2020年02月10日
2020年01月17日
朝日新聞ボンマルシェにとりあげていただきました
2020年1月14日の朝日新聞(朝刊・全国版)のボンマルシェに掲載いただきました。
オンライン版はこちら。
取材時は首都圏のみのタブロイドだと伺っていたので呑気にしてたのですが、実際には本紙の全国版での掲載となったようで実家の親が喜んでおりました。研究ならいくらでも話しますが、自分の話をするのはあんまり得意ではないのですが、これで育休プチMBAや学ぶことに興味を持ってもらえれば嬉しいなあと思っています。いい機会をありがとうございます。
ちなみにメディアに載ると、いつもムスメに「ママずるい!!私もでたかった!!」って怒られる笑。昨年はテレビ静岡の「てっぺん!」という番組で月1でコメンテーターとして出演させていただいたのですが、そのときも毎回毎回怒られていまして。あるときディレクターさんたちにその話をしたら、その日スタジオで試食したキルフェボンのケーキの残りを「娘さんにどうぞ」って持たせてくれて、それでようやく怒られなくなりました。貢ぎ物大事ですね笑。
オンライン版はこちら。
取材時は首都圏のみのタブロイドだと伺っていたので呑気にしてたのですが、実際には本紙の全国版での掲載となったようで実家の親が喜んでおりました。研究ならいくらでも話しますが、自分の話をするのはあんまり得意ではないのですが、これで育休プチMBAや学ぶことに興味を持ってもらえれば嬉しいなあと思っています。いい機会をありがとうございます。
ちなみにメディアに載ると、いつもムスメに「ママずるい!!私もでたかった!!」って怒られる笑。昨年はテレビ静岡の「てっぺん!」という番組で月1でコメンテーターとして出演させていただいたのですが、そのときも毎回毎回怒られていまして。あるときディレクターさんたちにその話をしたら、その日スタジオで試食したキルフェボンのケーキの残りを「娘さんにどうぞ」って持たせてくれて、それでようやく怒られなくなりました。貢ぎ物大事ですね笑。
2018年09月10日
2018年06月30日
2017年07月31日
2017年07月13日
2017年06月14日
2017年03月26日
2017年02月23日
2017年01月16日
2016年09月17日
2016年05月12日
2016年04月11日
2016年01月25日
2016年01月17日
2016年01月15日
2015年09月02日
【もしベビ】育休制度があるから両立できる、は本当か?
今年の夏は、女性管理職育成に関する原稿を書いております。それに関していろいろ調べている中で、なかなか面白いデータを見つけたので紹介してみます。
女性のキャリアと育児の両立は、1991年の育児休業法の制定および2001年の改正によって、制度面での充実は図られてきています。現在育休制度は8割以上の企業で利用されており、子どもを産んでも復職できるというのは当たり前になりつつあります。いわゆる均等法世代は「産休(8週間)のみで育休なし」で復職している人が多いことを目の当たりにして、改めて制度の整備が進んだことの恩恵を実感しました。
こちらは育児休業取得率の推移。在職中に出産した女性がいた事業所に占める女性の育児休業者は順調に増えており、制度の利用自体は進んでいるといえます。
(出所:厚生労働省「平成26年度雇用均等基本調査」)
ただし、この数字には出産前に離職した女性が母数に含まれていないため、結婚・出産という女性のライフイベントを経た就業状態の変化としては、国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」 のデータを参照しました。調査期間は1985年から2009年で、この間には1986年の「男女雇用機会均等法」、1991年に成立・1995年に改正された育児休業法があり、制度が就業にどのように影響を与えてきたかを分析するにはふさわしいデータと言えます。ここから、結婚前、妊娠前に就業していた女性に限定して就業を継続した者の割合のデータを調べます。
まず、結婚前後にどう就業状態が変化するかですが、結婚退職が37.3%から25.6%に減少していることから、いわゆる「寿退社」は減少傾向にあることがわかります。すなわち、結婚というライフイベントが就業状態に与える影響は小さくなってきていると言えます。
結婚に関する就業状態の変化
