
東京大学の伊藤謝恩ホール、きれいですねー。
私は社会人教育・企業内教育としてのトレーニングを受けた後に学部教育に移行したパターンなので、大学教育と企業内人材育成の連携や融合には興味があります。なので今回特に興味があったのは、京大・溝上先生の主に「大学生の学び、キャリア」のセッション。でも実際に聞いてみたところ、文科省・松尾さんの留学のお話や、日産・奈良崎さんのグローバル人事の話も非常に面白かったのでこちらも紹介します。
1)大学生の学びの状況
溝上先生曰く、以下の3つの力や態度が弱い学生は成長しない確率が高いことが、またこれら3つの力が社会に出た後の職場での働き方に強く関連していることが調査で明らかになったとのこと。
@主体的に学ぶ力(教室外学習、主体的に課題に取り組む態度など)
A豊かな対人関係や活動性
B高い将来の意識を持つ
ちなみに少し補足しますと、
@に関しては日本の大学生の7割は一週間の授業外学習時間が5時間以下だそうで(0時間も多い)、アメリカだと「今は減ったと嘆かれていて12時間」なんだとか・・・。私の静県大での2年生向け選択科目「組織行動論」をとった人は予習必須なので、3時間程度の授業外学習時間の世界を知っていますね。また非常勤で教えている慶応SFCの学生はグループワークが必要な授業も多く、授業外学習時間がけっこう高いのではないかと察します。
Aは、@とBを補強する因子で、つまりAだけでも駄目だけど、Aがないと@とBが実現できないということになります。そもそも対人関係に問題あると仕事になりませんし。
Bに関連して面白かったのは、15年間京大生を見ている溝上先生の感覚として、頭の中で将来の見通しを考えている学生の比率は昔も今もあまり変化を感じないが、そのために日常で何か努力をしている比率は大きく異なるように感じる、とのこと。頭で考えてるけど行動レベルに落とす人が減ったということですね。
なお今は京大生も就活に苦戦しているそうで、第一希望に内定するのは約半数で、1/3は途中で就活をやめている(進学とかにシフトする)というデータも拝見。今の就活状況のシビアさがよく分かりますよね。そして上の世代の俺はこうやったぜアドバイスも役に立たない。そもそも競争環境が違うわけです。今の大学生は大変だなーと思います。
※調査データはこちらで公表されています。
京都大学/電通育英会共同 大学生のキャリア意識調査
2)大学生の留学状況
文科省・松尾さんによりますと、OECDのデータ上は世界的には留学生の総数は増えている一方で、日本人の海外留学の人数はピーク時の約30%減だそうです。ただこれは18歳人口が減少しているのだから当たり前の話で、学生数における留学経験者数という比率はあまり変わらないようです。じゃあなぜ「今の若者は内向き」と言われるかというと、アジアや発展途上国を留学先に選ぶ人が増える一方で一昔前の主要留学先であったアメリカへの留学が大きく減っているため減少部分が目立つこと、中国やインド、韓国等の留学生が激増しているから相対的に少なく感じること、を挙げられていました。これまでなんとなく不思議だったことがデータで説明されてとてもスッキリ。
3)グローバル経営の状況
日産・奈良崎さんのグローバル企業の人事が今どうなっているのか、という話。日産自動車は日本市場での販売台数が全体の13.2%なんだそうで、経営や人事のグローバル化は必須。Non-Japaneseの比率はトップマネジメントレベルで55%、本社執行役員以上で24%、現地法人の社長ポストは70%以上(ただしNon-Japaneseイコール現地国籍ではないとのこと)だそうで、当然ながら会議は英語です。人事システムはグローバルで共通で、採用戦略の1つは欧米の名門ビジネススクールで留学生を採って、その故郷ではない国に赴任させるという方法。こういう話を聞くと、グローバル化とは何かという議論自体が陳腐化して見えます。で、これがすごく面白かったんですが、奈良崎さん曰く「日産は日本企業をやめるつもりはない。日本企業だから売れているということをグローバル経営陣も理解している。」「しかし日本国籍であることが採用や昇進においてアドバンテージになるわけではない」そうなんですよ。これ、矛盾しているようですごく納得する。
この奈良崎さんの話、基調講演の安西先生の「グローバル化とは、隣に知らない人がいるという状況」、先日行ったデュッセルドルフでお会いした日本人赴任者(メーカー&外資コンサル)、これらの情報を全部ふまえて、グローバル人材とは、
「世界のどこででも、同じように成果が出せる人」
なんだなあ、と思った次第です。つまりプロジェクトだろうがなんだろうが、文化や人種という文脈を乗り越えて結果を出せる人です。まず自国・自文化・自国語の環境ではできて当たり前。さらに環境変数が変わっても、ちゃんと同じように成果が出せる人っていうのが「グローバル人材」ではないかと。これから大学を卒業する人たちは、そういう世の中で働くんですね。なお奈良崎さんは、ダイバーシティの高いチームはuncomfortableですよ、だから学生のうちにuncomfortableな状況に慣れておいたほうがいいですよ、と言っておりました。
4)大学生のインターン
大学生のインターンについても興味深い話を聞けたんですが、これは後日ちゃんとまとめたいので、今日は割愛します。ご興味ある人はこちらの厚生労働省の報告書をどうぞ。
「インターンシップ推進のための調査研究委員会報告書」の取りまとめ

Learningful Lunchもこんな素敵な環境です。
大変得るものの多いフォーラムでした。研究へのモチベーションもあがった!
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