2018年05月02日

つくりおき向け マカロニサラダこどもあじ

お店で買ってきたマカロニサラダをごはんに出したところ、マスタードが効いていて子ども舌には辛かったみたいで、「おとなあじだね」と評されました。それ以来、我が家で「おとなあじ」「こどもあじ」という表現が定着。こちらは翌日以降もぱさぱさしないので、つくりおきむけのマカロニサラダのレシピです。デフォルトはこどもあじですが、辛子をいれるとおとなあじ。

副菜は基本的に週末につくり、平日はそれを小分けにして出します。これを「のこりもの」って呼ぶと手抜き感が漂うのですが、「つくりおき」って呼ぶとデキる感が漂うことに気づいたので、うちは全て「つくりおき」と言っています。

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2018年03月01日

育休期間を生かした女性向け人材育成施策に関する研究をしています

静岡県立大学の国保研究室では、現在「育児休業期間を生かした女性向け人材育成施策に関する研究」を実施しています。育児休業期間を経て職場に復帰する女性にとって、どのような支援策が効果的であるかを明らかにすることが目的です。

2017年度は、2018年の春に職場に復帰する予定である育休中の女性(正社員・総合職)を被験者とし、協力をいただける企業さまを募りました。一般には公開していないプログラムを、企業様経由で対象者にご案内いただき、希望者に申し込んでいただくという流れになっています。有償プログラムですが、参加費は本人負担でも会社負担でも構いません。

2017年度は、最終的に19社の企業さまからご協力をいただきました。

本研究は2018年度も実施する予定でおりますので、もし2018年度の参加にご関心のある企業さまがいらっしゃいましたらご連絡くださいませ。見学も随時受け付けております。

研究プロジェクトのお問合せメールアドレス(国保研究室)
ikukyu.mba.research(あっとまーく)gmail.com

写真は今年のプログラムの様子です。1枚目は企業の会議室、2枚目はレンタルスペースで実施しています。

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2018年01月22日

本を出版しました

2018/01/09に筑摩書房から単著を出版しました。

働く女子のキャリア格差(ちくま新書・国保祥子著)
筑摩書房のサイトはこちら

本書は、働く女性が直面する仕事と家庭の両立の壁、企業側の環境整備それぞれの課題に着目して、経営学の研究者としての知見やデータ、また「育休プチMBA」を通じてのべ4000人の育休者から接した経験、1人の働く母親としての実感、などをもとに執筆しました。問題の構造を分析するとともに、働く女性、そして女性活躍の一翼を担う企業の担当者に向けて実践的な課題解決策を提案したつもりです。また、女性のキャリアを全面に出してはいるものの、中身は働き方改革本でもあります。

日経新聞夕刊での書籍広告、また日経夕刊の書評欄「目利きが選ぶ3冊」で中小企業論、人材育成論を専門とする福山大学の中沢先生から「当然の5つ星(傑作)」という最高評価で取り上げていただいた影響で、一時的ではありますがAmazonのちくま新書で1位のランクインをするに至りました。私個人としては、本が売れることをこの本に関わってくれた皆さんが喜んでくれているというのが一番うれしいです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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2015年12月15日

週刊エコノミストに寄稿しました

週刊エコノミスト2015年12月15日号に寄稿しました。WEBでも読めます。
「女性活躍」が進まない本当の理由 業務軽減だけでは“ぶら下がり”に

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2013年08月18日

大学生研究フォーラム参加レポート

大学の授業が無い夏は執筆がメインのお仕事なんですが、この週末は研究&教育面での関心から、中原先生のブログで見かけた「大学生研究フォーラム2013」に出かけましたので、レポート。上記の中原先生のブログでは当日のまとめプレゼンが公開されており、全体の流れを知りたい方には中原研究室の館野さんブログをお勧めしまして、私は自分の興味のところを中心に紹介します。

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東京大学の伊藤謝恩ホール、きれいですねー。

私は社会人教育・企業内教育としてのトレーニングを受けた後に学部教育に移行したパターンなので、大学教育と企業内人材育成の連携や融合には興味があります。なので今回特に興味があったのは、京大・溝上先生の主に「大学生の学び、キャリア」のセッション。でも実際に聞いてみたところ、文科省・松尾さんの留学のお話や、日産・奈良崎さんのグローバル人事の話も非常に面白かったのでこちらも紹介します。

1)大学生の学びの状況
溝上先生曰く、以下の3つの力や態度が弱い学生は成長しない確率が高いことが、またこれら3つの力が社会に出た後の職場での働き方に強く関連していることが調査で明らかになったとのこと。
 @主体的に学ぶ力(教室外学習、主体的に課題に取り組む態度など)
 A豊かな対人関係や活動性
 B高い将来の意識を持つ

ちなみに少し補足しますと、
@に関しては日本の大学生の7割は一週間の授業外学習時間が5時間以下だそうで(0時間も多い)、アメリカだと「今は減ったと嘆かれていて12時間」なんだとか・・・。私の静県大での2年生向け選択科目「組織行動論」をとった人は予習必須なので、3時間程度の授業外学習時間の世界を知っていますね。また非常勤で教えている慶応SFCの学生はグループワークが必要な授業も多く、授業外学習時間がけっこう高いのではないかと察します。
Aは、@とBを補強する因子で、つまりAだけでも駄目だけど、Aがないと@とBが実現できないということになります。そもそも対人関係に問題あると仕事になりませんし。
Bに関連して面白かったのは、15年間京大生を見ている溝上先生の感覚として、頭の中で将来の見通しを考えている学生の比率は昔も今もあまり変化を感じないが、そのために日常で何か努力をしている比率は大きく異なるように感じる、とのこと。頭で考えてるけど行動レベルに落とす人が減ったということですね。

なお今は京大生も就活に苦戦しているそうで、第一希望に内定するのは約半数で、1/3は途中で就活をやめている(進学とかにシフトする)というデータも拝見。今の就活状況のシビアさがよく分かりますよね。そして上の世代の俺はこうやったぜアドバイスも役に立たない。そもそも競争環境が違うわけです。今の大学生は大変だなーと思います。

※調査データはこちらで公表されています。
京都大学/電通育英会共同 大学生のキャリア意識調査

2)大学生の留学状況
文科省・松尾さんによりますと、OECDのデータ上は世界的には留学生の総数は増えている一方で、日本人の海外留学の人数はピーク時の約30%減だそうです。ただこれは18歳人口が減少しているのだから当たり前の話で、学生数における留学経験者数という比率はあまり変わらないようです。じゃあなぜ「今の若者は内向き」と言われるかというと、アジアや発展途上国を留学先に選ぶ人が増える一方で一昔前の主要留学先であったアメリカへの留学が大きく減っているため減少部分が目立つこと、中国やインド、韓国等の留学生が激増しているから相対的に少なく感じること、を挙げられていました。これまでなんとなく不思議だったことがデータで説明されてとてもスッキリ。

3)グローバル経営の状況
日産・奈良崎さんのグローバル企業の人事が今どうなっているのか、という話。日産自動車は日本市場での販売台数が全体の13.2%なんだそうで、経営や人事のグローバル化は必須。Non-Japaneseの比率はトップマネジメントレベルで55%、本社執行役員以上で24%、現地法人の社長ポストは70%以上(ただしNon-Japaneseイコール現地国籍ではないとのこと)だそうで、当然ながら会議は英語です。人事システムはグローバルで共通で、採用戦略の1つは欧米の名門ビジネススクールで留学生を採って、その故郷ではない国に赴任させるという方法。こういう話を聞くと、グローバル化とは何かという議論自体が陳腐化して見えます。で、これがすごく面白かったんですが、奈良崎さん曰く「日産は日本企業をやめるつもりはない。日本企業だから売れているということをグローバル経営陣も理解している。」「しかし日本国籍であることが採用や昇進においてアドバンテージになるわけではない」そうなんですよ。これ、矛盾しているようですごく納得する。

この奈良崎さんの話、基調講演の安西先生の「グローバル化とは、隣に知らない人がいるという状況」、先日行ったデュッセルドルフでお会いした日本人赴任者(メーカー&外資コンサル)、これらの情報を全部ふまえて、グローバル人材とは、

 「世界のどこででも、同じように成果が出せる人」

なんだなあ、と思った次第です。つまりプロジェクトだろうがなんだろうが、文化や人種という文脈を乗り越えて結果を出せる人です。まず自国・自文化・自国語の環境ではできて当たり前。さらに環境変数が変わっても、ちゃんと同じように成果が出せる人っていうのが「グローバル人材」ではないかと。これから大学を卒業する人たちは、そういう世の中で働くんですね。なお奈良崎さんは、ダイバーシティの高いチームはuncomfortableですよ、だから学生のうちにuncomfortableな状況に慣れておいたほうがいいですよ、と言っておりました。

4)大学生のインターン
大学生のインターンについても興味深い話を聞けたんですが、これは後日ちゃんとまとめたいので、今日は割愛します。ご興味ある人はこちらの厚生労働省の報告書をどうぞ。
「インターンシップ推進のための調査研究委員会報告書」の取りまとめ


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Learningful Lunchもこんな素敵な環境です。


大変得るものの多いフォーラムでした。研究へのモチベーションもあがった!


