2009年06月03日

第4回COO向けマネジメント研究会・レポート

ソーシャルベンチャーCOO向けマネジメント研究会、第4回が無事終わりました。

今回の参加者は18人でした。前回はいろどりさんの知名度に助けられたイレギュラー事態と考えていますので、通常運転に戻ったという印象です。それにしても、基本的に口コミでしか告知していないにも関わらず、これだけ集まるというのは光栄なことですね(と、人に指摘されて気づきました)。ちなみに本研究会の特徴はリピーターが多いことで、今回も18人中16人がリピーターです。おーありがたい。でも、多様性は大事だし、閉鎖的な場にするつもりはないので、新しい方の参加は歓迎ですよー。予習してくれるなら、誰でも歓迎。あとは参加申し込みの早いもの順です。

さて、今回は、ワンマン社長(中村社長)の下で振り回されて苦悩している中間管理職(加藤氏)のケースでした。加藤氏目線で書いてあるので、さらっと読むと社長の理不尽さに怒りが湧く感じ。中村社長は外での評判はいいのだけど、中から見たら全然違うじゃん!ありえねー!と感じている加藤さん。ストレス溜まってます。

しかし、今回目指したのは、中村社長には社長なりの一貫性がある(それが共感できるかどうかは別にして)ということに気づいてもらうこと。下から見てるとすっごい理不尽に見える中村社長の言動だけど、社長目線で見てみると実は社長なりにまっとうな理由があるので、それを理解して、そのうえで何をすべきかを考えることが重要かなと。COO&中間管理職向け研究会だからこそ、ディスカッションの中で中村社長の目線も体験してもらい、CEOとCOOのよりよい関係を築くためのヒントを持ち帰って欲しかったのです。その効果のほどは、どうぞ参加者の皆さんの感想をお読みくださいませ。

そして最後のWrap-upでは、長期的に見てやるべきことを考えるのは大切だけど、同時にストレスフルな状況にいる加藤さんが明日バーンアウトしないために、ということでストレスモデルの話をしました。自分がこのケースを以前やったとき、やるべきことはわかるんだけど、でもこのままだったら加藤さんやばいよね、彼が明日メンタルを壊さないようにはどうすればいいの??と思ったので。ストレスの構造を知っていることで、(営利非営利問わず)少しは救われることもあると思うので、一回どこかで扱っておきたかったのです。

そのへんの伝えたかったことは、参加したマドレボニータの吉田さん竹林さんが見事に見抜いていてくれていて、ブログで書いていて下さってます。流石!
(参加者さんから何が見えているのかを知るのは、とっても勉強になります。)

なお、クラス・ディスカッションの前にはグループ・ディスカッションもやっていて、今回もKBSのMBAの学生さんにファシリテーションをお願いしたのですが、新しい角度の見方を提示してくれた、ととても好評でしたよ!

さて、追記にて受講生さんの感想を。


1.本日のテーマ「トップとの経営姿勢のズレに悩むマネージャー」は役に立ちましたか?
・はい。上司と接する場合、「上司の悩み」も考慮して接しようと思います(公社・Mさん)
・従業員の志が高いほど生じるために、経営においては重要な課題であると考える(KBS・Wさん)
・すごく役立ちました。非常に目的が明確で、今後に役立つものと思いました(インパクト東京・三宅さん)
・「社長の立場から見る」(現象を多角的・多面的に見るというのは、本質に近づけたような気がしました。(KBS・栗原さん)
・役立ちました!ケースを読んだとき「ひどい経営者だな」と思いましたが、皆さんとディスカッションする中で「社長はこういう思いから下した結論の結果、今の企業の状況になった」と経営者の立場からも考える重要性を感じました。明日からの勇気が湧いてきました。(フローレンス・低引さん)
・よくありがちな事例ですし、ありふれた展開になるかと思ったのですが、非常に参考になりました。(慶応SDM・Oさん)
・とても役に立ちました。内容も、どこにでもあるケースなのだということも含めて。(NPOマドレボニータ・吉田さん)
・トップとその下が全く同じ目標や意見を持ち経営姿勢のズレに悩むことのない組織というのは、理想だけど多かれ少なかれそうはならないと思うので、どう解決すべきか他の人のいろいろな意見が聞けて役に立ちました。(NPO法人・Aさん)
・立場を変えるとコミュニケーションのスタンスが変わる(変えなくてはいけないし、変えていけるということ)ということに気付きました。(企業勤務・Mさん)
・役に立ちました。いつもこのズレは意識して仕事しています。代表はいつも「社長の立場は社員には分からない」と言っています。また私は30歳を超えた人の根本的な考え方は変えられないと思っています。ですので、ずれは事業目的レベルの合意またはオペレーションレベルで解決するものだと考えています。(企業勤務・Kさん)
・役に立った。今すぐに、というわけではないが、将来必ず直面する問題だと思うので。(上司、部下などレベルは違うかもしれませんが・・)(NPOマドレボニータ・竹林さん)
・非常に役立ちました。ソーシャルベンチャーのみならず、一般の職場でも同様なことは小さな規模で起きていると思いました。(自分はそれ以上に何も考えないですべてを丸投げする上司をどうするかという問題に取り組んでいますが・・・)夢だけでは、実際自分たちが食べていけないという状況は、ソーシャルベンチャーにもよくあることで、理想と現実の狭間で思い悩む方はたくさんいるのではないかと思います。このテーマについては、ぜひぜひまたやってみたいです。(SVP東京&東京都北区役所・齊藤さん)
・非常に役に立ちました。完全に営利企業、しかもミドルマネージャーということで、ソーシャルベンチャーに関係あるのって思うような題材ですが、実際には、類似した悩みを持っているものだなぁと推定します。(SVP東京・金井さん)


