2014年11月10日

【もしベビ】育休プチMBAの効用

前のエントリ―で書いた育休を活用したMBA体験勉強会(育休プチMBA)を実施してみて気づいたことを少しまとめておきます。

ワーママ当事者として実感したことの1番は、コドモへの愛情と仕事への愛情は、全然カニバらない!! 一回仕事の楽しさを知っている身としては、コソダテが楽しいからといって仕事への愛情は薄れない。ただ投下時間は強烈にカニバリゼーションを起こすので、残業をはじめとする労働時間に対する制約は強く受けてしまいます。でも「残業ができない」ということは、「短い時間しか労働したくない」という意味ではなく、「18時〜21時というコソダテラッシュアワーに家に居たい」という意味なんだというのは、自分が当事者になって初めてわかったことでした。なのでこれ以外の時間、つまりコドモが寝たあとの時間や早朝を仕事に充てることでカバーできます。実際、私は夕方は18時に帰ってコドモと一緒に21時には就寝しますが、朝は4時半に起きて7時まで仕事をしています。出産前は22時ごろまでふつうに仕事をしていたのでその夜の4時間分を朝の2時間半にシフトして、時間当たりの生産性をあげることでトータルのアウトプットをなんとか保っています。ですが、こういう柔軟な働き方を認めてもらえない場合は、単純に労働時間の短縮になるので産前と同じだけのアウトプットを保つことは大変だろうなと思います。こういう労働時間の調整をはじめコソダテと仕事を両立するためには乗り越えなくてはいけない課題が多いため、仕事へのモチベーションは変わらなくとも、この課題の山にくじけてしまって退職を選ばざるを得ない女性が多いというのは「育休世代のジレンマ(中野,2014) 」でも証明されていました。曰く、両立の阻害要因としてもっとも大きいのは「職場環境要因」であり、その現実に直面した女性が自分の仕事への意識を下方修正することで適応している、とのこと。しかし、これは逆に言えば企業側が環境を整備することでこういった女性のモチベーション低下を回避することができるわけです。同時に、女性当事者も両立ノウハウを共有できて精神的に支えあえるネットワークがあれば、課題克服スキルがあがるので結果としての就業継続性に直結すると思います。つまり、「うちの会社の女性は意識が低い」は、経営者次第で回避可能な問題だということです。

そして勉強会の参加者の皆さんを見ていることで、この私の仮説は確信に変わりました。両手はコドモの世話をしつつも脳みそと耳と口でディスカッションに参加するというのは、学習やスキルアップへのモチベーションが高い証拠です。(ちなみに男性だとこういう並行作業って難しいんじゃないかなと思うのですが、マルチプロセッサー脳の女性はこれでも十分に学習効果が上がるということがわかりました)。彼女たちは制約を抱えた身になるという自覚があるからこそ、自分の人材としての価値をあげて経営に資する存在にならなくてはいけないという危機感もありますし、何より経営者目線での意思決定トレーニングを楽しんでいます。そういう姿を見て、経営者にとってこんなに貴重な経営資源はないんじゃないの?と思うんですよ。

正直なところ、私も自分が出産するまではコソダテ女性を経営資源として見ていませんでした。経営学を教えているので、周りは男性が多いし、企業の管理職研修・リーダーシップ研修の受講生も9割は男性です。だから女性は経営や管理職に興味がないのだろうな、仕事に対する意識が低いんだろうなとずっと思っていまして、なので今回ママ友に「マネジメントの勉強がしたいから育休女性を集めた勉強会をやらないか」と声をかけられたときも、「いつも男性相手にやっているコンテンツを女性相手に提供したらどんなディスカッションになるんだろう?」という単純な好奇心が先に立ち、彼女たちがどれほど経営に資する存在なのかという点はあまり考えていませんでした。実際、勉強会の最初の方はプレイヤー目線が強すぎて、客観的に状況を眺めて経営者視点で判断するということは出来ていませんでした。しかし回を重ねるごとにその成長は著しく、時短者の扱いを経営合理性から判断するということもできるようになってきました。それを見て、これは宝の山を掘り当てたなあというのが今の気持ちです。

コソダテ女性が持つ制約の条件を企業側が正確に理解できていないために環境整備ができていない、女性側も責任感が強いがゆえに両立できるかどうか確信が持てない状況で仕事を引き受けることには積極的になれないという課題はあります。ですが、そのミスコミュニケーションさえ正せば、お互いWIN-WINの状況に持っていくことは難しくないと感じていますし、育休期間を使って経営者思考のトレーニングをすることがその第一歩になると感じています。

女性は、育休期間を学習機会に。
企業は、制約を克服するための環境整備を。


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posted by Kokubo at 06:32| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | もしベビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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