2009年03月07日

第2回研究会レポート

第2回のマネジメント研究会には16名に参加いただきました。ありがとうございました!年度末の土曜日だからでしょうか、仕事が入って急遽キャンセル、という方が相次ぎました。日曜の方が参加しやすいのかな〜と思って、次回は日曜AMの開催にすることにしました。4月の詳細はこちらです。

第2回のテーマは「経営の総合的視点から見た組織内不祥事の捉え方とリスク・マネジメント」です。組織の中に不正を働くメンバーが発生したとき、経営者はどう考えるべきなのかを皆でディスカッションしました。ディスカッションの際にはいろんな人の視点を疑似体験してもらうのですが、今回は不正を働く当人の立場にも立って、常識が違うことがどう影響するかを体感していただきました。

面白かったのは、普段はこのケースを使うと「犯罪は犯罪、お金を盗るなんて絶対に許せない」「どう佐藤さんを追求するか」という意見が多数を占めるのですが、今回は途上国開発に携わっている方が多かったからでしょうか、「盗れる状況を作っている方が悪い」「自分がやっていることの影響を分かっていないのだからしょうがない(からマネジメントで何とかすべき)」という意見が早々と出ました。ほーーぅ。メンバーが違うとまったく流れが変わってくる、ケースメソッドの面白いところですね。

ところで今回は価値観オリエンテッドになりがちなソーシャルベンチャーに対して、経営者として合理的な意思決定をするためには、ときに個人としての価値観は切り離して判断しなくてはならない、というメッセージをこめてみました。が、ディスカッション終了後にKBSから参加してくださったKさんに、営利企業は価値観の統一にエネルギーを使うのに、逆のことを言ってるのは何故?という質問を受けまして。そこで改めて気付くのは、営利だと利益追求という暗黙の前提があるうえでの価値観追及という構造なので価値観が暴走するということが少ないけど、ソーシャルだと価値観追及オンリーになってしまって価値観に偏りが生じやすく、意識的に合理性を持ち込まなくてはならないと私は考えているのだということ。もちろん、いろんなケースがあるとは思いますが。

2回目を実施して、かつ価値観の違いがはっきり出やすいこのケースを使ったことで、KBSの営利ケースを非営利向けにカスタマイズするときのコツみたいなのが見えてきました。やはり現場でのトライアルは重要ですなー。皆様、ご協力ありがとうございます。

マドレボニータの吉岡マコさん吉田紫磨子さん高橋葉子さん、Blogでのご紹介、ありがとうございました!(2009/3/11追記)


追記はアンケートの声です。


本日のテーマ「経営の総合的視点から見た組織内不祥事の捉え方とリスク・マネジメント」は役に立ちましたか?
・もともと前職でやっていたことであったが、参加者の意見など新しい考え方に触れることができました(Komposition・北池さん)
・すごく役に立ちました。自分の中のパラダイムがだいぶ揺らぎました。みなさん、優しいですよね。私はまずシステム・ルール有りき、それから外れたら「サヨウナラ」と思う人間なので。そのシステムやルールをどうやって守り、前向きにやっていくか、「人をどうマネジメントするか」という発想が欠けているのを再認識しました。(インパクト・三宅さん)
・「ルールの違い」と「程度の違い」という捉え方が面白かったです(KBS・栗原さん)
・組織の中にいると「いつもみんなやってるし」「前もやってたし」で、よく本質を考えないで機械的に悪いことに手を出していることが大いにあり得ると思うので、とても役にたった(住友商事・高野さん)
・はい。最後の「問題が起こるのは、あなたに責任がある」にはっとさせられました。考えるべき視点、答えるべき問いが見えてきたことが収穫です(企業勤務・Cさん)


本日のケース「あるコンビニエンスストアの現金違算」は役に立ちましたか?
・役立ちました。が、だいぶ混乱しました。立場が違うとこうも問題の捉え方が違ってくるのですね(インパクト・三宅さん)
・参加者の方の発想が面白かったです。地域コミュニティと商圏の関わりという問題は勉強になりました(KBS・栗原さん)
・一見売上に注目した内容かと思ったが、職場の仕組み、信頼関係の作り方について考える機会となって良かった(NGO勤務・Mさん)
・身近なところで分かりやすかったです。一組織の長でありながら、小さなグループでヒト・モノ・カネを回しているので、自分の立場で共感しやすかった。誰にも相談できない・・・・(と思ってるだけ?)というのも共感します。(企業勤務・Cさん)
・身近な場所にて起こりうるケースで当事者意識を持ちやすかったです(パクチーハウス・大澤さん)
・自分自身コンビニで現金やモノがなくなるのは当然と思ってしまう部分もありますが、それをなくすためにどうすべきか?を考えることはこれまでなかったので、面白かったです(企業勤務・Oさん)
・身近な内容でイメージしやすく、経営×人×地域すべて網羅されたケースでした。(マドレボニータ・吉田さん)
・「現金違算」ということだけでなく、それが組織のあり方や運営の考え方まで考えさせられたのは、ちょっと思いがけなくて、非常に考えさせられました。個人的には、自身の子どものことや、“子どもは地域で育つ(育てる)”という活動を行なっていることもあってか、妙に思い入れが強くなってしまうなぁとあらためて思いました。(マドレボニータ・高橋さん)