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2013年05月06日

書籍サマリー「リバース・イノベーション」

Govindajaran, V. and Trimble,C., (2012) “Reverse Innovation“
ビジャイ・ゴビンダラジャン, クリス・トリンブル(2012) 『リバース・イノベーション』

【要約】
リバース・イノベーションとは、新興国で最初に生まれたイノベーションを先進国に逆流させるという、従来の流れとは逆のコンセプトであり、時に大きな破壊力を持つ。新興国の経済成長スピードは目覚ましいため、新興国発のリバース・イノベーションは大きなビジネスチャンスを秘めている。但し、新興国のニーズは先進国のニーズとは別物であり、ビジネス上の課題も異なることから、先進国で開発されたグローバル商品の機能を落として低価格にしたモデルを新興国で販売するという考え方ではなく、新興国のニーズに合わせた商品開発を一から行う必要がある。本書では、リバース・イノベーションの具体的なプロセスについて8つの事例を紹介している。

リバース・イノベーションを実現するためには、1)成功体験を捨てる、2)5つのニーズのギャップに着目する、3)川上へ遡るパターンを理解する、ことが必要だと述べられている。まずリバース・イノベーションは過去の成功体験を捨てることから始まる。現在の新興国は“過去の”先進国とイコールではなく、顧客ニーズも社会環境も経済発展プロセスも全く異なるという前提のもとで開発を進めなくてはならないのである。またリバース・イノベーションのためには、先進国と新興国における性能・インフラ・持続可能性・規制・好みという5つのギャップに着目しなければならない。例えば新興国では、先進国の15%の価格で50%の機能で(性能)、不安定な電力供給環境での使用に耐えうる形で(インフラ)、深刻な大気汚染への配慮をしつつ(持続可能性)、現地政府の規制に則り(規制)、現地の文化的多様性を取り入れた(好み)製品が求められているのである。そして新興国で生まれたイノベーションが先進国へ遡るパターンとして、先進国だけの市場規模では投資が正当化されないほど小さな「取り残されたニッチ市場」向けであるか、あるいは徐々にニーズギャップが縮むことで主流市場となりつつある「明日の市場」向けであるか、の2つのケースがある。例えばGEヘルスケアは2010年に小型で携帯可能な超音波診断装置(Vscan)を開発したが、この製品は2002年に中国市場向けに超低価格・携帯性(中国農村地帯の患者は診察のために都市部まで出向くことができないため)・使いやすさ(中国農村地帯では専門医療よりなんでも屋が求められる)に配慮してリバース・イノベーションを行った結果誕生したものである。同商品はその後画質を改善し、先進国での顧客にも支持されるようになった。このような市場は先進国だけでは小さすぎたのであるが、その後のニーズギャップの縮小によって、先進国にもイノベーションをもたらしたのである。

リバース・イノベーションを実現するためには、企業はマインドセットを転換せねばならない。そのためには、@新興国市場に重心を移す、A新興国市場に関する知識と専門性を高める、Bはっきりと目立つ個人的な行動で雰囲気を変える、の3つのステップが必要である。またマネジメントモデルも変える必要がある。例えば、リバース・イノベーションを実現することを目的とした特別な組織単位「LGT(ローカル・グロース・チーム)をつくり、実践からの学習を蓄積させるべきである。また、グローバリゼーションとリバース・イノベーションは相反するものではないことにも留意する。多くの多国籍企業において、グローバリゼーションは今後も国際競争力の基盤となり続け、リバース・イノベーションはそれを補助する存在であるから、2つは両立し、かつ協力し合う必要がある。なお自社の既存製品とのカニバリゼーションについての懸念は妥当ではない。多くの場合、新製品は既存製品の機能を完全に代替するわけではなく、むしろ市場を刺激して全体のパイを大きくするという働きをするからである。そして、そもそも自社がやらなければ他者に出し抜かれる。

リバース・イノベーションに限らず、新規事業には多くの障壁が立ちはだかる。しかしリバース・イノベーションを手掛けるリーダーたちは、自分たちの技術が多くの人々の生活を向上する可能性に情熱を燃やしており、その情熱こそが障壁を克服する原動力になると著者は言う。先進国が費やした半分の時間で、新興国は発展するだろう。そのために必要なのは慈善事業ではなく、多国籍企業が本業において成功をもたらすために必要なことをやるという姿勢である。リバース・イノベーションは慈善事業ではなく、れっきとしたビジネスである。


【補足】
ゴビンダラジャンは、経営思想家ランキングThinkers50(2011年度)で「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン、「ブルーオーシャン戦略」のキム&モボルニュに次ぐ第3位に選出されている。また彼の「The $300 house」のアイデアは同年のThe Breakthrough Idea Awardを受賞している。


【感想】
個人的にオーバースペックな商品に辟易としてきた消費者として、このリバース・イノベーションが作り出すであろう市場の存在は直観的に理解できますし、また今の大学生世代を見ていても、お金がないというより、その金額を出してまで欲しいと思えるものが少ないのだろうと感じています。こういった状況の中で、新興国の生活改善と先進国の市場活性化につながるリバース・イノベーションは理想的な解決策に見えますが、これまでの大量生産時代での成功体験に縛られている企業にとって、このマインドセットの転換がどれほど困難かということも想像がつきます。本書の中でも既存の大企業がリバース・イノベーションを実現するための対策をいくつか述べていますが、その中にある「外部人材を活用した柔軟なチームをつくる」の一環として、例えばうちのゼミ生がやっている大学のフューチャーセンターなどはいい補完関係になるのではないでしょうか。リバース・イノベーションを実現するためには、既存製品の引き算ではなく、最低限必要な機能は何かをゼロベースで考えることから始める必要がありますが、これは学生が非常に得意とする思考プロセスですので。

またこの本は、私が311後の東北にイノベーションの片鱗を探しに出かけた理由を説明してくれました。日本の産業は制度疲労を起こしているところが少なくないなーと思っていますが、東北では良くも悪くもゼロベースで打開策を考えねばならない状況に陥っており、これはリバース・イノベーションが生まれる土壌ができているということだと思いますし、実際に現地に足を運んだ後はその思いを強くしました。だから震災前に戻すという考えではなく、リバース・イノベーションのためのチャンスを活かすという考えで現地企業は活動をした方がいいと思うし、現地以外の企業は支援活動としてではなく研究開発あるいは人材育成の一環として、東北に行ったらいいのにと思います。なおこの本の著者も、日本語版への序文に東日本大震災後に言及しています。

Chikirinの日記」にもレビューがあるよ。



リバース・イノベーション / ビジャイ・ゴビンダラジャン, クリス・トリンブル (著); 小林 喜一郎(解説) (その他); 渡部 典子 (翻訳); ダイヤモンド社 (刊)

(解説がKBSの小林先生だったー・・・。)



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2013年03月29日

「茶の和」(学生&企業コラボ商品)が販売開始になりました

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静岡素材のクッキー6枚と静岡茶のティーバックのセット。茶袋を使用したパッケージは学生がデザインしました。