2.本日のケース「ベンチャー電子工業株式会社」は役に立ちましたか?
・「中小企業はこのような事例(内部のいざこざ)が多いのだろう」と改めて感じました。中小企業と接する際には、「中小企業の立場」だけでなく「社長個人」や「担当者個人」の想いと考えも考慮しつつ対応しようと思います(公社・Mさん)
・加藤氏の目線からの情報のみをもって意思決定をするという状態は、個人の意思決定に近いため学ぶことは多い(KBS・Wさん)
・自社も同じ課題を抱えてきて共感できる部分が多くありつつ、コミュニケーションをとることで克服してきた自社との違いを思い返しました。なぜこの企業でコミュニケーションが取れず、自社ではとれるようになったのか成功要因をより深く掘り下げ、再現性を持たせたいと思いました(フローレンス・低引さん)
・役に立ちました。自分も技術者なので、自分の将来を見ているようでもありました。(慶応SDM・Oさん)
・読んでいて面白かったです。加藤氏の意見だけ聞いていると社長が悪者のようですが、実際の社長がどんな人なのか、加藤氏の意見に偏りはないのか、これだけでは判断できないので出来るだけ色々な意見を聞いて客観的な見方をするのは大切だなと思いました。(NPO法人・Aさん)
・自分のいる会社もここ数年で人数が増え。組織の在り方もシフトチェンジするタイミングに来ていると感じており(権限委譲とともに人が育つ必要性も)今回のケースのようにしてはいかん、と思いました。(企業勤務・Mさん)
・ミッション達成に向けて、さらにパワーアップしたいなら事業オペレーションを改革しなければならないのに、NPOは目の前の活動が出来ていること自体に喜びを感じてやらないということもよくあるような。そんなとき辞めたくなるかも。ミッションで動いているNPOの経営者と支援者との間にも生じている問題だとも思いました。(企業勤務・Kさん)
・自分が置かれている状況を振り返ってみても納得感があります。日頃役員が呟いている「自分が何でも知っていると思われているんじゃないか・・・(と思うと怖い?)」という言葉を取ってみても、組織が大きくなるにつれトップに迷いは生まれるのだと思うし、それを共有しきれないもどかしさを抱えているのではないかと感じました。明日からの行動に活かしていきます。(企業勤務・Cさん)
・ケースを最初に読んだだけの印象と、時間がたって再度読んだ時にとらえ方がかわりました。さらに、みんなの意見が加わって考えた内容は大きく変わり、いかに片側だけに立たずに、客観的に考えられるかということが実感できたと思います。想像力が膨らむおもしろいケースでした。 社長は人としては、魅力的で本当に人をどんどん惹きつけてきちゃうのだろうなぁと思います。(ちょうど読んでいる「ハゲタカ」映画版の原作レッドゾーンの影響かもしれません。)(SVP東京&東京都北区役所・齊藤さん)
・このケース、生々しいリアル感がすごく、考えさせられるという意味で、深いケースだなあと思います。また、マネジメントという側面で、社長には共感できない参加者が多いように思いましたが、僕は最近、どんどんエンジニアリングこそがメーカの競争の源泉と思うようになり、どちらかというと、技術も経営もわかるCOOになってこそ、COOとしてやっていけるのでは、会社が成長するのでは、と思っています。(SVP東京・金井さん)


