2009年06月07日

杜の都で初心にかえる

週末は学会で仙台へ。
仙台は緑が綺麗な街ですね〜。けっこう忙しくて、すごく寝不足のまま仙台入りしましたが、周りの緑に癒された感じ。やっぱ自然はいいなあ。

さて、今回はたくさん研究発表を聞いて回りましたが、その中で面白いなーとおもった研究の1つが、ある八丁味噌産地の老舗メーカー2社の研究でした。

この2社は300年間来の競合関係なんだそうで、ドットコム企業出身の私にはいまいちその時間軸が実感としては分からないんですけど、物理的距離も近く(そりゃー八丁味噌は他に産地ないもんね)色んな確執があったということはよく分かる。しかし発表の中で、片方の企業の工場を背景にして、2社の社長がこの研究者を挟んで一緒に写真に納まっている写真がありました。これは、300年の歴史の中で、初めて片方の社長がもう一つの会社の工場に足を踏み入れた(足を踏み入れることを許されたとも言える)歴史的な日なんだそうです。なので、彼は社長達に「学会発表では絶対この写真を使え」と言われたらしいですよ。この研究者は5年ごしでこの研究をやっているそうなのですが、研究内容をみても、その社長とのエピソードを聞いても、現場にどっぷり浸かっていい信頼関係を築いているのだなあと感じました。やっぱそうじゃないと、いいデータはとれないよね〜。

私は、アカデミアや研究者の素晴らしいところは、ニュートラルさだと思っています。彼のように、競合関係にある2社を一緒に研究するなんて、アカデミアのニュートラルさを基盤にした信頼関係がなければ絶対ムリではないでしょうか。でも、その産地・業種においてリーディングカンパニーである2社を歩み寄らせたことで、その産地全体の競争力は上がるでしょう。だから全体的な視点で見て、彼の貢献は大きいなーと思います。対象に影響を与えるくらい近寄りすぎるのはいけない(それは研究ではない)という人たちもいますが、それはマクロデータや二次データを扱っている人の理屈で、企業とくに小組織を相手にする研究者は影響を与えられるくらいの関係にまずはならないと、研究そのものが難しいし意味あるデータがとりにくいのではないか、と私は思っています。私が社長の立場なら、やっぱり相手を見て情報出すと思うもんね。(人の考えはそれぞれなので、私のスタンスを理解しない人もたくさんいるだろうけど気にしなーい。)

とにかく、私はその八丁味噌メーカーの研究と、その研究者に、深い敬意を感じました。私も、ああいうニュートラルで、地味で、時間がかかって、でも現場の人や業界全体の役に立つ研究をやっていきたい。そして、ああやって現場の経営者と一緒に、いい笑顔で写真に納まることのできる研究者でありたいです。(その前に論文書けって話なんですが、とセルフ突っ込み)

派手なことは私じゃなくても誰かが手がけるでしょう。私がやりたいのは、世の中の流行に惑わされず、地味だけど価値ある活動をやっている人に、健全で妥当な評価軸をもって、光をあてることです。それは5年前にアカデミアの道を選んだときから、一ミリたりとも変わっていない。

ということを思いながら、東京に帰りました。なんか最近論文のリジェクトが続いてへこんでたけど、初心を思い出して改めて頑張ろうという気になりました。世の中には、まだまだ光を当てたい人や組織がいっぱいいるもんね!

NEC_0166.JPG 仙台だもん、寿司〜。






posted by Kokubo at 23:47| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 大学院と日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
階段ですれ違っただけで、
その後もご挨拶しようとお探ししていたのですが、
結局逢えぬままでございました……残念。

寿司、いいなぁ。
僕は牛タンだけでした。

書かねば、うん、書かねば。
僕の場合、特に、書ける環境に移ったわけなので、
ここで書かねばいつ書くのだ、ということなのですが、
怠惰な自分に支配されることの多い毎日です。
Posted by sscraper at 2009年06月23日 12:19
お寿司は、炙り金目鯛が激ウマでした。
仙台いいところですね。

論文、私も今自分を追い詰めてるところですが、
自分との戦い以外の何物でもないですね。ある
先輩に、博士号っていうのは「一定時間机に
座ることができました」という証明なのだと
言われたことありますが、確かにその通りだなー
と思います。(結局それが出来てないんです)

お互い頑張りましょうぅぅ!
Posted by こくぼ at 2009年06月25日 11:51
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