2009年01月21日

【詳細】ケースによるソーシャルベンチャーCOO向けマネジメント研究会

ケースメソッドによるソーシャルベンチャーCOO向けマネジメント研究会の詳細および参加方法等のまとめページです。

次回開催は4月以降で、日時は未定です。案内をご希望の方は、メールでご連絡下さい。

*このページは随時更新して、参加方法に関しての最新情報を載せておきます*

1.目的:
KBSのケースメソッドによる実務家教育のノウハウをたたき台にして、営利組織を前提にした既存のマネジメント理論がソーシャルベンチャーにどこまで使えるのか?を実務家と一緒に考えたいと思っています。

ご縁があって昨年からNPO法人「インパクト東京」の支援をさせていただいていますが、ミッション達成と収益性確保という2つの目的を持っており、かつフルタイムではない労働力が多いソーシャルベンチャーは、営利組織以上にマネジメントが難しい。営利のやり方をそのまま持ち込んでも、有効じゃない部分もあります。私は経営の研究者・教育者としてのトレーニングや実績を積んできているし、もともと勉強が得意ではなかったために相手が「何を理解できていないのか」「なぜそれが理解できないのか」を見抜くのはけっこう得意。そして、前提条件を疑うところから改めて経営の本質を考えることは研究者としての勉強にもなるので、これはお互いに得るものが大きいんじゃないかな〜と思い、営利マネジメントをベースに現場で悩んでいる人達で経営を考えるという趣旨の当研究会を企画しました。そして、どうせやるなら他の団体の人と一緒にディスカッションしたほうが楽しいよねということで、お知り合いを中心にお声掛けしています。

本研究会では、私が何かを一方的に教えるというスタイルではなく、私がファシリテーションをすることで私を含めた参加者の知見を最大限に引き出しながら皆で学んでいきます。ですので、参加する皆さんは受け身ではなく、「皆で学ぶ場を作る」ことへの意識を持って挑んでいただきたいと思っています。

また、仕事と人生を重ねる生き方はバーンアウト(燃え尽き症候群)を招きやすいので、営利非営利問わず、価値あることをやっている人たちがこれ以上バーンアウトしないために、自分を客観的に見つめるきっかけと、異なるフィールドの友人を得られる場になるといいなという思いもあります。

そんなルーツを持った個人の研究会なので、あんまり大規模にする気もなく、ニーズに柔軟に対応しつつ、slow but steadyで続けていきたいなと考えていますので、よろしくお願いします♪

(当研究会は国保の個人的な研究活動の一環です。)


2.内容: 
慶應ビジネススクール(KBS)のケースメソッドによる実務家教育のノウハウと教材を、ソーシャルベンチャー向けにどこまで適用できるか?のトライアルです。特に@経営を総合的視点で捉えた意思決定のトレーニング、A目標や悩みを共有できる仲間とのディスカッションによる気づき、をもたらすことを目指します。

基本的にノンプロフィット&プロフィットに共通する普遍的なマネジメント課題を中心に扱いますが、要所でノンプロフィット特有の現象にも触れます。経営を総合的に考えるための意思決定トレーニングが目的なので、具体的なテクニックやノウハウはあまり扱いませんが、そのあたりは参加者の皆さんの中で共有できればと思っています。本研究会では、本やレクチャーで吸収できることは扱わず、皆でディスカッションをすることでしか学べないことを追求していきます。

なお、ディスカッションのファシリテーションは完全にニュートラルな状態で行います。ときには意見のバランスをとるために極端な表現もしますが、それは私個人の価値観ではありません。ただ、これまでの参加者のリクエストに応えて、最後にバックボーンとなる理論の紹介と簡単なレクチャー(Wrap-up)を入れるようにしていまして、このWrap-upには私個人の価値観が入ります。なので、この部分は、ご興味無い方はお聞きにならなくとも構いません。

過去の研究会の感想もご参考にどぞ。
第1回研究会レポート
第2回研究会レポート
第3回研究会レポート
第4回研究会レポート
第5回研究会レポート
第6回研究会レポート
第7回研究会レポート
第8回研究会レポート

