2013年01月31日

書籍サマリー「ワークシフト」

facebookの方に書いたらいっぱいコメントとシェアをしていただいたので、こちらにも載せておきます。ロンドン・ビジネススクール経営組織論の教授が書いた「ワークシフト」が面白かったので、ざっくりサマリーを書きました。

【サマリー】
多数のヒアリングをもとに2025年に訪れるであろう「働き方」を想定し、その中で生き残っていくためにはどうすべきかを論じた本。今世の中で起こっている変化の先には、毎日時間に追われ、人間関係が希薄になり、貧困層が広がる未来が広がっている。しかし、ただ漫然と過ごすのではなく、主体的に選択して未来を築くことでその貧困と孤独から逃れることができるが、そのためには、これまでの常識の延長ではなく、働き方に関する3つの意識改革(シフト)を行う必要がある。

シフトその1.
ゼネラリストであることを止め、「連続」スペシャリストへシフトする。ITの進化等で、ゼネラリストレベルのスキルはほとんど誰でもできるスキルになりつつあるので、より価値を生み・希少性が高く・模倣しにくいスキルに特化すべし。また専門性は1つではなく、深い1つをベースに複数持つことで独自性を築くことができる。

シフトその2.
孤独な競争から、「協力して起こす」イノベーションへシフトする。イノベーションは複雑化しており、もはや1人でなんとかできる知識レベルではないので、周りの力をうまく借りるスキルが必要となってくる。そのためには、次の必要な3つの人的ネットワークが必要である:小人数のとても頼りになる同志「ポッセ」、アイデアの源となる大勢の知り合い「ビッグアイデア・クラウド」、心の支えと安らぎをもたらす絆「自己再生のコミュニティ」。

シフトその3.
大量消費から、情熱を傾けられる経験に重きを置く価値観へシフトする。伝統的なキャリアと仕事の形態が崩れて行く中で、個人の選択肢は広がっていく。しかし選択肢の増加はプラス面だけではなく、受け身でいると悪い方に状況は転がっていく。選択肢が増えることによる恩恵を受けるためには、主体的に選択することが大事、とくにその選択によって何を得られて何を諦めることになるのかまでを見越して選択することが大事。

【感想】
まとめてみると、2013年1月に放送されたNHK「ニッポンのジレンマ」の議論とも共通するところが多いなあと思いました。2025年(12年後)と言えば、今年卒業する学生が34歳という働き盛りになっている頃であり、私にとってはとても現実味がある未来です。本の中にはこうなるであろうという未来の事例が(1990年の世界と対比して)いくつか載っているのですが、確かにこうなるだろうなーと思えるものが多くありました。特に「漫然と迎える未来」は、既にもうその兆しが見えている気がします。ある程度の世代より上の人にとっては「贅沢」に見える取捨選択が、若い世代にとっては生存のための戦略なんですよ。


ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 [ハードカバー] / リンダ・グラットン (著); 池村 千秋 (翻訳); プレジデント社 (刊)




posted by Kokubo at 10:20| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育と研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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