このプロジェクトは、2011年秋、静岡県立大学の経営情報学部と食品栄養科学部の3年生4名による「生まれ育った静岡を自慢するきっかけになるようなお土産を作りたい」という想いから始まりました。その想いに共感した静岡市内で洋菓子店「セティボン?」を展開する有限会社アニバーサリー社の協力を得て、2013年3月15日より、新東名上り線の静岡サービスエリアおよび「セティボン?」店頭にて販売を開始しました。680円です。4月1日以降は研究室でも入手できます。

この商品開発プロジェクトの目的は、静岡に興味を持つきっかけをつくるツール(=商品)を創ることでした。学生たちは静岡の良さは何かということから検討を始め、最終的に人のつながりの温かさに着目し、「お茶が結ぶ人のつながり(茶の和)」という商品コンセプトを考案しました。この商品の開発段階で協力してくださった多くの人とのつながりへの感謝の気持ちと、そのつながりをさらに広げていきたいという気持ちを込めています。またこの商品を通じて、静岡のお茶とお菓子を囲んで始まる大切な人とのゆるやかな空間と、笑顔の輪がつくる和みの時間が、静岡から広がっていきますようにという想いも込められています。

学生たちはコンセプトの考案段階で、潜在顧客のヒアリングやお茶農家の現場訪問を通じて、普段意識することなく飲んでいる急須のお茶が時代の変化と共に廃れつつあること、お茶の消費量が減り、お茶業界が後継者不足に悩んでいることなどに気づいていきました。その結果、学生の自分たちがお茶の素晴らしさを発信することで若い世代や他県の人にお茶に関心を持ってもらいたい、お茶業界やお茶農家さんに元気を与えたいと考え、「茶の和=人のつながり」という商品コンセプト、「静岡じまんのきっかけづくり」という商品開発の目的、世代を繋げる記念日事業を展開するアニバーサリー社がリンクしました。

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開発した学生チーム「茶の和ガールズ」。2013年の春からはそれぞれの道へ。

このプロジェクトは、いろんなところで取り上げていただきました。

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静岡新聞(2013.3.16)

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日経新聞(2013.3.12)

Handmade Future!:
女子学生が企業とのコラボで地元活性に挑む。新東名の新土産に『茶の和』をどうぞ!
(茶の和ガールズの写真はこちらのライターさんからご提供いただきました)

Handmade Future!: 
「近頃の新卒は使えない」はみっともないと思わない?
(かなり反響があったそうです。)

文化の異なる組織のコラボはそれなりに大変で、何度も頓挫しかけましたが、最終的には学生たちのやる気と企業さんの本気度、周りの学生や社会人の応援で乗り越えました。KOKULABOの「フューチャーセンター」にも何度も助けられました。たくさんの人に力を借りましたが、その形跡が最終的に表に現れていないものもあり、その点は申し訳なく思っています。でも時間と手間がかかった分、本当に自信のある仕上がりになっていますし、みなさんの力を借りたことをちゃんとお客さんに伝えたいという気持ちで学生たちは販売直後の3日間店頭に立ち、自分たちの手で1日50個以上を売り上げました。リーダーの石田はその経験を振り返り、ブログにまとめています(「茶の和」 販売イベントを終えて)。


ご協力いただいた全ての皆様に感謝申し上げます。







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2013年03月11日

2013.3.11

多くの人にとって節目となったあの日から、2年が経ちました。

この日、私はゼミの学生たちと一緒にその時間を迎えました。2,3月はフィールドワークのためにほとんどの時間を東北で過ごしていますが、この日は全員の予定があうのがここしかなかったことから、3か月前から合宿として計画しており、仙台から静岡に向かいました。

フィールドワークで東北を回っていると、膨大な震災の爪痕に自分の限界を思い知らされます。しかしこの日、私は学生を眺めながら、やはり自分ができること・すべきことは、社会で活躍する人材を育てることしかない、そうやって世の中に希望をもたらしていくことしかない、という気持ちを新たにしました。

国保ゼミの春合宿では、今月卒業する4年生から過渡期の3年生、ゼミ配属直後の2年生が一堂に会することで世代を繋ぐ機会と位置付けています。4年生にはゼミで過ごした2年間で学んだことを、3年生には1年で学んだことを、2年生にはこれからの2年間のゼミ生活でやりたいことを発表してもらいますが、それぞれの発表とコメントを聞いていて、ゼミ生たちがどんどんタフで前向きになっているのが見て取れました。ゼミ活動の根幹は、自分で選んだプロジェクトの運営です。その過程では、必然的に多くの失敗を経験することになるわけですが、周りの仲間に支えられることで、失敗に挫けずにまた立ち上がって次の行動につなげることができます。そしてそのプロセスの中で、経験に基づいた「根拠のある」自信を身に着けていきます。

自発的に行動し、失敗を重ねてもまた歩き出す若い人の姿は、周りに希望を与えると思っています。私は2年前に、そういう人材を輩出することで、社会に希望を生み出すことが、今の自分にできることだと考えたのでした。とはいえ人を「育てる」というのはややおこがましく、私ができるのは学生たちが育つための環境と機会を提供するところまでなので、若い人が挑戦できる場所を創ろうと思いました。ゼミ生たちが国保ゼミのタグラインとして国保ゼミ=「挑戦できる場所」というフレーズを考案してくれていますが、これは、私の目指す方向性を見事に表現してくれています。

挑戦できる場所は、裏を返せば失敗できる場所でもあります。挑戦は必ず失敗の可能性をはらみますので、大きなトラブルを招かないための配慮は私がやるにしろ、失敗した人を支え、くじけそうな人を奮い立たせるためにはどうするか。そのセーフティネットは、挑戦する人を支えるコミュニティだと思っています。失敗しても受け止めてくれる仲間がいる、失敗を失敗に終わらせず次につながる学びに変えてくれる仲間がいる、という気持ちは、人を強くします。そういうことを考えて、2年前にフューチャーセンターを立ち上げたんだったなあ、と改めて思い出しました。その成果が少しずつですが生まれてきていることを感じる合宿でした。


大丈夫です。
次の社会を支える若い世代がしっかりと育ってきています。

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2013年02月03日

仙台石巻プロボノ合宿

1月の冬休み中に、友人のNPO法人を手伝うために仙台でプロボノ合宿を実施しました。

お邪魔したのはこちら↓
NPO法人キッズドア」東北復興支援事業

キッズドアさんはもともと、東京都内で経済的に困難な家庭の中高生向けに無料で学習支援を行っていました。そもそも教育とは社会階層を移動するためのツールでもありますが、親の貧富が教育機会の格差につながり、貧困家庭の子どもは低収入の仕事にしか就けないといった貧困の連鎖が社会問題になっています。東大生の親の平均所得が高い、という話を聞いたことがあろうかと思いますが、キッズドアさんではその問題を解消するために子どもに無償で教育を提供しています。そして、311の震災後はその範囲を東北に広げ、震災によって経済的困難に陥った家庭の子どもにも適切な教育機会を提供するために日々活動していらっしゃいます。無償の学習支援を支えているのは、大学生のボランティアと企業や行政の支援です。

教育業界のはしくれにいる者としても、経済格差が機会格差につながるというのは許しがたいものがあるので、こういう活動は応援したいと思っていまして、もともと友人だったK貝さんにあらかじめニーズヒアリングをして、そのニーズに合ったプロフェッショナルスキルを持った友人を連れて1泊2日でお邪魔しました。ちなみに全部自腹の「プロボノ」ツアーです。

(参考:プロボノとは

まずは現場を見学するところから。その後、がっつりヒアリングとコンサルテーションをします。今回は人事系というニーズだったので、制度のところを元人事コンサルで現人事担当のS久間くんが、育成のところを私が担当しました。とりあえずこの作業が1日目の夜中まで続きます。
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なおS久間くんと私ができることというのはある意味想定内だったんですが、今回ちょっと驚いたのは、一緒に行った静岡県庁Y原さんのマニュアル作成スキルというか、形式知化スキルです。最初は報告書作るところを手伝ってもらおうと思っていたのですが、実際行ってみるとそこはそれほどニーズがありませんでした。ですが、提案をつくることに集中していたS久間くんと私が、最後にその提案を現場の人に伝えるためのツールとしてマニュアルに落とし込む作業のときに、Y原さんはすんごいいい仕事をしてくれました。私たちが提案するものが片っ端から文書化されていくのは、本当に気持ちよく、そしてものすごく助かりました。確かに考えてみれば、公務員のみなさんは異動する前提で業務にあたるので、常に引継ぎのことを考えて仕事をしていますよね。そして引継ぎしやすい仕事とは、人に依存しないしくみであり、形式知化された仕事なんですよね。そういう公務員の仕事の仕方を考えてみれば当たり前だと思うんですが、正直、今回ご一緒するまでその強みには気づきませんでしたねえ。そして当初予定していた仕事がなくても、自分でできることを探して柔軟に対応してくれたことにも深く感謝。現場の状況はコロコロ変わるので、約束したことしかやらないような人だとお互い辛いものがあります。