3.手法: 
KBSで実務家教育のための教育手法として採用している、ケースメソッドを用います。経営能力は理論知識・専門知識と実践力・意思決定力の相互作用で伸びますが、レクチャーや本で習得できる知識と異なり、「力」は現場経験でのみ伸びてゆきます。だからたくさん現場経験を積むことが、一番成長につながりますが、現場の数と種類を経験するのは簡単でないし、目の前の仕事から離れて立ち止まって考えたいときもある。そんなときのお助けツールが、ケースメソッドです。だから基本は、ケースと現場とは補完関係。ケースさえやれば力がつくという話では全くなく、現場経験と組み合わせることでこそ、その効果が発揮される類の教育手法です。

ケース・ディスカッションでは、他者の意見に触れることで自分がそれまで持っていた思考の枠組みをいったん壊して、より広く深いものに再構築することができます。でも、ある程度年齢も経験も重ねた人にとっては、既存の思考の枠組みを壊すというのは痛みを伴うため、誰かから一方的に考え方を押し付けられるととても苦痛。そのため「気付く」ことで、枠組みを壊す気持ちに自発的になってもらうことを目指しています。ケースメソッド授業のキモは、その判断に至る「思考プロセス」にあり、「正解」を見つけることには何の意味もありません。

また、本研究会では、成功要因の事後的な分析より、実施可能性を考慮したプロセスを学ぶことを重視しています。環境や事業の変化を時系列で追いつつ、当事者がどういう課題に直面し、どういう制約条件の中で判断したのかを、過去のある時点に戻って考えさせること(追体験)がケースメソッドだと可能になります。その他、ケースの中の様々な登場人物の視点を疑似体験することで物事を多面的に俯瞰できる客観性を身につけたり、考えつづけるための内省習慣、ある個別事象から一般化して自分の組織に応用するための技術、などの獲得も目指します。


4.想定する参加者:
@COO&ミドルマネージャー
アントレプレナーではなく、管理職として、日常の管理業務から長期的な組織の発展管理までを担うミドルマネージャーやCOO(いわゆる「ナンバー2」や「番頭さん」)を対象としています。個人の情熱やアイデアから始まった事業を、継続性を確保するために組織としての活動に落とし込んでいく作業の要となる人たち。しかし、人に動かされる側から人を動かす側へシフトするには、考え方の変革を伴うのでOff-JTの教育が必要。だからこそ大企業は、マネージャー教育の社内研修を行っています。なのに、(ソーシャル)ベンチャー向けのマネージャー研修は無くていいの?そこレバレッジかけないと、業界全体が成長しないんじゃないの?と常々思っておりまして。スタートアップと大企業を両方見ると、社員教育に対するスタンスの差が良く分かります。とはいえ規模の経済が働かないベンチャーさんは必要性が分かっていても実際は余裕がなくて難しいという状況でしょうから、アウトソース先として本研究会を使っていただければ嬉しいなあと思っています。あと、メインターゲットはCOO/ミドルだけれど、彼ら彼女らの仕事を理解したいと考えるCEO/トップも歓迎です。

A実践者&実務経験者&KBS/SDM生
個人的に、現場で自分でリスクを背負っている人を私はリスペクトしてます。そもそもの目的からいっても、自分である程度やってみた後に壁に当たって苦労している人にヒントになるようなものを提供できる場にしたいと考えていますし、これまでのトライアルを振り返っても、実際に始めちゃってる人ほど喜んでいただけている気がします。そもそも組織マネジメント自体、組織を動かした経験のない人にはあまりピンと来ない科目なんですよね。なお、2009年1月にKBS学生を対象にソーシャル・ビジネス系の授業があれば履修したいか?というアンケートを実施したところ、Yesが76%(34/45)でした。なのでKBS生さんも歓迎です。

