ、もちろん私も悩みがないわけではないのですが、解決するべき課題というレベルにブレークダウンしてしまっているので話を聞いてもらうだけで解決するという類の悩みは抱えていないのです)

私はリーダーシップ研修をさせていただくことも多いのですが、リーダーシップとは組織の目的を達成するためにメンバーに与える影響力のことであると説明しています。そして下図のような2つの軸、すなわち@構造づくり軸(目的達成のためにすべきことを明確にする力)と、A人間関係軸(目的達成のために組織のメンバーの関係性に配慮する力)の複合的な力としてリーダーシップを捉えています。リーダーシップ理論はたくさんありますが、これに類似した2軸で説明されているものが多く、このあたりにご興味がある方は、ロビンスの「【新版】組織行動のマネジメント―入門から実践へ」(ダイヤモンド社)をお読みください。
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で、男性vs女性というカテゴリーで話をするのは乱暴だということは十分認識しつつも、日々マネジメント人材の育成に携わっていて感じることとして、女性はこのリーダーシップの2軸のうち人間関係軸が優位で、構造づくり軸が弱い人が多いですね。ネットワークは形成しやすいし、男性だけの会議にありがちな非建設的なプライド合戦にならない等の強みはあるのですが、一方で現場の仲は良いけれどいつまでたっても仕事が進まなかったり、仕事が俗人的になりすぎてオペレーションの改善が進まなかったり、という特徴が女性の多い現場にはあるように感じます(あくまで印象論です)。そしてコソダテ現場では、そのデメリットに直面することが多いなーと思ったりします。コソダテの苦労に対する配慮や共感も大事だけど、構造づくりを疎かにするといつまでたってもオペレーションの生産性が低く、関係者を疲弊させてしまうYO!

野中郁次郎先生は経験や勘に基づく知識のことを「暗黙知」、それに対して文章や図表で表現できる知識のことを「形式知」と表現し、個人のもつ暗黙知を形式知に変換することで作業の効率化や新たな発見につながるというナレッジ・マネジメントを提唱しています。で、コソダテタスクは比較的形式知化が進んでおらず、暗黙知のカタマリになっていると感じます。妊娠・出産にまつわる一連のタスクを当事者として経験する女性と、妊娠出産を当事者としては経験できない男性とでは、情報や経験値の非対称が大きく、どうしても女性側にコソダテの暗黙知が集積してしまいます。なので、もし男性にもコソダテに参加してほしい、チームでのコソダテをやりたいと思ったら、女性側は暗黙知をひたすら形式知化する必要があるし、この作業をさぼると暗黙知の領域が広がり、男性が手を出しにくくなるということを分かっておいたほうがいいのかな、と思います。暗黙知をひたすら形式知化する作業は若干面倒ではありますが、男性は構造づくり軸が優位な人が多いので、形式知化されたタスクを改善してくれるので結果的に楽になったりします。

うちの夫婦は、一緒に育児をすることが前提だったので、出産前からコソダテタスクの形式知化を意識していました。産後生活をイメージしてタスクを整理し、主なボトルネックである私の身体はベビのお世話に集中させるとして、それ以外のタスク(主に家事全般)は夫が担当するということを決めました。そして夫は、共働きの3種の神器、ルンバ・全自動選択乾燥機・食洗機を活用し、近くに住む義母に定期的にお惣菜を差し入れてもらうように依頼し、Amazonファミリーをはじめとするネットショッピングを登録し、タスクリストをEvernoteで作って共有し・・など家事の機械化とアウトソースをがんがん進めました。結果的には利用しなかったのですが、いざというときに頼れるよう世の中にある子育てサービス(産後ドゥーラ、ファミリーサポート、育児支援ヘルパー事業、シルバー人材事業等々)も調べておきました。その結果、出産するころには私がまったく家事をしなくても回るようなしくみが出来上がっており、実際に私は産後1ヶ月間、家事を一切しませんでした。