本日のWrap-upは役に立ちましたか?
・講師としてフレームワークを提示するだけでなく講師の立場を外れて「実際どうするか?」という意見が聞きたかった(Komposition・北池さん)
・論点が整理されて良かったです。できれば黒板(いままでのディスカッションの経緯)を使ってまとめていただけるともっと分かりやすいと思います(KBS・栗原さん)
・個人としての判断≠経営者の判断という点、忘れないようにしたいです。スタッフからマネジャーになる過程で公私を分ける、尺度を使い分けるということをいかに進めていくかを考える必要があると考えました(NGO勤務・Mさん)
・とても役に立ちました。本ケースから発生して、地域と経営、だからこそ、さらにリスクマネジメントが必要と感じました。(マドレボニータ・吉田さん)
・上記のように個人的な思いが強く入ってしまうだけに、「≠経営者としての判断」というところではハッとしました。(マドレボニータ・高橋さん)


本日の研究会ではどのような学びや気付きを得られましたか?
・代表の目指すものや姿勢が組織の在り方、ダイナミズムさに関係する。自分の向き不向き・限界を知って、次につないでいくことに組織の持続性を託すことも視野に入れようと思った(インパクト・森山さん)
・自分の役割とやるべきことを再認識しました。代表が得意分野で、そして対外・対内的に最高のパフォーマンスを出せる環境を整えること、それを早くやらなくては!!(インパクト・三宅さん)
・基準・ルール作りが組織を継続的に運営していく上で重要だと再認識した(住友商事・高野さん)
・自分の中には持っている対応方針(クレームなど問題が起きた時)を言語化しなくては、と気づかされた。自分が何とかしなくては、上に言えば手落ちだと思われるし、下に言えば不安にさせる・・・悩むだけでは先に進まないことを改めて実感しました(企業勤務・Cさん)
・一番学んだことはリーダーとサブリーダーの仕事の分担です。リーダーはビジョンの策定・ジャッジ・目的の保持、サブリーダーは現場とのギャップの対応・リーダーが決めたことに向けてのマネジメント。(パクチーハウス・大澤さん)
・商圏(消費者)と地域コミュニティが重複している場合の解決策を考える際に考慮すべきポイントが必要であることを知った(エデュテイメントプラネット・片貝さん)
・数字も商品も人が動かすものであって、まずはコミュニティの運営、コミュニケーションの重要性。どちらかというと元々コミュニケーションに頼りがちではあったけれど、ここを利用してさらに運営を円滑にしていきたい。(マドレボニータ・吉田さん)
・基本的なことですが、様々な考え方、視点があるということをあらためて強く感じました。もう少し話したい、という感じでした。団体内ではそれほど大きく意見・視点が違うということがなかったり、逆に違う意見は出しづらいという場合もあるので、新鮮でした。「個人の倫理的問題」「変えられるのか?変えるべきなのか?」・・・という点については、このケースでは、まだわだかまりが残っているのですが(笑)、自団体の事業で考えた時に、確かに「変えるべきなのか?」ということはあるなぁと思います。・・・と、当初の予想以上に尾を引いて考えさせられています。(マドレボニータ・高橋さん)


本研究会で「ケースメソッド」という教育法を体験してみて、いかがでしたでしょうか。
・頭を使うことが多く大変役立ちました(Komposition・北池さん)
・現実は多様な中、ケース化されてしまうとうまく捉えられないのかと思ったが、学習者の参加の仕方次第で判断の幅が広がると思った(NGO勤務・Mさん)
・ディスカッションだけかと思っていましたが、要所要所で一見違う論点に行ったかと思えば、違う角度から事象を眺める国保さんのファシリテーションのおかげでこり固まっていた視点がほどけた(企業勤務・Cさん)
・バックグラウンドがバラバラなので、色々な視点の意見が聞けて面白かったです(企業勤務・Oさん)


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ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!








posted by Kokubo at 23:59| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究と実践 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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