B(ソーシャル)ベンチャー
前職やSVPで、立ち上げ期のカオス状態から組織として機能するようになるまでのプロセスを組織内部から見る機会に恵まれました。その自分の経験を生かせるのは、ベンチャーのマネジメントです。小さい組織だと、自分の働きかけのフィードバックをダイレクトに受けられるため、経営トレーニングの場としても最適ですし。あと、ミッションを大切にしつつ事業収益を追求する組織をイメージしています。理由はこの辺をご参照ください。NPO・株式会社といった組織形態は問いませんが、規模としては5〜50人の段階にある組織です。


5.シラバスと日程
2009年は月一回、基本的に日曜の10:00〜13:00で開催します。

第1回:2009年1月17日(土) 15:00〜18:00 (19名参加)
テーマ:経営管理イントロダクション および 研究会の方向性の確認
ケース:「浜松オーガニックカレー「スパイスカフェBija」」(514円)
詳細はこちら

第2回:2009年3月7日(土) 13:00〜16:00 (16名参加)
テーマ:経営の総合的視点から見た組織内不祥事の捉え方とリスク・マネジメント
ケース:「あるコンビニエンスストアの現金違算」 (157円)
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第3回:2009年4月12日(日) 10:30〜13:30 (34名参加)
テーマ:共感に頼らない人の動かし方
ケース:「株式会社いろどり」 (777円)
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第4回:2009年5月31日(日)10:00〜13:00 (18名参加)
テーマ:トップとの経営姿勢のズレに悩むマネージャー
ケース:「ベンチャー電子工業株式会社」(262円)
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第5回:2009年6月21日(日) 10:00〜13:00 (21名参加)
テーマ:ソーシャル・ベンチャーののイノベーションと成長プロセス
ケース:「特定非営利活動(NPO)法人フローレンス
詳細はこちら

第6回:2009年7月26日(日) 10:00〜13:00 (24名参加)
テーマ:ソーシャル・ビジネスの事業化とエグジット
ケース:株式会社キッズベースキャンプ
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第7回:2009年9月27日(日) 10:00〜13:00
テーマ:ケースを使って社会問題の構造を理解し、その解決策をビジネスとして考えてみる
ケース:「重要な場面で失敗を繰り返す女性後継者」「妹が夫に暴力を振るわれていることで相談に来た女性」「耳から脳が溶け出していると訴える公務員
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第8回:2009年11月1日(日) 10:00〜13:00
テーマ:ミドルマネージャーの役割を考える
ケース:「北村店長のスタッフ管理
詳細はこちら

第9回以降に検討中のテーマおよびケースは以下のとおり。
 ・事業拡大と権限委譲、戦略と組織を考える
 ・合理的経営を推すMBA社長 vs 昔のやり方に固執する現場スタッフ
 ・トップの言動が非意図的に組織に与える影響を考える
 ・マーケティングの基礎的思考 
 ・財務会計の基礎的思考
 ・組織の変革マネジメントとリーダーシップ
 ・ボランティア人材のマネジメント
 ・助成金申請書やアニュアルレポートの作成を通して考える中期戦略

KBSの営利組織のケースと、私が開発しているソーシャル・ベンチャーのケースを使います。本研究会は、経営の現場で起こっているある現象や課題を構造的に紐解いて、総合的経営視点で眺めるとどうなるかという思考のトレーニングが目的です。ですので、例えば、リスク・マネジメントを学ぼうとするのではなく、「スタッフの不祥事という軸から経営を見ると何が見えるのか?どう判断すべきなのか?」というところを考えていただきたいと思っています。


6.ファシリテーター
わたくし、国保祥子(こくぼあきこ)。KBSでのMBA取得&博士課程在籍&特別研究助教。IT業界での実務経験(業務改革を伴う基幹システムのコンサルティングおよび導入)、ソーシャルベンチャーパートナーズ東京LLC立ち上げ期の事務局経験、非営利組織を対象とした研究者キャリア、KBS地域起業家養成研修のカリキュラム構成企画・運営・講師キャリア、企業研修の講師キャリア(主にミドルマネジャー育成)、などがあります。右端の自己紹介もご覧下さいませ。