(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)
しかし、これが出産になると話が別です。育休制度が整ったことで育休を利用して就業継続する人の割合が5.7%から17.1%と急激に増えているのは事実なのですが、全体の割合を見るとこれは育休なしで就業継続をする人から転換しているだけであることが分かります。
第1子出産に関する就業状態の変化
(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)
つまり、女性全体をみたときに、出産を経ても継続就業をする人の割合としては24.0%から26.8%とほとんど増えていないどころか、出産を機に退職する女性の割合は37.4%から43.9%に増加しています。妊娠前から無職である女性が35.5%から24.1%に減少していることをあわせて考えると、育休制度が出来たことでこれまでは働くこと自体を諦めていた層が職につくようにはなったが、かといって実際に出産を経ても継続就業するわけではない、という仮説が浮かび上がってきます。つまり、育休制度という出産後をカバーしている施策の充実は「就業」には影響するものの、出産後の就業継続には直結しているわけではない(別の要因がある)と考えられるわけです。
結婚・出産というライフイベントがキャリアに大きく影響する女性は、常に先のことを考えて行動しています。就職するときは、「この会社で妊娠しても大丈夫かな?」を考えて育休制度の有無をチェックしています。そして実際に妊娠・出産が視野に入ってくると、「この会社で出産後に復職しても働けるかな?」を考えるわけですが、ここでは育休制度よりもっと先の、育児をしながら働くための環境整備をチェックしているはずで、ここで「NO」と思えば転職や離職、あるいはフリーライダーとしての就業継続、ということになるのだと思います。
経験を積んだ人材を流出させたくなければ、ここで「YES」と思えるような施策が必要であり、それは決して「育休制度」ではない、というのが私の結論です。
女性のキャリアと育児の両立は、1991年の育児休業法の制定および2001年の改正によって、制度面での充実は図られてきています。現在育休制度は8割以上の企業で利用されており、子どもを産んでも復職できるというのは当たり前になりつつあります。いわゆる均等法世代は「産休(8週間)のみで育休なし」で復職している人が多いことを目の当たりにして、改めて制度の整備が進んだことの恩恵を実感しました。
こちらは育児休業取得率の推移。在職中に出産した女性がいた事業所に占める女性の育児休業者は順調に増えており、制度の利用自体は進んでいるといえます。
(出所:厚生労働省「平成26年度雇用均等基本調査」)
ただし、この数字には出産前に離職した女性が母数に含まれていないため、結婚・出産という女性のライフイベントを経た就業状態の変化としては、国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」 のデータを参照しました。調査期間は1985年から2009年で、この間には1986年の「男女雇用機会均等法」、1991年に成立・1995年に改正された育児休業法があり、制度が就業にどのように影響を与えてきたかを分析するにはふさわしいデータと言えます。ここから、結婚前、妊娠前に就業していた女性に限定して就業を継続した者の割合のデータを調べます。
まず、結婚前後にどう就業状態が変化するかですが、結婚退職が37.3%から25.6%に減少していることから、いわゆる「寿退社」は減少傾向にあることがわかります。すなわち、結婚というライフイベントが就業状態に与える影響は小さくなってきていると言えます。
結婚に関する就業状態の変化
(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)
しかし、これが出産になると話が別です。育休制度が整ったことで育休を利用して就業継続する人の割合が5.7%から17.1%と急激に増えているのは事実なのですが、全体の割合を見るとこれは育休なしで就業継続をする人から転換しているだけであることが分かります。
第1子出産に関する就業状態の変化
(出所:国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)