コンサルのようなプロフェッショナルスキルって、それがそのまま労働市場での価値になるので、とても伝えやすいしプロボノとしても貢献しやすいのですが、こういう表現しにくい、でも大事なスキルがもっとプロボノとして活かせる仕組みをつくれないものだろうかとつくづく思いました。というのも、NPOやベンチャーでは、どうしても人に依存する仕事の仕方をしてしまいがちです。人が少ないからそれは仕方ないことでもあります。ですがいつまでもそうでは知識が共有されないし、組織が成長しないし、組織が成長しないと事業が成長しない。そういうときに、こういった形式知化するスキルを持った人というのはすごくありがたいんです。

さて、やるべきタスクは2日目の午前中で終わらせたので、昼からは観光に出かけます!自腹ツアーなので、お楽しみも大事。というわけで、お昼は石巻の牡蠣小屋で食べました。

牡蠣をグリルして食べます!
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うまいっす!
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あとは、私以外のメンバーは震災の爪痕を見たことがなかったので、石巻周辺の震災の跡をいくつか見て回りました。そこで感じたことを、各自の持ち場で活かしてほしいなと思いつつ。そして最後に仙台駅で牛タンをたべて、新幹線に。たくさん働いたし楽しんだという実感とともに、仙台を後にしました。いつも思うけど、ボランティアって与えるものよりもらうものの方が多い。というか、こちらがもらったもの以上の貢献をできているのかどうか、毎回心配になるといったほうが正確かも。今回もいい経験をさせていただきましたので、その分ちゃんとお力になれたのかどうかとても気になるところ。


こういうプロボノツアーはまたやりたいなーと思います。



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2013年01月31日

書籍サマリー「ワークシフト」

facebookの方に書いたらいっぱいコメントとシェアをしていただいたので、こちらにも載せておきます。ロンドン・ビジネススクール経営組織論の教授が書いた「ワークシフト」が面白かったので、ざっくりサマリーを書きました。

【サマリー】
多数のヒアリングをもとに2025年に訪れるであろう「働き方」を想定し、その中で生き残っていくためにはどうすべきかを論じた本。今世の中で起こっている変化の先には、毎日時間に追われ、人間関係が希薄になり、貧困層が広がる未来が広がっている。しかし、ただ漫然と過ごすのではなく、主体的に選択して未来を築くことでその貧困と孤独から逃れることができるが、そのためには、これまでの常識の延長ではなく、働き方に関する3つの意識改革(シフト)を行う必要がある。

シフトその1.
ゼネラリストであることを止め、「連続」スペシャリストへシフトする。ITの進化等で、ゼネラリストレベルのスキルはほとんど誰でもできるスキルになりつつあるので、より価値を生み・希少性が高く・模倣しにくいスキルに特化すべし。また専門性は1つではなく、深い1つをベースに複数持つことで独自性を築くことができる。

シフトその2.
孤独な競争から、「協力して起こす」イノベーションへシフトする。イノベーションは複雑化しており、もはや1人でなんとかできる知識レベルではないので、周りの力をうまく借りるスキルが必要となってくる。そのためには、次の必要な3つの人的ネットワークが必要である:小人数のとても頼りになる同志「ポッセ」、アイデアの源となる大勢の知り合い「ビッグアイデア・クラウド」、心の支えと安らぎをもたらす絆「自己再生のコミュニティ」。

シフトその3.
大量消費から、情熱を傾けられる経験に重きを置く価値観へシフトする。伝統的なキャリアと仕事の形態が崩れて行く中で、個人の選択肢は広がっていく。しかし選択肢の増加はプラス面だけではなく、受け身でいると悪い方に状況は転がっていく。選択肢が増えることによる恩恵を受けるためには、主体的に選択することが大事、とくにその選択によって何を得られて何を諦めることになるのかまでを見越して選択することが大事。

【感想】
まとめてみると、2013年1月に放送されたNHK「ニッポンのジレンマ」の議論とも共通するところが多いなあと思いました。2025年(12年後)と言えば、今年卒業する学生が34歳という働き盛りになっている頃であり、私にとってはとても現実味がある未来です。本の中にはこうなるであろうという未来の事例が(1990年の世界と対比して)いくつか載っているのですが、確かにこうなるだろうなーと思えるものが多くありました。特に「漫然と迎える未来」は、既にもうその兆しが見えている気がします。ある程度の世代より上の人にとっては「贅沢」に見える取捨選択が、若い世代にとっては生存のための戦略なんですよ。


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 [ハードカバー] / リンダ・グラットン (著); 池村 千秋 (翻訳); プレジデント社 (刊)


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2013年01月26日

「学生は大手企業志向」は本当なのか

マスメディアでは、「大学生の就職率が悪いのは大手企業志向だから」という論説をよく耳にします。一方で実際大学という場に身を置いていると、あまりそんな実感はありません。ですので、このギャップはどこから来るのかな、何が本当の問題なのかなあと常々思っていたところ、非常に面白い調査レポートを見つけましたので、G-netさんの承認を得たうえで紹介しつつ分析したいと思います。

NPO法人G-net発行
岐阜「中小企業と若者」就職白書vol.1 岐阜の学生の意識編
詳細の載ったプレスリリースはこちら

この調査のメインは、大学生の就職活動に関する意識調査です。具体的には岐阜県の大学(岐阜大学・岐阜聖徳学園大学・岐阜経済大学・朝日大学)に通う学部4年生と修士課程2年生合計106名で、調査時期はH24年1月〜2月ということなので、就活を経験した後の学生の意識調査ですね。なので想像ではなく、就活を通じて感じた中小企業の印象です。岐阜県は県外への人口流出が進み、しかも流出する人口の6割が20-30代(H23岐阜県長期構想より)なのだそう。

この調査からはまず、「中小企業の就職を視野に入れている」と回答した学生は72%、「多少入れている」が17%で、合わせて89%が中小企業への就職についてポジティブであることが分かります。「学生は別に大手志向というわけではないよね」と肌感覚では感じていましたが、数字でみると説得力ありますね。

では、学生はちゃんと視野に入れているのに、なぜ「大手志向」という印象になるのか。それについては、情報収集ツールがバイアスになっています。下記は「就職活動において活用していた会社を知るためのツール」(p17)より一部抜粋したものです。
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これを見ると、学生の情報チャネルがマイナビ・リクナビ依存であることが分かります。大学就活支援課は36.8%、学内求人情報は19.8%と、大学内の情報はあんまり見ていない。これは私の感覚値としても納得するもので、学生と話をしていると就活においてはリクナビマイナビに載っていない会社は存在しないに等しいです。この2つでも相当数の企業が載っていますから、さらにそれ以外に目を向けるというのは難しい。しかし、マイナビへの掲載料金は最低35万円です(マイナビ料金表リクナビ料金表)。ある程度の人数を採用する企業ならともかく、1,2名の採用枠ならばここまでのお金と手間をかけられないでしょうね。でもここに載らないと学生の視界に入らない、という構造です。

