2007年01月15日

MBA嫌いだった私が、MBAを取り、さらに博士課程にまで進んでしまった理由。

昔、新卒で就職した会社にはMBAホルダーがごろごろといました。彼らはMBA用語を共通言語とし、出身校同士であっというまにうち解け、フットボールネタで盛り上がり、すぐに理論と数字を持ち出して説明しようとしました。しかし下っ端としてトラブルプロジェクトに放り込まれていた私にとっては、目の前でお客さんが怒っているのに理屈ばかりごねてくるやつらは鬱陶しい以外の何者でもなかった。理論はいいからとりあえず謝ってこいよ、現場で身体を動かしてなんぼだろう、と何度思ったことか。そういう経験があるので、ロジックやセオリーやフレームワークやらを振りかざすMBAくんや、頭でっかち研究者くんには拒否反応が出る、というのはよく分かる。特に現場に居る人ほどそういう気持ちは強いでしょうね。

そんな私がなぜMBAをとり、しかも博士課程にいるのか。

もともとはすごい感情的で右脳人間のわたくし。目の前にいる人の感情に引っ張られ、大局観を失うなんてことはしょっちょうでした。感覚的に行動するから、端から見たら意味不明だったり一貫性がなかったりする。そういう自分が嫌いではないけど、ある日、「これでは私の言いたいことに耳を傾けてくれる人が限られる」ということに気付きました。自分の目的を達成するためには他人を説得しなくてはいけない、そのためには他人との共通言語を習得せねば、というところまで自分で考えたことで、初めてロジックやデータの重要性を理解できました。(遅いよ>自分。)んで、手っ取り早くロジカルになるにはそういう人が多いところに行こうと思って、ビジネススクールに入ったわけです。それがMBAの理由。

当時の私の周りの人には、こんな奴が居て大変ご迷惑をおかけしたと思います。ファクトだせっていってるのに感情論とかね、もうほんと申し訳ない。でもさすがに2年間そういう環境に浸かると、ちょっとはロジカルな考え方ができるようになった。そうすると次に気付いたのは、私がずっと興味を寄せているボランティアとか非営利組織の世界ではビジネスの世界の人に分かるロジックで説明がなされておらず、それ故に大きな溝が存在してしまっていること。ボランティアもビジネスも経験した上で、両者はお互いに学ぶことがたくさんあると感じていた私はこれを大変残念だと思い、ならば私がブリッジングをやろうかな〜と思ってしまったわけです。で、ブリッジングをやるならば客観性が必須であり、そして批判されたほうが客観性は鍛えられるであろうと判断したわたくしは、拝金主義が渦巻くビジネススクールで“世の中はお金だけではない“ということを研究するという暴挙にでてしまったと。それが博士課程に進んだ理由。

博士課程に進んで最初の2年は、基礎文献を散々読まされました。現場大好きなのに、研究室に籠もらざるを得ないというこの辛さ。何に役立つか分からない古くさい理論ばっかりだし、その間に世の中に取り残されたらどうしよう、と思ってました。が、2年経った今自分がものごとを多面的にかつ本質を見られるようになっていることに気付く。ものごとの本質は簡単に変わらないから、数十年前の理論からでも学ぶことはできる。本質を見抜く目は、現場に出なくとも読書で身につけることができる。考え方のトレーニングは、座学だったからこそ出来たというのは大きいと思う。現場だとアンコントローラブル要因が多すぎるので。そもそも我が校の博士課程の初期に座学が強要されるのは、もともとアカデミック志望ではなく(つまり読書量が足らないのが前提)社会人経験がある(現場は既に知っている)学生が入ってくると想定されているからです。そして総合試験でクオリティチェック→どこに行ってもいいよ、となるわけです。ソーシャルという熱くなりやすい対象を扱っているからこそ、多面的に判断し本質を見ることを心がけねばまずいかなと。それがKBSを選んだ理由。

振り返ると何だかわざわざ茨の道を選んで歩いている気がします。実際、あんまり追い風になったことがなくて、いつも戦ってるぞ。でもあんまり、分かってくれる人だけ分かってくれればいいやとは思わなくて(それだとブリッジングじゃないよね)、どちらかというと今まで全然理解してくれなかった人が認めてくれるようになるのが楽しい。そしてそれは自分が成長した結果に他ならないと思う。なので、私はMBAや博士課程のタイトルそのものには興味がないけど、プロセスにはとても価値を見出しています。

もともとロジカルな人がロジカルに説明すれば楽なんだろうけど、私はそうじゃないから、環境で追い込んでいってるんです。そら時間かかるわな。ていうか、かなりアホかもしんない。

まあでも、そういうわけで「理屈くさい」というのは私にとっては褒め言葉です。








posted by Kokubo at 00:57| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常と思考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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