2006年12月25日

お金に関する一考察

私は自分のお金に関してはドンブリな上、金遣いも荒いほうなのですが、公的なお金になるとかなり細かい。例えば文房具一つを買うときにでも、自分のお金で買うときは平気でコンビニ(高い)で買ったりするくせに、経費で落とすやつだと百円ショップ(探すのが面倒)にわざわざ行ったりする。

売上−コスト=利益、という感覚は、営利企業にいるときに身体にしみつきました。というのも、私はコンサルという仕事をやっていたので、明確に「会社にとっての売上(自分が客にチャージしている金額)」と「会社が払っているコスト(私の給料)」を把握していて、その差額(利益)が自分の存在意義であるという認識があったんですね。プロジェクトに入っていない(売上ゼロ)のときはコストだけが発生するので、存在意義はマイナス即ち市場価値が無いという焦りに繋がります。なので、逆にプライベートではそういうプレッシャーから開放されたくて、「どうせ自分の稼いだお金なんだから、買いたい物を好きに買わせろ」という態度なわけです。

この感覚を持った私が、学生かつ夫の扶養家族となるとどうなるか。

教育費は長期投資だから純粋にはコストでは無いのだけれど、単月で見ると私はコストばかりかかっている=存在意義マイナスなわけです。売上ゼロである以上、コストの最小化は至上命題であり、結果的に自分のお小遣いに関してはとてもケチになりました(我が家の場合、各人の可処分所得と生活費は財布が完全に別)。そもそも私は学費を夫からの借入で賄っている、借金生活者なので、自然と収支にセンシティブになる。仕事は常に収入と経費を計算し、戦略的に意味があるor収入がいい仕事を選ぶようになります。だいたい夫だっていつ仕事失うか分からないしね(これは夫婦そろって外資系出身だからこその感覚かも)。

今は、仕事もできなくはないのだけど、勉強をやらないと学位が危うくなり元も子もない。私にとって学位は飯のタネですから、少しでも早くPh.D.取って教職ついて稼ぐようになりたいので、あまり仕事ばかりしていられない。ましてやボランティアなんて。サラリーマン生活をしているときは仕事以外の時間=趣味の時間だったけど、今は時間=勉強のための時間+収入を得るための時間+家族の時間なので。だから仕事は学費を稼げるくらいの量に留めて、あとは勉強と家族に充てるようにしてます。

自分はけちくさいなあと切なく思うこともあります。でも非営利組織を研究対象として扱っている上で、こういうお金の感覚を持っているということはプラスであるとも思う。具体的にいうと、「無償であることの意味」と「有償であることの意味」をすごく突き詰めて考えるからです。

私には、非営利組織でもお金を取ることは悪くない、という基本的な信念がありまして。自分のアウトプットに対する対価を貰うことは自然なことではないでしょうか。その価格以上の価値を与えることが重要なのであって、価格を付けることが間違っているのではない。むしろ、タダにしてしまうことで次への投資ができなかったり、成長を阻害する「これくらいでいっか」的な甘えが出ることのほうが怖いです。胸を張ってお金を請求する、但し安かったと思って貰えるくらいの仕事をする、というところを目指したい。

報酬って、その仕事に対するリスペクトだと思うんですよ。だから私はリスペクトに値する仕事をするし、一方でリスペクトに値する仕事をしてもらったら報酬を払うのは当然だと思う。タダにしちゃうとこの健全な緊張感が保てないのではないかと思うのです。

最近つくった「株式会社いろどり」のケースにしても、KBSに登録せずに無償で流通させたらどうか、という声があったんですよね。でも私はそれは嫌だった。もちろん広く流通するために安価(最初は1,500円くらいだった)におさえる努力はしましたが、タダは嫌だった。だってこれリスペクトに値する仕事だと思うもん。私も努力したけど、それ以上に関係者の方々のご尽力あってのケースです。そのご尽力は740円以上の価値があると思うし、逆に言えば740円ぽっち払う気の無い人にはシェアしなくてよいとも思う。欲しいけど支払い能力がないという人に対しては交渉に応じますが、あるのに払おうとしないというのは、ああその程度の価値しか見出してないのねって思います。でもそれはそれで、もしかすると本当に価値がないのかもしれないという仮説になり、自分の仕事を見直すきっかけになります。

報酬がフィードバックとなるからこそ、仕事の質を上げていくことができると思うんですね。でも最初からタダだったら、このフィードバックすら受けられず、仕事の質を上げる機会も失っているのではないかな。それはとてももったいないことではないでしょうか。

【有償】 相手から受けた利益に対して、つぐない報いること。代価を支払うこと。(「大辞林 第二版」より)


posted by Kokubo at 12:49| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ソーシャルとビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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