一方で、「参加した合同説明会」(p19)を見てみると、リクナビ66.0%、マイナビ66.0%に大学内で行われる学内企業展62.3%が肩を並べています。つまり、学生が気軽に出かけられる学内企業展がリアルの情報チャネルとして有効であると言うことですので、マイナビに出稿しなくともここに出展することで学生との接点はできます。実際、私の肌感覚でも、学内説明会で中小企業への就職を決めている学生は少なくないと感じます
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では情報チャネルの構造は分かったとして、次に載せるコンテンツについて。以下は白書の「企業を見るうえで大事にしていること」(p20)のトップ10と、私が個人的に気になった要素(黄色バー)です。
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「給与」や「福利厚生」って学生はあんまり気にしないなあと感じていましたが、それが証明された形になりました。もちろんあるに越したことはないですが、それで決めるというわけでもないというか。それよりも「仕事内容」や「やりがい」が大事なのです。また、「知名度」も5.7%とかなり低いですね。知名度が高いと親に賛成してもらいやすいという利点はありますが、学生個人はあまり気にしていないことが分かります。「経営者の魅力」が7.5%と低いのは、就活の中では経営者の顔が見えにくいのか、魅力ある経営者が少ないのか、どちらが原因なのか気になるところです。

さて、仕事内容とやりがいがある企業ならば知名度はなくとも学生は興味を持つというところが明らかになったところで、そもそも中小企業にこれらの要素は揃っている(と学生が認識している)のか、という点について、白書の「中小企業のイメージについて」(p15)を見てみます。この中で、「非常にそう思う/まあそう思う」と回答した学生が50%を超える項目を挙げてみると、以下のようになりました。青色バーがポジティブ要素、黄色バーがネガティブ要素、灰色バーがニュートラルな要素です。
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これを1つ上のグラフと一緒に見ると、少なくともポジティブ要素に関して言えば、中小企業には十分勝算があります。「成長できると思う」82.1%、「やりがいがあると思う」82.0%、「雰囲気がいい」67.9%って学生が感じてるわけですし。さっきは低かった「経営者に魅力がある」も64.2%と高い数字になっています。一方でううむと思ったのは、「優秀な人が少ないと思う」(79.2%)。鶏が先か卵が先か問題でしょうか。ただこれは、入ってから活躍する場が多いということだとも言えます。

とりあえず、学生が気にする仕事内容ややりがい、雰囲気を提供することができるならば、中小企業だって採用競争力はありそうだということが分かってきました。ところが次に、チャネルによってコンテンツが異なるという問題が浮上します。

白書の「リクナビ・マイナビと学内求人情報の掲載情報の比較」(p32)より、リクナビ・マイナビには載っているのに学内求人情報には載っていない項目として、「仕事内容」「経営理念・企業理念」「社内の雰囲気・社風・風土」「先輩社員紹介」「採用担当者から」「編集者から」が挙げられています。一方で共通して掲載されている項目は、「会社名」「会社所在地」「勤務地」「募集対象」「給与」の5項目です。ここで分かることは、大学生の中小企業に対するイメージ調査から競争力になりそうな要因であることが分かった「仕事内容」「やりがい」等の情報が、リクナビ・マイナビには載っているのに、学内求人情報には載っていないという事実です。一方で両者に載っている5項目は、大企業が有利に、中小企業や規模の小さい会社が不利になる情報であるということが指摘されています。リクナビ・マイナビで大企業の情報を見まくった後に、学内求人情報で中小企業を見る学生が、どういう印象を持つかは明白ですよね。

ここまでの分析で、自然に大手企業志向になる構造が見えてきました。

では、新卒大学生を採りたいと考えている中小企業はどうすればいいのか。マイナビ・リクナビに出稿するのがおそらく一番早いです。しかしそこまで採用コストをかけられない場合は、大学の学内企業展に出展するといいと思います。ただここで注意しなくてはならない点は、そのタイミングです。

「大学生が履歴書を作成し就職試験を受けるピークは3月だと言われており、この時点ではすでに就職先としての選択肢に入っていなければならない。それが大学内の求人情報やハローワーク、ジンチャレにおいては3月の時点ではまだ掲載企業が少ないという状況であった。これでは岐阜県内企業が大学生の就職先としての選択肢に入ることは難しい。」(p30より)
なので、大学3年生の3月までに視野に入るタイミングで、出展せねばなりません。中途採用は通年だし採用から入社までの期間が短いですが、新卒はそこが1年以上あることということを知っている必要があります。そして出稿・出展する際には、仕事内容とやりがいがあることをちゃんと伝えることが大事です。

新卒採用を始めようかと考えている中小企業さんは、岐阜県でなくとも「就活白書」を読まれるといいと思います。大学の就職支援課や中小企業に就職を決めた学生のインタビュー等が載っており、参考になりますよ。

一方で、そこまでして新卒大学生を採るメリットは何なの?という声もあろうかと思いますので、それは後日まとめたいと思います。

※ちなみに、私が所属している学部はかなり就職率がよく、「サンデー毎日」(毎日新聞社)が2012年8月12日号で発表した「学部系統別就職率ランキング」によると、全国の国公私立大学の商・経営系において94.3%となんと全国第1位なのだそうです。2012年3月の商・経営系の全国平均就職率が74.6%ということを鑑みると、かなりいいと言えるんじゃないでしょうか。




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2012年10月10日

文化と社会

お仕事で、今年3度目の金沢へ。今回もセミナー講師ですが、なんと会場が石川四高記念文化交流館という歴史的建造物でした。最近、教育を行う上では思考を切り替えるための装置として「箱」はけっこう大事なポイントだと感じていまして、だからこういう場を教育に使えるなんて素敵だな〜と思います。
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さて今回は、初めて少し時間に余裕のあるスケジュールでした。いつもとんぼ返りなので、せっかくのこの機会は活かさねばと少し調査をすることに。こういった種まきの時間が次の研究に繋がることもありますし。

まず、懐石料理を食べにいく。いろどり事業を研究して以来、機会あればツマモノを見ているのですが、金沢は茶の湯文化が発達しているのできっと懐石文化も発達しているはず、きっと面白いツマモノ遣いがあるはず、と考えたのです。加えて、今回九谷焼の視察に行く予定だったので、事前に現場をリサーチしておこうと思いまして。

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ツマモノがあるだけで料理の雰囲気はがらりと変わります。上ははマグロ漬け寿司のパルメザンかけ。穂紫蘇の花が散らしてあります。後方のお皿は鴨と素揚げ銀杏のマスタード和えで、こちらも彩りがキレイ。あと写真は無いのですが、1皿目の先付けは虫かごのような器に敷き葉と萩の花があしらわれ、9月のまだ残暑が厳しい中でも虫の音が聞こえるような演出がされていました。

さて、食事をしながら板前さんと話したのですが、意外だったのが「九谷焼は店では使わない」と言われたこと。「金沢の人は自宅で九谷焼を使っているので、店で出すと被るときがあるんですよ(笑)」だそうで。歴史もあるし、もっと高級品扱いをされているイメージを九谷焼に対して持っていたけど、もっと日常に馴染んだものなのかもしれません。

(食べきれなかった玉蜀黍ごはんはお土産にしてくれました♡)
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2つめの視察は、九谷焼の現場見学!伊野正峰株式会社さんの工房を訪問させていただきました。

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決して小さくない工房のようですが、普通の民家が工房になっていて、興味深かったです。職人さんが実際に作業していらっしゃって、こういうの見るの大好き。

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九谷焼というといわゆる赤絵や青粒、古久谷などを私はイメージしていたのですが、これはごく一部なんですね。工房にはもっと幅広い商品がありました。訊いてみると、それほど厳密な九谷焼の定義があるわけではないようで。ブランディングを考えると、例えば大島紬のように明確な定義や承認制度があったほうがいいんじゃないかと思うけれど、地元に溶け込むためにはそれくらい緩い方がいいのかなとも思う。

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上は伊野正峰株式会社さんの商品「白九」という白い九谷焼のロックカップ。九谷焼は絵付けがメインなので、絵が載せやすいようどうしても平坦な形になるそうなのですが、そんな中で形状に工夫を加えたり、白地を多く残したりした一品。逆転の発想ですねー。


既に何度も訪問してはいますが、金沢21世紀美術館にも足を運ぶ。

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この美術館は妹島和世+西沢立衛の設計で、コンセプトは「まちに開かれた公園のような美術館」なのだそうです。そしてそのために以下のような工夫が施されているそうです。
・三方が道路に囲まれている美術館敷地内にどこからでも人々が訪れることができるよう、正面や裏側といった区別のない円形が採用されました。建物が街と−体になるためのデザインです。
・展示室やカフェレストラン、アートライブラリーなど、それぞれに個性豊かな各施設はほぼ水平方向に配置。街のような広がりを生み出します。建物の回廊部分を一周すると、様々な特徴のある施設を巡ることができます。
・外壁や建物内の壁面の多くにガラスを採用し、「透明であること、明るいこと、開放的であること」を求めました。同時に、内部と外部など互いに異なる空間にいる者同士が互いの様子や気配を感じ取ることができる、出会いの感覚も演出されています。