つまり、女性全体をみたときに、出産を経ても継続就業をする人の割合としては24.0%から26.8%とほとんど増えていないどころか、出産を機に退職する女性の割合は37.4%から43.9%に増加しています。妊娠前から無職である女性が35.5%から24.1%に減少していることをあわせて考えると、育休制度が出来たことでこれまでは働くこと自体を諦めていた層が職につくようにはなったが、かといって実際に出産を経ても継続就業するわけではない、という仮説が浮かび上がってきます。つまり、育休制度という出産後をカバーしている施策の充実は「就業」には影響するものの、出産後の就業継続には直結しているわけではない(別の要因がある)と考えられるわけです。
結婚・出産というライフイベントがキャリアに大きく影響する女性は、常に先のことを考えて行動しています。就職するときは、「この会社で妊娠しても大丈夫かな?」を考えて育休制度の有無をチェックしています。そして実際に妊娠・出産が視野に入ってくると、「この会社で出産後に復職しても働けるかな?」を考えるわけですが、ここでは育休制度よりもっと先の、育児をしながら働くための環境整備をチェックしているはずで、ここで「NO」と思えば転職や離職、あるいはフリーライダーとしての就業継続、ということになるのだと思います。
経験を積んだ人材を流出させたくなければ、ここで「YES」と思えるような施策が必要であり、それは決して「育休制度」ではない、というのが私の結論です。
2015年08月18日
【もしベビ】コドモにとってのリアルとバーチャル
なつやすみは保育園もお休みになるので、ムスメと一緒にたっぷり過ごしました。今回のもしベビはそこで気づいたことを。
まず、チームラボアイランドの「学ぶ!未来の遊園地」というイベントに行ってみました。「最新のデジタルテクノロジーを使い、子どもたちが同じ空間で、自由に体を動かし、互いに影響を与えながら、共同的で創造的でアートな体験を楽しむ」というもので、デジタルテクノロジーは1歳3ヶ月のムスメにはまだ早いだろうと思いつつも、どういう反応を見せるのかなーという興味で連れて行ってみました。
カラフルで楽しい
結論として、まだそれほど楽しまなかったです。最初は非日常空間とたくさんのコドモにテンション上がってましたが、コンテンツ自体はふーんて対応。ケンケンパや絵を描くことができないからまあ仕方ないのですが、興味を持たない本質的な理由は何かな?と観察してみたところ、原因はインタラクティブ・コミュニケーションじゃないからではないかと感じました。
趣旨が趣旨なので、デジタルテクノロジーとはいえかなりインタラクティブなつくりになってはいるんですが(例:ケンケンパで自分の踏んだところから映像が変わる)、反応が返るまでの微妙なタイムラグや手触り感のなさが、ムスメにしてみればそれが「自分の行為に対する反応」なんだということが分からないようで、それが興味を持たない理由である印象でした。もう少し大きくなってバーチャルという概念を理解すればバーチャルとリアルの融合に興味を持つし楽しむのだろうけど、1歳児はまだまだリアルの世界すら理解しきれていないもんね。バーチャルを楽しむにはリアルを理解していることが前提なんだなというのが実感できました。
そこで、次はリアルな世界を体験させようとこども向け動物園に行ってみました。園内でエサを買って羊さんにあげさせてみたところ、すんごく楽しそう!夢中になりすぎて、終始おくちパカー状態でした。自分があげたニンジンに羊さんが反応するというのが、ムスメ的にとても興奮するみたいです
羊さんにつられて自分も口が開いてしまうムスメ
この2つの事例を比較して感じたこと。
自分の行為に反応が返ってくるという経験は、Bandura(1977)が、提唱した自己効力感(self-efficacy, ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信)につながります。自分の働きかけに周りが反応するということを学習すれば自然に働きかけをするようになるし、反応しないと学習すれば働きかけをしなくなります。ちなみに後者は学習性無力感といってウツ病の症状でもあります。「こどもに自己効力感を持たせる」というのは私のコソダテにおける目的関数の1つなのですが、だから小さいときはテレビよりも反応が返ってくるコミュニケーション、具体的には人や動物とのふれあいが意味あるんだなーと腑に落ちました。