3.本日のWrap-up「自己効力感とストレス・モデル」は役に立ちましたか?
・はい。自分をコントロールするために有効な方法だと感じています。忘れないようにして利用したいと思います。(公社・Mさん)
・コミットメントはパフォーマンスに正の影響を与えるが、現実とのギャップが大きすぎる場合にはバーンアウトと相関を持つというのは経営上興味深い(KBS・Wさん)
・コミットメントがストレインを強化させるということがしっくりきました。バーンアウトを防ぐために自己効力感を高める行動・思考を意識していきたいです(フローレンス・低引さん)
・もともとストレスを感じない性格なのですが、他人の理解に役立つと思います。(慶応SDM・Oさん)
・ここまで聞けて良かったです!バーンアウトしないためにシステムや経営面の見直しばかり目に行きがちですが、もっと個々の視点を見ることができました。(NPOマドレボニータ・吉田さん)
・役立ちました。人の感情はアンコントローラブルゾーンと割り切り、行動した方が良いと考える裏付けが出来ました。(企業勤務・Kさん)
・はい。ここに落ちるとは思っていなかったので驚きましたが、確かに大上段に構える前にまずは小さな一歩をというのはバーンアウトせずに行動を継続するために重要な要素だと思います。(企業勤務・Cさん)
・役に立った。こういう問題に直面したとき、冷静に捉えられず、どうしても感情に流されるまま・・になってしまいそうだが、このような知識を少しでもポケットにしのばせることによって、ある程度救われるような気がする。(NPOマドレボニータ・竹林さん)
・このテーマで最後に「自己効力感」の話があったのは、とてもよかったし、救いがあった気がします。正解がでるわけではないので、本当に加藤氏はこれで大丈夫なのかなという思いがありました。どうしても「理想論」ばかりの意見になってしまう気がするからです。課題が大きくなればなるほど、当初の目的とか自分のことがみえなくなってしまい、気がつくとストレスを抱え込み、動けなくなってしまうことなどあると思います。まず自分を大切にするというあたりまえだけど、犠牲にしがちなところに着目しようと改めて思いました。(SVP東京&東京都北区役所・齊藤さん)
・ストレスでバーンアウトとは行かずともちょっと調子悪そうだなあという人は、確かにコミットメント系かつ運動していないように思います!(SVP東京・金井さん)


4.本日の研究会ではどのような学びや気付きを得られましたか?
・組織として目指していること(名目・実質ともに)、上司(上司の上司なども含め)が目指していることなど、相手の立場や制約条件で考えてみて、自分の望む方向へ導くようにしようと思います。(公社・Mさん)
・考えることの大切さ、他の人の意見を聞くことの重要性を感じました。(インパクト東京・三宅さん)
・現象を多面的にとらえることの重要性を理解できました(KBS・栗原さん)
・多様な意見が参考になりました。加藤さんより社長の立場で考えることが意外に勉強になりました。(慶応SDM・Oさん)
・最後に国保さんから質問がありましたが、ケースの中村社長を見る目が180度変わりました。それは加藤氏、中村社長両方の視点から見ることと、こうしたディスカッションであらゆる拝啓の人の意見を聞けたからだと思います。(NPOマドレボニータ・吉田さん)
・加藤さんの「キャリア」という視点がまるで抜けていることに気づいた。社長は技術屋には甘い、つまり社長の立場に立った視点が抜けていた。想像力が足りなかった。他の人の色んな意見を聞いて、つくづく自分は自分好みの考え方をしているのだな、と思った。今後もっといろんなものの見方を身につけて、自分の判断をよりよくするために活かしたい(インパクト東京・森山さん)
・COOの視点というよりは社長の視点を持つことですかね。(フォレスト・菊池さん)
・視点を変えて考えてみること、違う立場から見てみること。(企業勤務・Mさん)
・自分が現場目線から抜け出せていないこと、頭がガチガチになっているので参加者の方々の意見にはっとさせられることが多かったです。(企業勤務・Cさん)
・ケースを読んだだけでは、社長=悪者という風な感じでしたが、ディスカッションをうけて、社長の意思決定における背景なども深く考えていくことによって、社長もそこまで悪くないかも、と思うように。また、どう行動するか、において、様々な人の意見が聞けたのは、大きな収穫でした。(みんな考え方がそれぞれ違う!)(NPOマドレボニータ・竹林さん)
・どうしても感情的になればなるほど、仕事はうまくいかなくなってしまう。感情的な時に冷静になるのはなかなか難しいことだが、相手のいいところを無理やりにでもあげてみたり、まったく違う人から客観的に考えてもらうなど、自分も相手も目先を変えることができたらよいと思った。(自分は自分が間違っているとすぐ落ち込んでしまいがちですが)(SVP東京&東京都北区役所・齊藤さん)
・僕も会社で課長という、要はミドルマネジャーになり、葛藤はよくわかりますが、一方で、こういうとき、がんばらないと人は成長しないっていうのもほんまやなあと最近感じます。赤字とか、きつい上司を経験して、最終的に成功した人って、下手したらTOPまで行ったりするんですよね。 そういう意味では、こういうきつい仕事をストレスコントロールしながら乗り越えられるやつは一番伸びるのではと思いました。(SVP東京・金井さん)


posted by Kokubo at 23:47| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究と実践 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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