(出典はこちら

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この「まちに開かれた公園のような美術館」である21世紀美術館は、無料で入場できる(交流ゾーン)ところと、入場料を払わなければ見られないところ(展示会ゾーン)とがあります。交流ゾーンを歩いていてもそこそこ楽しめるわけですが、ところどころに展示会ゾーンへの誘いが仕込まれていて見事な感じ。まずは地域に馴染む美術館として足を運んでもらうために無料でも楽しめるところを確保して、そのうちの何割かに美術館の事業を支えてもらうという設計思想が透けて見え、大変興味深かったです

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例えばこの美術館の象徴的な展示物である「Swimming Pool」は、「交流ゾーン」に位置します。そして上から覗くと、水の張られたプールの水底に人がいるのが見えて不思議!で、この水底にいくためには入場料を払って「展示会ゾーン」に入ります。

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これは交流ゾーンから見た展示会ゾーンとのパーティションで、向こう側は展示会ゾーンです。ガラスなので向こう側が見える上、微妙に壁とパーティションに隙間があるのが見えますでしょうか。完全に分断しておらず、展示会ゾーンと交流ゾーンが緩く繋がっているので、芸術は日常の延長にあるという感じがします。

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交流ゾーンには、他にも子どもが遊べるコーナーがあったり、

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デザイナーズ家具に座りながら展覧会カタログや専門書籍が閲覧できるアートライブラリーがあったりして、子どもや学生が気軽に足を運んでいるという印象。こうやって小さい時から美術館が身近なものとして刷り込まれていれば、大きくなったときにはお客さんになって支えてくれるよねーと思います。

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余談ですが、アートライブラリーには、わが研究室のテーブルを創る際に模倣したハンセンのスーパー楕円もありました(でもやっぱりちょっとカタチが違う・・・笑。学生たち曰く「うちのはスーパーを超えたハイパー楕円だから」なんですが)。ここでグループワークとか出来るわけですよ。贅沢!

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この美術館には、赤い漆塗り(紅殻塗り)の天井が斬新な茶室もあります。加賀藩13代藩主の前田斉泰の居室として建築されたものを移築してるそうですが、この茶室、市民がお茶会を開催するために借りるときにはお茶道具までも貸し出してくれるそうです。市民の茶道リテラシーを信用してのことでしょうが、お茶会の企画が気軽に出来ていいねーと思う。

美術館近くの株式会社能作さんでは、金沢塗・山中塗を見せていただく。ここでも金沢塗・山中塗・輪島塗の定義をお聞きしたのですが、明確な区分があるわけではない印象でした。ただ県外の消費者としてはそこが気になってしまうのですが、地元の方は見た目で何となく分かるということだったので、あえて意識する機会がないのでしょうね。確かに私も、「掛川茶の定義」とか「富士宮焼きそばの定義」とか訊かれても答えられる自信はないです。

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これは昔実際に使っていた漆を練る道具で、ドイツの漆美術館にも寄贈したそうです。長い年月をかけてしみ込んだ漆がつやつや。

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自分用に白漆のコーヒーカップを買ってみた。熱伝導しないから熱いものを持てない私にはありがたい。


今回の金沢の視察では、伝統文化や伝統産業が地元の暮らしの中に深く根付いていることを実感しました。子どもの頃から日常の中に文化や産業があるからこそ、大きくなったときにそれらを支える消費者になるのかもしれません。いい文化や産業を育てるのは消費者であり、文化や産業が衰退しているということは次世代の消費者をちゃんと育成してこなかった結果なのかも。その点で、株式会社和えるさんの目の付け所は鋭いなあと改めて思います。

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よく知らなかったんですが、能登は素敵なデザイナーも多いみたい。上はいただきものの能登で作られているというnotodesign x aikoの本革iphoneケースですが、iphone5への移行計画が先送りになったほど素敵!能登のデザイン事務所と革製品の職人さんが作っており、ネット売上が8割くらいなんだそうです。商品に魅力があれば立地はハンディになるどころか、プラス要素なんだなと思いました。「能登で手作りされている本革iphoneケース」って、なんかロマンを感じます。


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2012年07月28日

金沢出張で考える「地域と人材」

先日仕事で金沢に行きました。慶應ビジネススクール時代からずっと担当させていただいている、石川県主催の経営者向け研修「石川経営天書塾」の講師のお仕事です。数えてみたらもう5年目!おかげさまで評判がいいらしく、ここ数年は集客のためのデモ授業も担当させていただいております♪
(過去の訪問記は ここ とか ここ にあります)

さて、この授業を担当している間に、私は東京を離れて、静岡の大学に移りました。週末はオットのいる東京の家で過ごしていますが、自分の意識としての拠点は静岡だし、住民票も静岡です(笑)。慶應にいた時から地域活性化に興味を持っていたけれど、実際にこうして自分が地方都市の1つに移ってみると、東京にいたときには見えなかったものが見えるようになりました。例えば、「地域」という単語。例えば東京にいると、静岡や金沢を「地方(都市)」って呼んでしまったりするけれど、地方都市に身を置いていると「地域」というワーディングの方がしっくりきます。理由を考えてみると、「地方」はその前提として「中央」がある概念なので、自分が中央に居るときは対立概念としての「地方」が見えてくるのですが、自分が「地方」に居るときは「中央」を意識しない(自分が中央ではないという感覚が無いともいえる)ので、「地方」ではなく、自分のいるところを中心として特定の地理的範囲を定義できる「地域」という言葉の方がしっくりくるんじゃないかと思います。

ところで、地方都市に身を置いていると、直接的な学びを享受する「機会」や知的好奇心を刺激される「機会」の相対的な少なさは実感します。インターネットが普及しているので、情報の格差はさほど感じないのですが、例えばセミナーとかインターンシップとか、そういった「学ぶ機会」が身の回りに転がっている東京に比べて、例えば静岡ではそういう機会が本当に少ない。もともと意欲がある人は東京まで機会を求めて足を運ぶからあまり差が生まれないけれど、現時点ではそこまで意欲があるわけではない人(そしてふつうの社会ではこれがマジョリティ)の潜在力を開花させるような刺激や体験のきっかけが少ないなーと思います。そしてその結果、地方都市の人材は同質化が進み、多様性が低くなるのではないかと。ただ大学入学時点では、意外と志望しているキャリアの多様性が高いということが分かりまして、その後特定の方向に収束していくような印象を持っています。(注:あくまで私の個人的な感想だということをご了承ください。そして多様性の低さが良い悪いという話ではありませんで、もし後述するような人材を輩出する社会を求めるならば多様性を大事にするべきではないか、という話にすぎません。反対意見も常に歓迎です)

さて、今回の金沢の仕事もそうなのですが、私は割と地方都市における経営者教育とか、企業家教育に携わることが多いです。そこで感じるのは、地域産業の隆盛と人材育成の関係です。どんな産業でも時代とともに隆盛があるので、地域産業を持続的に盛り上げていこうと思うときに必要なのは1)既存産業を成長させる人と、2)新規産業を生み出す人、だと思うんです。既存産業を維持する人だけでは、環境変化に適応できなくて産業は衰退してしまいます。そのためにもこれらの「産業を創る人」が社会には必要だと思いますし、そういうニーズが多いからこそ私が指名されるんだろうなーと思っております。で、そういった産業を創る人材を育てるという視点で考えたとき、上述した地方都市における機会の少なさからくる人材の均質化というのはとてもクリティカルだと思うんですよね。産業を創るための資源が少ないとは全く思わない(というか多い)んだけれど、資源をうまく活用して産業を創れる人は少ない、というのが私の印象です。ただ、これは人的資源の能力の問題ではなく意識の問題なので、逆にいうと機会や刺激を少し恣意的に作ることで、可能性が広がる人や産業が地方都市には多い、ということでもあります。