出産後も、私が新たに得たコソダテに関する暗黙知を形式知化して伝えるところまでをがんばると、それを受けて夫がタスクとして整理し、我が家のオペレーションをどんどん改善してくれました。コソダテといいつつも実際には家事のウェイトがほとんどなので、育児タスク以上に家事タスクの効率化がコソダテを楽にするというのは、自分だけでは気付かなかったかもしれません。そして、夫がもたらしてくれた一番大きな気づきは、100%母乳の育児にこだわることの非合理性やリスクでした。

母乳については、いろんな根拠のない神話があります。病院や親には100%母乳で育てることを薦められることが多いですし、なんとなく母乳量が多いのがいい母親の証ではないかという妙な思考回路にもはまりがちです。ただ母乳は出産したら誰でもビュービュー出るというものではないので、多くの女性は母乳の生産量が少ないことに悩み、ストレスを募らせたりします。私も出産直後は母乳量が少なくてミルクを足していたのですが、早く100%母乳で育てられるように頑張らなきゃという(今考えると謎な)モードに陥り、母乳が少ないことにイライラを募らせていたのですが、「母乳がミルクに勝る科学的根拠は見当たらないし、ムスメを観察してるとミルクより母乳がいいというこだわりはなさそうだから、苦なく出るならともかく、ストレスためてまでは母乳を頑張る必要はないんじゃないの」と夫に指摘されて我に返りました。そして、母乳とミルクの混合で育てるという方針を決めました。

授乳って幸せな時間だし、ベビがママ(という母乳サプライヤー)に執着してくれるのも承認欲求が満たされて嬉しいですね。だから100%母乳をあきらめるということは母親としての特権を手放すような気がして感情的に抵抗があったんですが、それでも混合育児を決めたのは、私が母乳にこだわればこだわるほどこの幸せを夫とシェアすることが出来なくなるんだと気付いたこと、ムスメが母乳しか受け付けないようになってしまうことのリスクという、2つの理由からでした。100%母乳に伴うリスクは意外とみんな教えてくれませんが、母乳だけで育てていると、3ヶ月くらいするとベビが哺乳瓶を受け付けなくなることがあるのです。ミルクの味が嫌、哺乳瓶の感触が嫌などいろんな理由はあるようですが、こうなると夫にすらベビを預けることが出来なくなるので母子べったりライフを送らざるを得なくなるし、また震災などの強いストレスで母乳が急にでなくなることがあるそうで、そうなると哺乳瓶を使える使えないは死活問題です。だからなるべく母乳でがんばるにしても、ある程度はミルクや哺乳瓶に慣らしておいたほうがいいんですが、母乳がんばらなきゃモードになっているときにはなかなかそこまで頭が回らないですね。私の場合は100%母乳に伴うリスクを予め分かっていたわけではないけれど、たまたま夫と二人で育児をしていたことで100%母乳へのこだわりを早期に捨てていたので、結果的に助かりました。

自分の判断力や実行力が落ちているときに、客観的に分析して構造づくりを進めてくれる存在は非常にありがたいし、男性が育児に参加する意義というのはこういうところにあるんじゃないかなと思います。そして、その意義を最大限に発揮するためにも、女性はコソダテタスクの形式知化を怠ってはいけないと思います。

組織論の基本的思考に、生存し続ける組織とは、優秀な組織ではなく環境変化に適応できる組織であるという考え方がありますが、コソダテ組織も全く一緒だなあと思います。優秀な夫婦でなくても、変化に適応していれば家庭は回っていくのだろうし、そのためにもチームとして改善を進め、適応力を高めていきたいなと思います。

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パパとムスメのおそろいシマシマ。

ピジョン 母乳実感 哺乳びん プラスチック製 160mL (ハニービー柄) -
ピジョン 母乳実感 哺乳びん プラスチック製 160mL (ハニービー柄) -
混合育児の強い味方、ピジョンの「母乳実感」。混合で行く場合はこちらを使っておくとニップル・コンフュージョンに陥りにくいようです。



