まず、チームラボアイランドの「学ぶ!未来の遊園地」というイベントに行ってみました。「最新のデジタルテクノロジーを使い、子どもたちが同じ空間で、自由に体を動かし、互いに影響を与えながら、共同的で創造的でアートな体験を楽しむ」というもので、デジタルテクノロジーは1歳3ヶ月のムスメにはまだ早いだろうと思いつつも、どういう反応を見せるのかなーという興味で連れて行ってみました。
カラフルで楽しい
結論として、まだそれほど楽しまなかったです。最初は非日常空間とたくさんのコドモにテンション上がってましたが、コンテンツ自体はふーんて対応。ケンケンパや絵を描くことができないからまあ仕方ないのですが、興味を持たない本質的な理由は何かな?と観察してみたところ、原因はインタラクティブ・コミュニケーションじゃないからではないかと感じました。
趣旨が趣旨なので、デジタルテクノロジーとはいえかなりインタラクティブなつくりになってはいるんですが(例:ケンケンパで自分の踏んだところから映像が変わる)、反応が返るまでの微妙なタイムラグや手触り感のなさが、ムスメにしてみればそれが「自分の行為に対する反応」なんだということが分からないようで、それが興味を持たない理由である印象でした。もう少し大きくなってバーチャルという概念を理解すればバーチャルとリアルの融合に興味を持つし楽しむのだろうけど、1歳児はまだまだリアルの世界すら理解しきれていないもんね。バーチャルを楽しむにはリアルを理解していることが前提なんだなというのが実感できました。
そこで、次はリアルな世界を体験させようとこども向け動物園に行ってみました。園内でエサを買って羊さんにあげさせてみたところ、すんごく楽しそう!夢中になりすぎて、終始おくちパカー状態でした。自分があげたニンジンに羊さんが反応するというのが、ムスメ的にとても興奮するみたいです
羊さんにつられて自分も口が開いてしまうムスメ
この2つの事例を比較して感じたこと。
自分の行為に反応が返ってくるという経験は、Bandura(1977)が、提唱した自己効力感(self-efficacy, ある結果を生み出すために必要な行動をうまく行うことが出来るという確信)につながります。自分の働きかけに周りが反応するということを学習すれば自然に働きかけをするようになるし、反応しないと学習すれば働きかけをしなくなります。ちなみに後者は学習性無力感といってウツ病の症状でもあります。「こどもに自己効力感を持たせる」というのは私のコソダテにおける目的関数の1つなのですが、だから小さいときはテレビよりも反応が返ってくるコミュニケーション、具体的には人や動物とのふれあいが意味あるんだなーと腑に落ちました。
ムスメの存在は、人の学習プロセスを理解するうえで非常に参考になっています。ありがとねー。