2012年09月10日

「髪型を変えるプロジェクト」に学ぶ、ものつくりプロジェクトの進め方

プロジェクトの成功のためには、ゴールを明確にイメージできること、かつそのイメージを正確に関係者と共有することが大事だと思っていますが、それが出来ずに使われないシステムや誰も買わない商品が出来上がってしまうのを何度かみています。みんな、「なんとなく違うなー」って思ってはいるんだけど、遠慮してそれを口にしなかったり、自分以外の誰かがなんとかしてくれるだろうと思ってたりするんですよね。

先日、だからゴールイメージはしつこいくらいに擦り合わせたほうがいいんだよーという話を学生としていまして、そのときに「美容院で髪を切ってもらうとき、『かわいい感じにしてください』ってオーダーしても仕上がりかわいくなかったりするでしょ?それって貴方の考えるかわいいの概念と、美容師さんの考えるかわいいの概念をすりあわせないから起こるんだよ」という例え話をしてました。

で、そのときにふと、「あ、私って、プロジェクトだとゴールの擦り合わせはやるけど、美容院ではやらないなー。いつも担当の美容師さんにお任せしてるなー」ということに気づきまして。人に言う以上は自分もやってみようと思いまして、この週末に美容院にでかける際に、これを「髪型を変えるプロジェクト」だととらえてやってみようと思いました。

このプロジェクトのゴールは、髪を切られる人(私)が「素敵な」髪型になること(注:素材の善し悪しは突っ込まないでください笑)。ここのポイントは、美容師さんが考える「素敵な」ではなく、私が考える「素敵な」であるところです。でも私はプロである美容師さんの「ここをこうするともっと似会いますよ」的なアドバイスは欲しいし、そういう支援を得てさらなる「素敵な」を目指したいです。また前提条件は、美容師さん(専門家)と私(素人)の間には知識の差があること。例えば、私は「アッシュ系」とか言われてもわかりませんし、アッシュ系にするためにどういう薬品を使えばいいのかとかは知りません。

では、スタート。

1)まず前日に、ゴールイメージを共有するためのたたき台となる資料を探して、ネットサーフィン。希望ど真ん中は見つかりませんでしたが、議論のたたき台としての材料だと割り切って考え、比較的希望に近いものを3枚ほど用意。

2)用意した写真を、iphoneを使って美容師さんに見せる。その際に、これが希望100%だというわけではないこと、でもこの写真はこの部分、この写真はこの部分が好きだということを伝えながら、まずは私が目指すものをわかってもらう。例えば、「襟足は形としては写真AよりBが好きですが、長さとしてはCがベスト」という感じで、曖昧な要素は限りなく排除して私のイメージを具体的に伝えます。

3)私が目指すものをだいたい分かってもらったうえで、双方向のディスカッション。ずっと担当してくれている美容師さんなので、「国保さんの好みとしてBが好きなのはわかるけど、髪質的にちょっと難しいので、Aのもう少しハネが少ない感じにしたら近くなると思うけどどう?」という提案をしてくれます。そして私はその提案を受け入れられるかどうか、受け入れられないなら代替案を伝える、って感じです。こういうコミュニケーションのプロセスを通じて、ゴールイメージの共有が進んでいきました。

4)意外と難しかったのが、ヘアカラー。雑誌やネットで見る色って、実際とはけっこう差があるんですよね。あと、こちらは知識が少ないので、例えば赤系の茶色と緑系の茶色の違いがイメージできないのです。カラー剤メーカーのサンプルは小さすぎて、イメージづくりには役に立たない。それに雑誌で見るとほとんど全員が明るい髪色なので、こちらの基準値が狂ってしまうんですよね。そのため、最初希望としてみせていたのは、職場では浮いてしまうレベルの明るい色目だったのですが、それが私には分からないわけです。ただ、美容師さんは商品が使われる場面(つまり私の仕事内容)を知っているので、「この色だとちょっと明るすぎるんじゃないか」と止めてくれましたので助かりました。利用シーンを共有するのも大事だということですね。最終的には、美容院のスタッフさんを見ながら「Aさんみたいな色目が好きですが、明るさはBさん程度でいいかな、Cさんは明るすぎて職業的にムリ」「でもこの写真Cさんの色ですよ」「じゃあやめます」という、曖昧さを排除したコミュニケーションを通じて決定しました。

5)このとき難しいなーと思ったのは、専門家はこちらが伝えたことを字面通りに正確に理解してしまうので、こちらが適当な伝え方をすると、それがお客さんの希望なんだと理解して、ちょっと変だなと思いつつもその適当なイメージを再現してくれちゃうんですよね。なので自分の出している希望が本当に自分の希望なのかは確信を持てていないということは伝えておかないと、私の希望通りになったけど満足はできない、というめんどくさい事態を招きます。そのためにもこれはあくまでたたき台であり提案に対してオープンマインドですよ、ここは譲れないけどここはフレキシブルですよ、といったことまで伝えないといけません。

6)で、後はお任せ。ゴールを実現する最適な方法は美容師さんの方が知っていますから、やり方には口を出さずにお任せ。

7)カット終了!

その結果、私は「私がイメージする素敵さ」を手に入れました。(客観的にどうなのかは実際にお会いしたときにご判断いただければと思います。でもたとえ「?」と思っても心にしまっておいてください笑)普段が適当かつお任せなだけに、今回はちゃんとやりきった感もあります。何より美容師さんとの共同作業って感じで楽しかった!


つくづく、経営学って色んなところに応用きいて便利だなーと思います。



posted by Kokubo at 23:38| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常と思考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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