2011年12月11日

「茶の和ロール」開発秘話

3年生のゼミ活動は、プロジェクトを中心に進めています。目的はリーダーシップ教育なのですけれど、自分がリーダーとして1つのプロジェクトを責任持って動かし、同時に他のゼミ生のプロジェクトをメンバーとして手伝う、というスタイルです。というのも、うちのゼミは組織マネジメントが専門ですが、組織論は「知ってる」と「できる」が極めて遠い知識なので、実際に組織を動かしてみてその難しさを実感してこそ組織理論の価値がわかる、と私は考えているからです。

という理由で、いろんなプロジェクトが我が2221研究室から生み出されているわけですが、その中の1つに「静岡おみや開発プロジェクト」があります。静岡って、いいお土産がないんです。有名なのはうなぎパイだけど、あれは静岡(駿河)というより浜松(遠州)なので静岡の人間にとっては微妙だし、地元ではそこそこ有名な「こっこ」も県外じゃまったく知られてない。友人や仕事の打ち合わせ相手に持っていく手土産には、毎回本当に悩まされます。そこでI田ちゃんは、静岡に誇りを持ってもらえるような「静岡らしい」お土産を開発する、というプロジェクトを立ち上げました。しかも、同じ大学にある食品栄養科学部の学生も巻き込んで、学部間コラボレーションで。ちょうど静岡市の産学交流センターが地元の中小企業さん向けに「静岡おみや」という商品開発の支援事業をやっており、その事業にオブザーバー参加をさせてもらったことでプロジェクトの流れができ、静岡駅前で消費者へのアンケート調査を実施したり、他の競合お土産を分析したり、バイヤーさんにヒアリングに行ったり、それらの結果を持ち込んでフューチャーセンターで皆の意見を聞いたりという活動を行ってきまして、最終的に茶畑に見立てたロールケーキというコンセプトにたどり着きました。

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食品栄養科学部×経営情報学部の学生コラボレーションです。

まあ、ここまでは普通に学生ができることかなあという気もしますが、I田ちゃんの強運さはここから。ひょんなことで知り合った地元のお菓子メーカーA社の社長さんが、I田ちゃんの企画を気に入って下さり、協力を申し出てくれたのです。「静岡おみや」事業では、参画企業のテストマーケティングの場として静岡の産業フェアに出品するというプロセスが組み込まれていたのですが、この産業フェアにI田の商品も出品させていただけることとなり、その試食用商品をA社に作っていただくことになりました。しかもA社はすばらしいことに、「学生さんは現場を見たほうがいいから」と、製造工程に学生を参加させて下さったのです。これは本当にありがたい提案でした。私も現場経験を大事にする派なのですが、現場に素人が入ることは邪魔になることも多いので、こちらから言い出しにくいんです。しかしこのA社の社長さんは、お願いせずとも機会を学生に提供してくださいました。ありがたやー。自分が考えた企画が形になるのも貴重な経験だけど、さらに企画のから最後の製造工程まで一貫して体験出来るなんてなかなかないですよねえ。

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企業さんに企画を説明するI田ちゃん。

I田ちゃんは、毎回の打ち合わせでたたき台となる案を1つではなく何十個も持っていきます。社長さんにいただいた、この商品開発の先に目指すものは何か?というお題に対しても、たくさんのフレーズを考えてきました。この中で絞り込み、その結果、「静岡を誇りに思ってもらうための商品」「人と人のつながりを生み出すきっかけとなる商品」という根っこのコンセプトが生み出されました。I田ちゃんは周りを巻き込んでいくのが巧いなあと感じるけど、こうやって言われたことをちゃんとやる、提案も1,2個ではなく何十個単位で持ってくる、というあたりが周りに支持してもらえる理由のような気がします。もちろん自分の案だけでなく、他のゼミ生の力をうまく借りてこそではありますが、これだけ考えてきているからこそ、企業さんも本気になってくださると思うんですよね。ここまで自分でやっているならあと少し、こちらも力を貸しましょうか、と思っていただけるんだろうなあ。

で、企画に関する打ち合わせを経て、実際に商品の試作に。通常業務後の社員さんと厨房をお借りして(業務外業務ありがとうございます)、製作しました。

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この日の作業工程に「県大ロール」という記載が!!

掛川の緑茶を使ったロール生地にクリームとフィリングを巻き込む。私も時々お菓子を作りますけど、クリームを均質に塗ったり、ロールケーキを巻きこんだりって意外と難しいですよね・・・。

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プロのパティシェさんに教えてもらいながら。

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自分たちで作っている分、出来あがったときの気分は格別。

試食して、甘さやフィリングとのバランス、クリームの量なんかを検討しました。そこで量産用のレシピを決め、また別日の業務外時間の厨房をお借りして、学生4人で600人分の試食を用意。お疲れさまでした!

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チーム「茶の和ロール」

そして迎えた産業フェア。当日は、人目を引くために静岡の茶娘衣装で挑みました。女子大生4人が茶娘コスプレしている姿は目立つので、静岡おみやプロジェクトの宣伝をしたり、他の参加企業さんのところのヘルプに入ったりもして、これまでお世話になっている分の恩返しも意識しました。フェアの前々日に、静岡新聞に取り上げていただいたため、新聞を見て来たという方も少なくなく、試食が600人分では全く足りず、急遽1切れをさらにカットして2,000人ほどの試食を用意し、大勢の来場者にのまれたりしつつも、皆で頑張って466人分のアンケートを集めました。静県大の人もたくさん来てくれました。感謝ー。

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リーダーI田もブログで当日の模様をレポートしています。
茶の和ロール@産業フェアしずおか

さてさて、産業フェアはゴールではなくスタートです。まずはアンケートで得た消費者の声を集計し、反映しながら、商品企画をブラッシュアップさせていきますよー!

※「茶の和ロール」にご興味がある方は、お気軽にご連絡くださいませ。


posted by Kokubo at 14:57| 神奈川 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | しずおか日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『茶の和ロール』良い経験ですね。
秘話から皆さんの情熱が伝わってきます。
7月28日に新東名での販売が決定したことでまたステップアップの機会が近づいていますね。
『売る(買っていただく)』ことへの挑戦を是非、がんばってください。
販路開拓を期待しています。
Posted by 前島 at 2012年07月12日 16:18
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