なぜ現在のキャリアを歩むに至ったかを知るには、当ブログの過去エントリーが参考になりますので、ご興味ある方はご一読下さい。
・なぜ、ソーシャル・ベンチャーを研究しているのか。
・MBA嫌いだった私が、MBAを取り、さらに博士課程にまで進んでしまった理由。
・地酒と地ワインの会、そしてキャリア再考


7.開催場所
東急東横線日吉駅から徒歩1分の、慶應ビジネススクール「協生館」4階 階段教室1
ただしビジネススクールの入口はセキュリティカードが必要なため、オープンスペースである2階中央エレベーター前のロビー(変なピラミッド状の建造物があるところ)に開始10分前に集合して下さい。なお研究会開始後は私が対応できないので、遅刻する方はどなたか連絡がつく方を確保しておいて下さい。

東急東横線日吉駅の正面改札からですと、慶応大学側に出て横断歩道を渡り、右手すぐの建物が「協生館」になります。半円を描いたスロープから建物に入るとそこが2階なので、そのままずっと奥に歩いて行ったところにロビーがあります。あるいは、東急と地下でつながっている横浜市営地下鉄グリーンライン日吉駅の横にある1番出口を出ると、「協生館」の1階に出ますので、建物に入り、タリーズとローソンの間を抜け、正面にある階段を上るとそこにロビーがあります。

外観.JPG 2階ロビー2.jpg 協生館&2階ロビー

研究会の会場は中央エレベータ(協生館入ってすぐ左手前にあるエレベータではなく、右奥にあるエレベータで7階まで行ける方です)で4階に行き、降りて左側にある「階段教室1」ですが、4階の入口にセキュリティがありますので、ご注意ください。関係者を呼び出すか、誰かが通りかかるのを待っていただく感じになります。


8.参加希望の方へ
<当日までの準備>
1)シラバスにある指定のケースをこのサイトあるいはKBS事務室にて購入してください。配送リードタイムが1週間ほどかかりますので、予習も含めて研究会の2週間前までに注文することをお勧めします。ちなみにケース代はすべてKBSの売上となります。
2)以下のケースメソッドに関する資料にざっくり目を通しておいて下さい。
ケースメソッド教育について(PDF資料)
3)ケースを読み、シラバスにある設問に対するご自分の意見をまとめておいてください(予習)。だいたい2時間くらいかかると思います。

<当日>
ケースと予習メモを持参のうえ、会場にお越しください。事前連絡はなくても結構ですが、ケースメソッドは予習をしていないと教育効果がほとんどありませんので、予習をしていない方の参加は基本的にお断りさせていただきます。ディスカッション中の途中入退室も、周りのモチベーションを下げるのでご遠慮ください。こちらからの時間変更等の連絡はすべて当ブログ上で行いますので、必ず当日の朝に変更の案内がないかを確認の上、ご来場ください。

人数が多すぎると教育効果が落ちるので、参加者数を管理するために参加エントリーをお願いします。ちなみに本研究会の最大許容人数は30人。定員数を達成した時点で申し込みを締め切ります。また、博士論文の傍らで、しかも私ひとりで運営していきますので、あまり行き届いたおもてなしはできません。事前の準備や当日の来場は基本「自己責任」でお願いできますと幸いです。通常の研修は教材の手配や確認、会場設営などのお世話をしてくださる方が居てはじめて成り立ちますが、本研究会はそれを無しにするかわりに実費(ケース代)のみで運営しようと思っていますので、不便はどうかご了承ください。ただし、内容のクオリティに関しては、私が全て責任を持ちます。


9.お問い合わせ
ブログのコメント欄か、メール(akiko_kokubo@yahoo.co.jp)までお願いします。本研究会のお問い合わせに関しては、3日以内のお返事を心がけますが、連絡がない場合はスパムフィルターに引っ掛かっている可能性がありますので、お手数ですがコメント欄にて再度ご連絡ください。


(第1回の様子)
P1030905.JPG IMG_9862.JPG
IMG_9906.JPG P1030951.JPG

posted by Kokubo at 15:01| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント研究会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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