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2014年07月24日

【もしベビ】産後クライシスとチームの発展過程

第5回は、第4回で触れた「二人で大変な時期を乗り越える経験は、チームとしての結束を強めてくれる」というところについて詳しく書きたいと思います。

「産後クライシス」とは、出産を契機として夫婦仲が悪化する現象(出典Wikipedia)で、ここ数年話題になっていますね。産後クライシスの原因として、男性の家事育児への低関与に対する女性の不満だったり、女性の産後のホルモンバランスだったりがあげられています。これ、出産する前に謎だったものの1つです。結婚して10年以上経つ私たち夫婦は、仕事で物理的にすれ違うことは多いもののコミュニケーションをとる時間をとても大切にしていたし、意見の相違はロジカルに議論して収束することが出来てたし、私は怒ったときも感情的にならずに淡々と状況を説明することが出来るし、夫は家事は何でも出来るし、なんとなくうちは産後クライシスは大丈夫なんじゃないかな〜と思っていたんですよね。でも発生のメカニズムがいまいち分からなかったので事前に完全な対策をとることは出来ず、とりあえず夫と「産後クライシスという現象があり、うちもそうなる可能性がある」という問題意識の共有だけをしておきました。

で、実際出産してみてどうだったか。

この産後の3ヶ月間、おそらく私と夫は、結婚して以来最も多くの喧嘩を経験したのではないかと思います。前回も述べたとおり、私は「一定時間ごとに原因不明のエラーが発生する絶対止めてはいけないシステム(=ベビ)の対応をたった一人で任されてるエンジニア(=母親)」です。しかも産後1ヶ月は出産のために開いた骨盤に内臓が下垂するし、帝王切開なら普通の開腹手術の術後と同じ状況なのに加え、胎盤といううっかり損傷したら出血多量で死ぬくらいの内蔵を1個とった身体で、授乳で(母乳はもとは血液なので)毎日ペットボトル1〜2本分の血液を失い続けている状態です。ただ厄介なことに一見すると元気なため、自分がそれだけの身体的ダメージをくらっているという自覚も周りの認知もなく、つい産前と同じような感覚で家事や育児をしようとしてしまうんですが、冷静に考えてみれば、「内蔵をとったばかりで今も血液を失い続けている人がたった一人で24時間体制のシステム対応をしている」状態で身体や頭がまともに働くわけないですよねえ。これが仕事なら、ウツになるし会社が訴えられるレベルですね。例に漏れず私の身体と頭もいっぱいいっぱいで、出産前は軽く流せていたような夫の言動にイラッとするようになっていました。私はもともとショートスリーパーで短時間睡眠で動けるタイプなのですが、自分のペースで入眠と覚醒が出来る仮眠と、ベビにたたき起こされる仮眠はぜんぜん違います。睡眠不足で自律神経がおかしくなり精神的余裕が失われてしまっていたせいもあり、あれだけ家事も育児も協力してくれていた夫に、頭では理不尽だと分かりつつもイライラをぶつけるという出産前の自分からは考えられないことをやってしまっていました。それくらい非常事態だったわけです。

ただ喧嘩もいっぱいした一方で、夫の思いやりや人間的成長をこれまで以上に実感した3ヶ月でもありました。お互い大変な中で見せてくれる小さな思いやりは、身にしみます。また、ベビや私への対応が進化していることにも気づきました。理系でコンサルタントの夫は、仕事の構造づくり軸が非常に優位な反面人間関係への配慮軸が弱かったのですが、いっぱいいっぱいの私やロジックが通じないムスメに対峙することで理不尽さへの耐性や配慮する能力を高めて言ったのではないかと推測します。上述の非常事態は私の身体の回復とコソダテライフへの適応とともに減っていきましたが、夫が私に向きあってサポートしてくれた記憶は残ります。そしてそんな夫と共有する(嵐の合間に訪れる)平和なベビとのひとときは本当に幸せな時間であり、夫への愛情も深まりました。そういう、雨降って地固まる的な経験をした3ヶ月でした。