ならば学ぶ機会を創ればいいと思うんですが、そこで重要になってくるのが大学(地域の教育機関)や行政の役割だろうと考えています。東京はすでに市場が出来ていて民間の教育機会が豊富かつ効果的なので、あえて行政が人材育成を担う必要はないと思うんですけど、地方都市ではまだ市場として成り立っていないので、ここは公的資金を投じていいのではないかと。しかし静岡を見る限りでは、行政が行う人材育成というのは、雇用対策という側面が強いわけです。これはこれで大事だと思うのですが、これだと既存産業を維持する人が育成されることになります。一方、天書塾の事務局を見ると、「石川県 商工労働部 産業政策課 産業人材政策室」となっており、産業を創る人材を育成する、という思想が透けて見えるんですよね。私は静岡県よりも石川県とのお付き合いの方が先だったし、民間企業から転向した身としては産業のためには人材育成って当然重要だよねくらいの感覚だったのですが、静岡県職員の方に言わせると行政的にこの位置づけはとても先進的なんだそうです(余談ですがこういう行政の思考回路が学べたのも、県立大学に赴任して得たものの1つです。民間企業の思考回路はMBA時代に叩き込まれた)。ぜひ静岡も石川県を見習ってほしいし、個人レベルでもこういう人材育成を担っていきたいです。

もう1つ、産業を創る人材を育成する上で大事であり、石川県で実現されていることとして、「良質な経営者コミュニティ」の存在です。経営者は経営者にしか分からない悩みが多いし、社内の人間や取引先に相談するわけにもいかないので、同じ立場にある直接的な利害関係のない人とのコミュニケーションは貴重ですが、こういったコミュニティがあることで学びは促進されます。この石川県の研修では、研修OBによる経営者コミュニティが出来ていて、それがとてもいい感じ。OBに進められて新たに受講する人も多いようです。組織は何らかの目的のために生まれますが、いったん既得権益を持つと、もともとの目的から逸脱してその既得権益を保持するために組織の維持が目的になることが少なくありません。ですがこのコミュニティは既得権益があるわけではないので、本当にそこで交わされるコミュニケーションに価値を持つ人しか残らないし入ってこないので、健全な新陳代謝が行われた状態でコミュニティが存在しています。これが既存の若手経営者団体と少し違うところだと感じています。そして、私がフューチャーセンターなどを通して静岡で実現したいのも、こういう経営者+経営者予備軍のコミュニティなんですよね。

というわけで人材育成という面で見習うところの多い石川県ですが、文化的にも魅力が多く、今回はfacebook経由で金沢出身の方に教えていただいた観光コース(2時間バージョン)を堪能しました。その中でも武家屋敷跡野村家が素晴らしかったです。海外専門誌などでも高く評価されている日本庭園が美しいですが、さらに石造りの階段を上ったところに茶室があり、眼下に庭園を眺めながらお抹茶を頂くことが出来るんです。これが最高の気分転換になります。当時の武人には気分転換が出来る“装置”は大事だったと思うし、その点で茶道が貢献した部分は大きいだろうなと思います。オススメです!!

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庭園を眺めながらお薄をいただく。

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茶室の入り口に飾られているお花。こういうところに文化の厚みを感じます。

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庭園。

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茶室の掛け軸は「今日無事」。


金沢はまた9月に行く予定。楽しみ〜〜〜〜〜。


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2012年06月30日

土佐山視察

高知に仕事で行ったついでに、土佐山アカデミーを視察してきました。普段から仕事であちこち行く機会があるので、そのついでに本格的な調査に入る前の探索的調査(ようは研究のネタ探し)をしています。

土佐山アカデミーは、色んな面で大変興味深く、調査に入りたいなーと思える事例で、中期的に見守りたいなと思わされました。今年は手掛けたいものがたくさんあって、嬉しいけど悩む・・・。

さてさて、現地ではアカデミーの方に土佐山の案内もしていただきました。ありがとうございますー!せっかくなので少し写真で土佐山の紹介をしてみます。


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土佐山はこういうところ。絵に描いたような中山間地です。でも高知市内から車で30分で、「すぐそこにある中山間地」という感じです。馬路村が2時間かかることを考えると不思議な近さ。

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以前ある女性誌の宿特集でみたときから気になっていた「オーベルジュ土佐山」。地域住民が作った会社で運営しているホテル事業というだけでも興味深いのだけど、単に女性に人気の素敵な宿としても名を知られていて、それが両立しているというのが希少だなーと。この特徴的な梁の使い方は、地元の伝統的な建築手法なんだそうです。随処に野の花が飾ってあるのも豊かな感じです。

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この緑に囲まれたテラスは素敵―。緑と水って落ち着く・・・。

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地元名産の生姜を使ったジンジャーエール。本当に「生姜!」って味わいで、生姜が沈殿してるのが見えますか?ジンジャーエールなんだから言われてみれば当たり前なんだけど、人工的な香料に慣れているとちょっと驚きました。


数時間の土佐山の滞在を終えて、高知に戻ってホテルで1つ目のお仕事(遠隔授業の講師)。でもその前に、30分だけ時間を作って高知市内のひろめ市場に行く。

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ここの塩タタキは高知出張のお楽しみ!ポン酢じゃなくて塩で食べられるタタキは絶品です。仕事前なのでノンアルコールなのが悔しい(笑)。

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はちきん地鶏が妙に美味しそうに撮れたので、ついでに載せてみる。この子たちのおかげでこの後の仕事もがんばれたよー。


お世話になった皆様、ありがとうございました。


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2012年06月27日

フューチャーセンターについて話してきました

6月10日に、フューチャーセンターウィークのイベントで、静岡県立大学でやっているフューチャーセンターの取り組みについて話す機会を頂きましたので、行ってきました。

場所は、名古屋城の隣にある名古屋能楽堂です。久しぶりの名古屋!!時間が無かったので友人に会うことはできませんでしたが、懐かしい風景をたくさん見てきました。

この日は超快晴。夏が近いんだなーと思わされる空です。
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イベントは盛況。自分でイベントを企画するようになって集客の大変さを思い知りましたので、集客力のあるイベント主催者は素直に尊敬します。
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国保ゼミが静岡県立大学でやっているフューチャーセンターの取り組みを紹介させてもらったのですが、前提知識の無い人にいきなりフューチャーセンターの定義等から入っても消化しにくいだろうなと思い、フューチャーセンターを活用して「茶の和ロール」を開発したI田ちゃんにプロジェクトの経緯を話してもらいました。具体的にどんな活動が動いていて、どんな場面でフューチャーセンターが役に立ったのか、具体的な事例ベースで見ると分かりやすいんじゃないかと。ちなみにこのプレゼンストーリーを考える際にも、フューチャーセンターは使いました(笑)。

社会人の前でも堂々とプレゼンするI田ちゃん。逞しい。もう私は帰ってもいいんじゃないか。
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I田ちゃんの後に、少しだけ設計思想等のしくみの部分を私がお話させてもらいました。私は社会人と学部生との両方の教育に携わっているので「学生しかない強み」の部分がとてもよく見えるのですが、そのあたりを重点的に伝えてみました。当日の資料を置いておきますので、もしよろしければダウンロードしてご覧ください。
フューチャーセンター紹介資料@FC名古屋.pdf

終了後の懇親会では、世界の山ちゃんにいきましたよー。実は名古屋時代は手羽先を食べたことがほとんどなかったので、新鮮な気持ちでいただきました。濃い味付けは名古屋メシだなーって思いますね。

ランチのきしめん&天むすと、山ちゃんの手羽先。きしめんにシャチホコのなるとがのってる!
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こうやってお話をする機会をいただくと、自分たちがやっていることを言語化するきっかけになりますので、有難いですね。





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2012年04月18日

国保ゼミ2011年度の活動報告書をつくりました

国保ゼミ発足2年目にあたる、2011年度のゼミ活動報告書をつくりました。
色んな方のご支援で学生たちが貴重な経験をさせていただいていることに感謝をこめて。

国保ゼミ活動報告2011表.pdf
国保ゼミ活動報告2011裏.pdf

ar2011.jpg
(※ご自由にダウンロードください)



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2012年04月16日

cbook2.0と、大学生の開発プロジェクトについて

国保ゼミ1期生の鈴木くんが手掛けていたcbookプロジェクトが、このたび新メンバーにて生まれ変わります。その名も、cbook2.0プロジェクト。引き続き、数学研究室とのコラボです。