ムスメの存在は、人の学習プロセスを理解するうえで非常に参考になっています。ありがとねー。
まず、チームラボアイランドの「学ぶ!未来の遊園地」というイベントに行ってみました。「最新のデジタルテクノロジーを使い、子どもたちが同じ空間で、自由に体を動かし、互いに影響を与えながら、共同的で創造的でアートな体験を楽しむ」というもので、デジタルテクノロジーは1歳3ヶ月のムスメにはまだ早いだろうと思いつつも、どういう反応を見せるのかなーという興味で連れて行ってみました。
カラフルで楽しい
結論として、まだそれほど楽しまなかったです。最初は非日常空間とたくさんのコドモにテンション上がってましたが、コンテンツ自体はふーんて対応。ケンケンパや絵を描くことができないからまあ仕方ないのですが、興味を持たない本質的な理由は何かな?と観察してみたところ、原因はインタラクティブ・コミュニケーションじゃないからではないかと感じました。
趣旨が趣旨なので、デジタルテクノロジーとはいえかなりインタラクティブなつくりになってはいるんですが(例:ケンケンパで自分の踏んだところから映像が変わる)、反応が返るまでの微妙なタイムラグや手触り感のなさが、ムスメにしてみればそれが「自分の行為に対する反応」なんだということが分からないようで、それが興味を持たない理由である印象でした。もう少し大きくなってバーチャルという概念を理解すればバーチャルとリアルの融合に興味を持つし楽しむのだろうけど、1歳児はまだまだリアルの世界すら理解しきれていないもんね。バーチャルを楽しむにはリアルを理解していることが前提なんだなというのが実感できました。
そこで、次はリアルな世界を体験させようとこども向け動物園に行ってみました。園内でエサを買って羊さんにあげさせてみたところ、すんごく楽しそう!夢中になりすぎて、終始おくちパカー状態でした。自分があげたニンジンに羊さんが反応するというのが、ムスメ的にとても興奮するみたいです
羊さんにつられて自分も口が開いてしまうムスメ
この2つの事例を比較して感じたこと。
自分の行為に反応が返ってくるという経験は、Bandura(1977)が、提唱した自己効力感(self-efficacy, ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信)につながります。自分の働きかけに周りが反応するということを学習すれば自然に働きかけをするようになるし、反応しないと学習すれば働きかけをしなくなります。ちなみに後者は学習性無力感といってウツ病の症状でもあります。「こどもに自己効力感を持たせる」というのは私のコソダテにおける目的関数の1つなのですが、だから小さいときはテレビよりも反応が返ってくるコミュニケーション、具体的には人や動物とのふれあいが意味あるんだなーと腑に落ちました。
ムスメの存在は、人の学習プロセスを理解するうえで非常に参考になっています。ありがとねー。
2015年05月20日
【もしベビ】1歳児とモチベーション理論
アヒルさんたちを一列に並べるのは、1歳になったばかりのムスメの「業務」。つかまり立ちしながら、毎日せっせとやっています。(落ちたやつは親に拾えと要求するw)
洗濯物を洗濯籠から洗濯機に入れようとするしぐさも見せます。結果はなかなか伴わないけれど、彼女の貢献意欲が垣間見えてとても面白い。
これらのムスメの行動を見ていると、「人間は本来進んで働きたがる生き物である」という前提を置き、労働者(この場合ムスメ)の自主性を尊重した経営をするマグレガーのY理論だなーと思います。
また、ムスメを見ていると「欲求は相対的重要性に従って階層を成しており、低次のレベルの欲求が満たされると次に高次のレベルの欲求が現れる」というマズローの欲求階層説もよく理解できます。
新生児期は生理的欲求だけだったけれど、2か月くらいからの眠いのに寝ない愚図り、抱っこしていないと寝ない愚図りは安心の欲求だし、11か月頃前に始まった後追いは所属と愛の欲求(社会的欲求)ゆえんだなーと思います。1歳の今は何かを成し遂げたとき(積木の箱のふたを閉めたとか)に拍手を求めてくるのですが、これは尊重の欲求だろうと感じています。そして、そのうち自我が出てきて、なんでも自分でやりたがる時期が訪れると思いますが、これは「自己実現の欲求」ということなのだろうなと。
理論を知っていることのメリットは、これから直面する課題を予測して対策できることにあると思っています。眠いのに寝ない愚図りも「安心したい」という欲求を満たしてあげればいいのねと考えることで乗り切ってきましたし、1日に何度も何度も要求される拍手(笑)も、「貴方を尊重してるよ」ということを伝えればいいんだよねと思っています。先輩ママたちに大変だと聞かされるイヤイヤ期も、自己実現の欲求を満たしてあげることを目的にすればいいのだということが分かっているだけでも不安が減りますねえ。
2015年03月02日
【もしベビ】ワーキングマザーと管理職のミスコミュニケーション
育休プチMBA勉強会は、私の中ではR&Dの現場です。こういった研究の現場が身近にあることで人材の理解が進むので、よりよいLearning Communityづくりや人材育成の提案につなげることが出来ます。思えば大学のゼミ(KOKULABO)は実務経験のない人材(未経験人材)の理解と育成提案につながりましたが、プチMBAは時間的・物理的制約のある人材(制約人材)の理解につながりました。そこで得た人材育成方法と組織課題解決策の提案を、3月13日の研究報告会でお話ししたいと考えています。プチMBAは探索的研究の場なので結論を出すまでには至りませんが、実践から見えてきた仮説をご紹介する予定です。
詳細こちら。 育休プチMBA勉強会 研究報告会
もちろん制約人材=女性ではないですが、マジョリティは女性なので女性の業務遂行上の傾向というのも見えてきました。今まで仕事上で接点のある女性は量的に少ないうえ男性脳の女性がほとんどだったので(ビジネススクールだと思考の傾向に男女差はほとんど感じません)、私にとっては新鮮なことが多いです。プチMBAを始める前は女性のマネジメントに関する知識を持っていなかったので、「なんでこういうことをするんだろう?」と思うことが多かったのですが、今はかなりの部分でその理由がわかり、マネジメント上の対策が提案できるようになってきたことが大きな収穫です。
例えば、エン・ジャパン社が発表した「ワーキングマザーに関する意識調査」が非常に面白い現象をあぶりだしています。
図14の管理職経験者が「ワーキングマザーが部下の場合、本人に求めたいこと」は以下の通りです。
第1位「時間内での生産性アップ」(70%)
第2位「業務を抱え込まない」(59%)
一方、図15のワーキングマザー当人に訊ねた「仕事や周囲とのコミュニケーションで意識していること」では次のような結果が出ています。
第1位「時間内での生産性アップ」(88%)
第2位「周囲の社員への配慮」(79%)
第3位「各職位に準じた業務遂行」(46%)
第4位「業務を抱え込まない」(42%)
ここから、管理職としては「業務は組織でやっているのだから、勤務時間内での生産性をあげるとしても出来ない部分は周りに任せることで業務が滞らないようにしてほしい」と考えているのに対し、ワーキングマザー本人はおそらく「自分の業務効率が悪いことでしわ寄せが周りにいかないようにしなければ」と考えて周囲への感情的なケアを重視し過ぎているのではないか、その結果抱え込み傾向があるのではないか、という仮説です。節子、ケアするべきはそこじゃないんや!
またこの「周囲の社員への配慮」に関しても若干のずれがあり、おそらくワーキングマザーは感謝の気持ちや申し訳ないと思っていることを言葉や態度で表さなくてはいけないと考えていると推測できますが、実際に図9の「時短勤務者の業務を代行対応をしたことがある社員に質問です。その際に、どのようなインセンティブがあれば、快く対応ができますか?(複数選択)」という問いに対する回答は次のようになっています。
第1位「ワーキングマザー本人からの感謝の言葉や態度」(56%)
第2位「自分にかかっている業務負荷の可視化(周囲からの理解)」(50%)
第3位「インセンティブは不要」(49%)
第1位はまあ人として当たり前のことであるとしても、第2位って、ワーキングマザー本人がどうこうできる問題ではなく、管理職マターですよね。だから多分、ワーキングマザーをフォローしている周りの社員からみたら、ワーキングマザーに相対すなわち上司から見えていないところで100回謝ってもらうより、「〇さんのおかげでとても助かっています」ということを周囲や上司にアピールしてもらうほうが自分の評価になるのでありがたいと思うのです。でも罪悪感でいっぱいになっている当事者は、こういう状況って見えないんですよねー。私も当事者なので気持ちはとてもわかるけれど、客観的に見たら、節子、ケアするべきはそこじゃないんや!です。