ところで、ビジネスでクライシス(危機)・マネジメントと言うと、実際にクライシス(企業不祥事などの経営危機)が発生したときにどう動くべきかを予め検討しておくというものです。クライシスの発生を未然に防ぐのはもちろんではありますが、完全には避けることは出来ないということを前提に、いざというときの対処法を考えておくことで危機管理をするという考え方です。これ、産後クライシスも同じではないかと。つまり、出産後にパートナーに対する愛情の低下(クライシス)は、不可避だと考えたほうがいいのではないかと思うのです。というのも、女性は身体が上述の状態なので夫への配慮は減るし、女性の状況の変化を理解できない(知らない)夫はこの女性の変化を受け止められないし。ベビのお世話に時間がとられるので、意識して時間をつくらなければ夫婦間コミュニケーションの時間も激減します。そんな状況の中では、パートナーへの愛情が相対的に薄れるのは仕方ないのではないでしょうか。ただ問題は、関係性が揺らぐこと自体ではなく、揺らいだ結果の関係性悪化をそのままにすることなのだと思うのです。一時的に夫婦の関係性が悪化してもその都度ちゃんと修復すれば大きな問題になりませんが、そのままにしていると数年後には修復不可能な溝になってしまいます。だからクライシス・マネジメントとしては、産後は関係性が揺らいで愛情が低下することを前提に、その対処法を予め考えておくことが大事なんじゃないかなと思います。

Tuckman(1965)は小集団の発展過程を4つのステージに分けています。まずメンバーが集まって小集団が形成されるForming(形成期)。この段階ではまだ人が一緒にいるだけ、という状態です。そして続く第2ステージがStorming(混乱期)で、メンバー間の意見のぶつかりあいが多く生じます。そしてその混乱を経て迎える第3ステージは、個人の役割やルールが明確になるNorming(規範期)です。そして最後に各メンバーが機能的に動いて大きな成果を得られるPerforming(機能期)のステージが訪れます(Tuckman,1965)。

組織はPerformingのステージに到達することで大きな成果を得ることが出来ますので、Formingからなるべく早くStormingとNormingを経てPerformingの状態に持っていきたいわけです。ただ意見の食い違いや対立がたくさん発生するStormingのステージは組織メンバーにとってストレスフルな状態なので、つい目の前の心地よさを求めて他人との対立を避けてしまいがちです。ですがここできちんとぶつかってお互いの理解を深めてこそ、適切なNormingやPerfomingのステージに行くことができます。つまりStormingは機能するチームになるための必要なプロセスであり、対立を通じて相互理解を深めることが大事なんですね。むしろ対立を避けること、発生した対立をそのままにすることは、ハイパフォーマンス組織への道を閉ざしてしまうのです。なので、多くのチーム・ビルディングを目的にした活動は、このStormingが発生する状況を人為的につくりだし、相互理解を深めることで早く組織をPerfomingのステージに持っていこうとします。

夫婦というチームも、ベビという新規参入者を迎えることで、組織内に対立がもたらされます。このStormingのステージではメンバー間の関係性は一時的に悪化しますが、有効なチームになるためにはここで対立を避けるのではなく、ちゃんとぶつかって相互理解を進める努力をすることが大事なわけです。とはいえ、対立に向き合うのはやっぱり大変な作業です。だから、その大変だけれど大切な作業を誰とやりたいのか、誰とチームになりたいのか、を妊娠する前に一度考えてみたほうがいいと思います。「この人が」自分を幸せにしてくれるかどうかは分からなくても、「自分が」この人とならStormingを乗り越えられるか否かは割と分かるんじゃないでしょうか。そして、Stormingのステージは大なり小なり必ず来るということを念頭に、出産前の余裕があるうちになるべくぶつかって相互理解を進めるという経験をしておくといいと思います。ぶつかることで関係性を一歩進めるという作業に慣れておくことで、産後に到来する産後クライシスをプラスの影響に転じることが出来るのだと思います。

そして、もしこのパートナーとならStormingを一緒に乗り越えることができると思えるならば、産後クライシスの心配はないのではないかと。それはつまり、クライシスが訪れないという意味ではなく、クライシスは訪れるだろうけれどそれを活かしてチームとしてさらなるステージに到達できるという意味で、心配ないのではないかという意味です。


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ムスメのおかげで、組織として進化させてもらいました。


posted by Kokubo at 22:00| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | もしベビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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