スタートアップのメンバーが卒業でかなり入れ替わったのを機に、このアプリの目的というかビジョンを、フューチャーセンターにてゼロベースで再検討しました。私も大昔にシステム導入に携わっていたことがありますけど、使われるシステムになるかどうかは要件定義次第。特に今回は、既存の業務をシステム化するわけではなく、世の中に存在しないアプリを作って周囲の人の行動に変化をもたらすタイプのプロジェクトなので、要件定義を想像でやらなくてはならないところが難しい。

ちなみに、このタイプのアプリの好事例は“すごい時間割”だと思います。大学生がタイムスケジュールをシェアすることで新たな価値を生み出すスマフォアプリ。これ、開発者は現役大学生ですが、設計思想が素晴らしい。この時間割を介して繋がるというニーズがあることに気付けたのは、現場をよく理解していたからだと感じる一方で、実際にアプリというものが現れた時、その存在がもたらすインパクトの大きさにもわくわくします。この目の前の人の困りごとを解消することと、世の中に与えるインパクトの大きさをイメージすることとのバランスが非常に大事と思います。

さてcbook2.0は、ミーティングの結果、”県大生が世界一気軽に自分の「やりたい」を見つけられる/伝えられる場をつくる”という目的を設定しました。この日のミーティングはとてもいい雰囲気で進み、2つの組織が一緒に新しいことを始める際のわくわく感に満ちたものになりました。数研と国保ゼミでは専門性が違うので、気にするポイントや議論の進め方も違うのですが、その違いを互いにリスペクトし、いい方向に利用し合っているという感じでした。まずはそういう空気を共有することが大事なのではないかと思います。

議論の記録。
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ビジョン決定後の記念撮影、皆いい顔してます!
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そして後日通りかかった数研の部屋のドアの前にはこんな張り紙が・・・(ポストイットに注目)。コラボを楽しんでもらえてるのだなあと、嬉しくなりました。
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2012年03月30日

四銀「経営情報」に寄稿しました

四国銀行が発行している機関紙「経営情報」に寄稿させていただきました。
静岡県立大学でやっているフューチャーセンターの紹介です。


四銀「経営情報」2012-3.No.125.pdf


よろしければご覧ください。


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2011年11月28日

島根県の海士町に行ってきました。

ちょっと古い日記になりますが、島根県・隠岐諸島にある海士町に行ってきました。島根県だけど、アクセス的には鳥取県の米子空港経由が近いです。ラストワンマイル(といいつつ100マイルくらいですが)は、本土からのフェリー約3時間の旅です。
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この海士町、面積33.5㎢、世帯数1,100世帯、人口2,451人(2007年8月末)といういわゆる離島にありがちな人口動態を見せる、少子高齢化の町です。しかし海士町は、大きな地理的ハンディを抱えつつもなぜかIターンが多いことで有名なのです。今回はそこを探りに行ったわけではないけど、ヒアリングの機会をいただいて見えてきたことがあるので、少し記録しておきます。

海士町の風景。海が近いところが、さすが「島」。
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島!!
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一方でこんな田園風景があるのが意外。
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それではまず、海士町に関するデータをいくつか。

fig.1 島根県平均・県庁所在地の松江市・海士町の年齢構成比較(2010)
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fig.2 海士町の人口推移(〜2005)
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fig.3 海士町の年齢別人口(2005)
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fig.4 海士町の人口動態の変化
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fig.3をみると、20代前半がポコンと少ないのが分かりますでしょうか。これは、島に大学がないため高校や大学への進学のために子どもが島を出るものの、島内に就職口がないためにそのまま帰ってこられなくなるからなんだそうです。その結果、島内の小中学生にとっては身近なロールモデルが不在という状況となり、自分の将来のビジョンを描けなくなっていたとのこと。生産年齢人口減少は税収減に繋がるので好ましい状況ではありませんが、さらに若年層が欠落していることでその下の世代が将来ビジョンを描くことができず、島で暮らす将来を描くことができず、島外への人口流出が加速し・・・という流れになるそうで。そこで、このあたりの世代を外部の人材で補うことにしたんだそうです。

同時に、この町の再建のためには地域の人の意識変革が必要だと判断した町の役場の人たちは、外部の人との交流でそれをもたらそうとしました。しかし東京から海士町に来るには、交通費としてかなりの金額がかかるため、20代若者が訪れるには負担が大きすぎる。そこで考えたのがAMAワゴンという、交流プログラムです。2006年から、これで大量かつ継続的に若者を島につれてこれるようになりました。そして、島に若者の姿が見えるようになったことで、子どもが島の良さを見直し、自分の将来について前向きに考えるようになり、そして子どもが島のよさを見直したことで、親も見直すようになったんだそうです。

公務員という立場でこういった企画を実現するのは相当ご苦労が多かったようですし、ずいぶん批判もされたようですが、数年たって効果が見えるようになってからは周りの理解が進んだそう。今回お話をうかがって、私はこの企画がこの町の大きなターニングポイントだと感じましたので、素晴らしいご英断だったと思いますし、実施に携わった多くの方の行動に敬意を感じます。実は、個人的には、これまでなぜ若者を地域に大量に連れて行くのか、はたしてその活動が短期的な観光収入以外のどこに貢献するのかということを疑問に思っていました。外部の人が短期間だけ地域を訪れて騒ぎ、地域コミュニティをかき回して帰っていくという現象を見て、何が目的なのかどういう効果があるのかいまいち納得できていなかったのですが、今回のお話を伺って腑に落ちました。また、問題構造と解決のメカニズムが理解できたことで、自分のフィールドで再現することも可能だと思います。意義深いヒアリングでした。

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ちなみに、海士町にとっては1999年が大きな節目となっています。第三次海士町総合振興計画、通称「キンニャモニャの変」では、平成の大合併の時代に合併を拒否した町として、町職員が生き残りをかけて「自らが汗を流して、わが町の自慢になる顔を作ろう」と目標を掲げたそうです。某課長は財政を見ていたこともあるのでしょう、「夕張市(破綻)への道が見えていた。自分たちが変わる以外に道が無い、というところまで追い詰められた」という当時の危機感を語ってくださいました。しかし自分の身を削らない改革を行政が一方的に押し付けても町民に支持されないだろうということで、三役・議員・教育委員・職員が給料カットを受け入れ、改革のための資金を捻出したそうです。これもまたすごい判断ですが、確かに、自分は安全なところにいる人にお前は変われって言われたところで、耳を傾ける気にならないよねえ。海士町ではその結果、「役場の職員がそこまでやっているのに自分たちは何もしなくていいのかと住民が思うようになった」そうです。

その意識変革をベースとして、いくつか産業を興して育てています。環境が環境なので、第一次産業に注力せざるを得ないということで、島外で販売し外貨を稼ぐための新しい産業を次々に打ち出しています。

海士町の外貨獲得戦略@ 牡蠣の養殖
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海士町の外貨獲得戦略A 隠岐牛
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そのほかにも、特殊なCAS冷凍技術で輸送するイカ、天然塩の製造、ナマコ養殖などの産業を見学させていただきました。


それから、今回の海士町訪問では、昔KBSの地域起業家養成講座を受講してくれていたOBとか、ちょうど同時期に視察に来ていたいろどりの横石さん社員さんたちと再開する機会となり、非常に嬉しかったです。一晩など、ご自宅にお招きいただき、とれたての海の幸満載のごはんをいただきました。都会にいるとあまり誰かのお宅にお邪魔することってないので、とても新鮮で、とても楽しかったです!

「さっき釣ってきました」というイカとサザエ。うまー!
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ふくぎ茶のパンナコッタという名作が生み出されたのも目撃しました。
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教育って、伝達する知識情報だけでなく、こういった繋がりを生み出す効果もとても大きいと思います。こうやって人のつながりが生まれ、続いていくのって大変ありがたいこと。改めて自分は幸せな仕事をさせていただいてるなあと感じます。


ここにも海士町レポートが。
地域再生の現場から: 海士町の新たな挑戦 〜「最後尾から最先端へ」〜




posted by Kokubo at 14:02| 神奈川 | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育と研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする