実務家のお悩みを伺っていると、少し理論を知るだけで効果的な施策になるなと感じるところが多いですし、実際自分もビジネススクールに入学したときに「これを知ってたら仕事が楽だったのに」と思うことがたくさんありました。とはいえビジネスパーソンが研究書や論文を仕事の傍らで読むというのはあんまり現実的ではないかなと。
特に女性活用、多様な職場のマネジメントという文脈でも、企業側のお話を聞いていると従業員のかたのためにいろいろと考えていることが分かるのですが、当の従業員は実感していない、下手すると期待と逆の効果が出てしまう、というのを見たり聞いたり。そういう誰も幸せにならないすれ違いをもう少し減らせたらと思っていまして、実務家と研究者の交流の場をつくることで、企業の実践を研究者がサポートし、研究者は研究をさせてもらうという関係性を作れないか、と思って立ち上げました。ゲストによる話題提供も実施しますが、それで終わるのではなく、各企業さんが抱えている個別具体的な悩みに対するソリューションを見つける場になればと考えていますし、協働プロジェクトが生まれたらなお嬉しいです。
“職場と人材”研究会
企業と個人のよりよい関係を実現する職場や組織のあり方について、具体的な経営課題を抱える実務家(人事部・経営層を想定)と、最新の研究知見を持つ研究者が交流し、チームとして協働することで解決の糸口を見つけることを目的としています。会の前半はゲストスピーカーによる話題提供、後半は国保のファシリテーションによるディスカッションで進めてゆきます。2020年はライフイベントを踏まえた女性管理職の育成をテーマに開催します。
で、第1回は、現場で耳にすることが多い「制度を作ったけれど効果がでない問題」を取り上げます。
”職場と人材”研究会 第1回
日時:2020年1月24日(金)13:00-15:00
場所:慶應丸の内シティキャンパス(東京都千代田区丸の内2- 5-2 三菱ビル10階)
申し込み:https://kokulabo-research-1.peatix.com/
テーマ:「働き方の人事管理とその効果」
人事管理制度が、どのような従業員の働き方に繋がるのかについて、研究知見を解説いただきます。育児・介護・自身の治療等のケア責任を担いながら働くには、働き方改革や人事・評価制度を整えることが必須ですが、せっかく作った制度が活用されないのはなぜか?どういった制度が好ましい行動を引き出すのか?等、現場の悩みと最新の研究成果についてディスカッションします。
ゲストスピーカーは余合淳先生(名古屋市立大学准教授)。専門分野は人的資源管理論、組織行動論の経営学者です。以下の「日本の人事システム」という本の第5章「働き方改革の現状と未来 ー人材の多様化に着目してー」を担当されています。某研究会でお話を伺う機会があり、これは実務のかたが興味を持ちそうだと思って企画しました。
日本の人事システム -その伝統と革新-