ただこういうことって周りから言葉で言われても分からないことが多いのですが、ケースメソッドという気づきを促す教育手法を使って予めその状況を疑似体験しておくことで、自ら気づき、そして対策を考えることが出来ると思っています。そのあたりがデータで示せたら面白いなと思っています。
ケースだからこそ俯瞰して分析することが可能になります。
周りの様々な意見を聞くことで視野の狭さを自覚できます。
詳細こちら。 育休プチMBA勉強会 研究報告会
もちろん制約人材=女性ではないですが、マジョリティは女性なので女性の業務遂行上の傾向というのも見えてきました。今まで仕事上で接点のある女性は量的に少ないうえ男性脳の女性がほとんどだったので(ビジネススクールだと思考の傾向に男女差はほとんど感じません)、私にとっては新鮮なことが多いです。プチMBAを始める前は女性のマネジメントに関する知識を持っていなかったので、「なんでこういうことをするんだろう?」と思うことが多かったのですが、今はかなりの部分でその理由がわかり、マネジメント上の対策が提案できるようになってきたことが大きな収穫です。
例えば、エン・ジャパン社が発表した「ワーキングマザーに関する意識調査」が非常に面白い現象をあぶりだしています。
図14の管理職経験者が「ワーキングマザーが部下の場合、本人に求めたいこと」は以下の通りです。
第1位「時間内での生産性アップ」(70%)
第2位「業務を抱え込まない」(59%)
一方、図15のワーキングマザー当人に訊ねた「仕事や周囲とのコミュニケーションで意識していること」では次のような結果が出ています。
第1位「時間内での生産性アップ」(88%)
第2位「周囲の社員への配慮」(79%)
第3位「各職位に準じた業務遂行」(46%)
第4位「業務を抱え込まない」(42%)
ここから、管理職としては「業務は組織でやっているのだから、勤務時間内での生産性をあげるとしても出来ない部分は周りに任せることで業務が滞らないようにしてほしい」と考えているのに対し、ワーキングマザー本人はおそらく「自分の業務効率が悪いことでしわ寄せが周りにいかないようにしなければ」と考えて周囲への感情的なケアを重視し過ぎているのではないか、その結果抱え込み傾向があるのではないか、という仮説です。節子、ケアするべきはそこじゃないんや!
またこの「周囲の社員への配慮」に関しても若干のずれがあり、おそらくワーキングマザーは感謝の気持ちや申し訳ないと思っていることを言葉や態度で表さなくてはいけないと考えていると推測できますが、実際に図9の「時短勤務者の業務を代行対応をしたことがある社員に質問です。その際に、どのようなインセンティブがあれば、快く対応ができますか?(複数選択)」という問いに対する回答は次のようになっています。
第1位「ワーキングマザー本人からの感謝の言葉や態度」(56%)
第2位「自分にかかっている業務負荷の可視化(周囲からの理解)」(50%)
第3位「インセンティブは不要」(49%)
第1位はまあ人として当たり前のことであるとしても、第2位って、ワーキングマザー本人がどうこうできる問題ではなく、管理職マターですよね。だから多分、ワーキングマザーをフォローしている周りの社員からみたら、ワーキングマザーに相対すなわち上司から見えていないところで100回謝ってもらうより、「〇さんのおかげでとても助かっています」ということを周囲や上司にアピールしてもらうほうが自分の評価になるのでありがたいと思うのです。でも罪悪感でいっぱいになっている当事者は、こういう状況って見えないんですよねー。私も当事者なので気持ちはとてもわかるけれど、客観的に見たら、節子、ケアするべきはそこじゃないんや!です。
ただこういうことって周りから言葉で言われても分からないことが多いのですが、ケースメソッドという気づきを促す教育手法を使って予めその状況を疑似体験しておくことで、自ら気づき、そして対策を考えることが出来ると思っています。そのあたりがデータで示せたら面白いなと思っています。
ケースだからこそ俯瞰して分析することが可能になります。
周りの様々な意見を聞くことで視野の狭さを自覚できます。